行雲流水

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日本人とクリスマス

2012年12月25日 | 禅の心
芥川龍之介に『神神の微笑』という短編小説があります。これは、安土桃山時代に、宣教師のオルガンティノが、日本での布教が思うようにいかないことについてのお話しです。日本人は周辺諸国の文化を受け入れて、日本風に消化し、定着させてきました。インドや中国の神々もそうです。七福神の中には日本の神様は恵比寿様だけで、あとはインドや中国の神々なのです。オルガンティノの目は虚ろになり、気分は憂鬱になります。日本人には一神教は馴染まないと思ったからです。
日本人は何でも受け入れてしまいますが、日本風にアレンジする能力に長けているようです。クリスマスもそうです。イエス・キリストの誕生日を祝うというよりも、子供にサービスしたり、カップルで過ごすという面に重きが置かれています。日本らしく家族で過ごす日という意味が強くなっています。
オルガンティノが嘆く通り、クリスマスも日本風に変えられてしまっているのです。
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