行雲流水

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愛とは残酷なもの

2010年11月05日 | 禅の心
法句経というお経に、
愛より憂いが生じ、愛より怖れが生ず。
愛を離れたる人に憂いなし、なんぞ怖れあらんや。

字づら通りとられると困るのですが、釈尊は、とりあえず愛は欲望であり、煩悩であると考えています。愛というものは残酷なものです。相手を自分の思い通りにしようとする側面があるからです。だから、愛と憎しみは同じものの裏表の関係なのです。
記憶に新しい耳かき店の事件のようなストーカーはその極致なのでしょう。
しかし、そうは言っても、釈尊は愛を捨てよと言っているわけではありません。愛にとらわれるなと言っているのです。
現代社会でおこっている様々な不幸な出来事は愛にとらわれていることによるものが多いです。
ストーカーだけでなく、家族をはじめとする様々な人間関係のもつれは、みんな愛にとらわれていることによります。友達であっても、自分の思うようにしようとすれば、関係がうまくいかなくなります。
人間関係とは、ちょっと自分自身を客観的にみて頭を冷やしてみるとうまくいくものかもしれません。
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