akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

『天国を盗んで』

2008-04-30 | 映画・芸術・エンターテインメント
『ランジェ公爵夫人』に触発され、『天国を盗んで~アベラールとエロイーズ~』(1988)を観る。
フランスのアベラールとエロイーズの有名な往復書簡集を映画化したものだが、これは感動だった。
12世紀パリ。ノートルダム大聖堂付属の大学で教鞭をとる人望厚い哲学者アベラールと、並はずれた才智と美貌をもつエロイーズの、激しい恋、成長、絆を描いている。
哲学者は純潔を守らねばならない時代、アベラールとエロイーズの愛は神への冒涜とされ、非難中傷の対象となった。愛を貫き通すエロイーズと、神への愛と彼女への愛の挟間で苦しむアベラール。耐えがたい難も襲うが、周囲の支えもある。彼らの愛と信仰の強さ、不屈の精神には感動せずにいられない。当時のキリスト教的価値観にはもちろん共感できないが、『ランジェ公爵夫人』と違って、そうした規範と常識の中での二人の苦悩は非常に共感しやすい。
エロイーズを演じたキム・トムソンがとにかく美しい。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ランジェ公爵夫人』

2008-04-29 | 映画・芸術・エンターテインメント
岩波ホールで公開中のバルザック原作『ランジェ公爵夫人』を観に行く。
大学時代の友人たちと鑑賞した後、バルザック研究で昨年フランスから表彰された大学時代の恩師を囲んで、プチ講義?を受けつつ楽しい食事。
バルザックの小説はどれも非常に長い。しかも、全体の小説がつながっていて、一つの作品のようになっている。原作を読まずに観に行ったのだが、先生によると原作にかなり忠実に描かれていたとのこと。

ナポレオン軍の将軍モンりヴォーは社交界の華であるランジェ公爵夫人に恋をする。無骨で女性に疎く一途な男は、毎日夫人に会いに公爵邸を訪れる。その気にさせながらはぐらかしてばかりの公爵夫人だが、彼に(十三人組の働き)拉致された後に一変して彼を本気で恋い慕い、その想いに応えてもらえず修道女になる。意固地になっていた男が彼女を探し求めて修道院へ行くが、今度はどんなに愛の言葉を並べても彼女は神のもとで男への世俗を超えた愛に生きる、という。ならばそこから連れ出すしかないと彼(十三人組の仲間たち)が修道院に忍び込んだ時には、彼女はすでに天に召された後だった。

とまあ、ランジェ公爵夫人と将軍モンりヴォーの死に到る恋を描いたものだが、二人の心情や行動には違和感を感じる部分が多かった。ベースになっている19世紀前半のフランス社交界、その風俗やキリスト教と密着した価値観、貞操観念、それだけのせいではないと思っていたのだが、どうやら友人たちも同じ感想。だいたい、拉致された後言い争った挙句に一人帰された公爵夫人が、その後ころりと男を本気で恋い慕うくだりは、かなり不自然な流れだ。これは監督のせいではなく、原作がそうなのだからしかたがない。

先生によると、バルザック自身が社交界きっての花形夫人に恋をした体験をもとに書かれているらしい。だが、実際どんなにアプローチしても結局応えてはもらえず、小説の中でその腹いせをしていたのかもと。まあ、そう考えると不自然なストーリーも納得。彼女を想い、恨み、バルザックはきっと想像の上で、あんなふうに拉致して彼女の肌に自分の焼印を押して…などと考えていたのに違いない、そして逆に男に熱を上げた夫人は、手紙を書いても返事の一つももらうことができず煩悶する。彼を想うあまりにすべてを捨て修道女になり葛藤のうちに死んでいくー。しかも死んだ女に男は未練も見せず、海へ葬るのである。小説の上で見事な復讐を果たし、カタルシスを得ていたバルザックの姿が見えるような気がして、なかなか面白い映画体験だった。

それにしても、映像はきれいだった。徹底した時代考証のもとに作られたという邸宅、装飾、そして美しい衣装。それだけでも観る価値はあったと思う。
ただし、公爵夫人役の女優はもっと若いほうがよかった。20代後半から30代の人物だと思うが、今年40歳のジャンヌ・バリバールが40代後半に見えてしまった。それも違和感を感じる一つの要因だった気がする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大手町カフェ閉店

2008-04-25 | 活弁
2005年10月のオープン以来、9回に渡り「すろ~しねま活弁シネマライブ」を開催してきた大手町カフェが今日で閉店。今日は、環境やLOHASに関するたくさんのセミナーを行ってきた活動拠点のFarewell Partyということで大勢の関係者が集まり、立ち上げから携わってきた三菱地所の方々、竹村真一さんや赤池学さんのトークの後、にぎやかな交流会となりました。

大手町カフェは、「都心から環境を考え情報を発信するコミュニティカフェにしよう」というコンセプトで、室内には、たくさんの木々が植えられ、最新のゴミ処理プラントが設置されています。
都会で日々出される大量のゴミは、環境を考える上で、非常に重要な問題です。しかし、それはエネルギー資源ともなりうるもので、この室内のプラントは、生ゴミを高温高圧で分解し液肥を抽出するものでした。まあ、エネルギー効率から考えたらどうなのかとは思いますが…。
都会から出たゴミを分解し、都会の緑化のエネルギーにする。そんなアイテムをシンボルとして、「地球大学」を初めとする様々なエコイベントが開催されてきました。

平成18年度グッドデザイン 金賞
第三回 エコプロダクツ大賞 エコサービス部門 環境大臣賞
ディスプレイ産業優秀賞 経済産業省商務情報政策局長賞
ディスプレイデザイン賞2006 朝日新聞社賞

期間限定のプロジェクトだったとはいえ、閉めてしまうには非常に惜しいスペースです。
「すろ~しねま活弁シネマライブ」は、オープンからラストまで続いた数少ないイベントだったとか。多くのお客さまにいらしていただきました。スタッフの方々、最後には涙してました。本当にありがとうございました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

懐かしい

2008-04-22 | Weblog
この公園の桜。
何年ぶりか…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『出番を待ちながら』

2008-04-21 | 映画・芸術・エンターテインメント
新宿スペース・ゼロで行われた木山事務所プロデュース『出番を待ちながら』の千秋楽に伺いました。連日満席。評判どおりのいい芝居でした。

ノエル・カワードの翻訳劇で、女優の養老院を舞台にした物語の主要登場人物はほとんど熟年の女性たち。熟達した舞台女優たちの共演がまた見事で、肩ひじ張らずに楽しめ、人生いろいろあるけれど歳を重ねるのもそう悪くないことだとウキウキさせる魅力を持った公演でした。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南極観測船旧しらせ乗船

2008-04-18 | Weblog
この度任務を終えた南極観測船旧「しらせ」に乗船。元艦長の御配慮で体験航海をさせていただきました。
朝、晴海埠頭で乗り込む時は激しい雨でどうなることかと思いましたが、その後は大荒れにはならず、横須賀基地までしらせ最後の航海となりました。艦内、操縦室、ヘリでの物資の輸送等も間近で見せていただきました。訓練された正確な操縦と航海技術が不可欠。食堂、貸し出し文庫など、航海中の隊員達の生活を垣間見る事もできました。
観測船「しらせ」は防衛省海上自衛隊の砕氷艦ですが、日本の南極地域観測は、文部科学大臣を本部長に、国立極地研究所や気象庁、海上保安庁、大学、研究所、地方自治体、民間企業等から組織されています。
地球の歴史や環境変化や地殻変動などを研究する上で南極観測は重要な役割を果たしているわけで、隊員は皆、自然の偉大さや地球という一つの星を全世界の人間が共有し共生している事を感じているはず。
だからなおさら、横須賀基地に接岸した際、「しらせ」の横にずらりと並んだ全身グレイの巨大な護衛艦が非常に異様に見えました。しかもみんな税金で造られてるんだよなあ…。

南極の研究については国立極地研究所を。
様々なメディアで提言を発する知人のカメラマン藤原幸一さんの本もオススメです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やぐちひとり(C)#52

2008-04-08 | 映画・芸術・エンターテインメント
8日(火)の「やぐちひとり(C)」。
冒頭では、他人にとってはたいしたことがなさそうでも、自分にとっては非常に大事な「地味な奇跡」=「地ミラクル!」を紹介。やぐっちゃん、春樹に「地ミラクル」と判定されると「地ミラクル娘」がサンバを踊るという企画…。けっこう面白いですが。引き続き、「地ミラクル」は大募集中です。
紹介作品は、まずDVD『SS・エスエス・プレミアム・エディション』。なんと、やぐっちゃんと春樹が、実寸大のスタリオンを段ボールで作成。いやあ、よくぞ作りました! 全長4.4mの段ボール。これまでで一番時間のかかったワンコーナー。ツッコミどころ満載の制作風景でした。

この春公開『劇場版 仮面ライダーデンオウ・アンド・キバ、クライマックス刑事』。
それから、DVD『ナンバー23』。事件の至るところに"23"。謎のナンバー"23"に取り付かれて、どんどん恐怖にハマっていくというサスペンス。私の誕生日も23なので、よく2や3という数字を選ぶんですが、これは観たら眠れなくなりそうで…。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜こども弁士教室

2008-04-07 | 活弁
北区子ども文化教室「弁士教室」が4月から月2回、日曜日の午後も開催となり、先日の発表公演の興奮覚めやらぬ二教室の子どもたちが集いました。
せっかくなので、日曜日は普段の弁士教室と一味違った表現力や映画の授業にしたいと思っています。

夜は友人の店でクラリネット二重奏ライブを体験。「セントルイスブルース」「メモリーズ オブ ユー」「ディズニーメドレー」まで、クラリネットでジャズ風にアレンジした演奏はなかなか新鮮で、アットホームなライブを楽しみました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

葉祥明美術館

2008-04-05 | 映画・芸術・エンターテインメント
桜咲く北鎌倉を散策しつつ。素敵な美術館でした!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やまがたコミュニティ新聞

2008-04-04 | 取材・メディア
先日、酒田市ひらたの公演にいらして下さったシネマパーソナリティ&ライターの荒井幸博さんより、3/28発行の「やまがたコミュニティ新聞」が届きました。
荒井幸博のシネマつれづれ」のページに、荒井さんが、グリーンハウスや佐藤久一さんの話題とともに佐々木の活弁公演について語って下さっていました。
とてもありがたく、もっともっと精進しなくてはと思った次第です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やぐちひとり(C)一周年

2008-04-01 | 映画・芸術・エンターテインメント
テレ朝で火曜深夜(25:21~51)に放送中のエンタメ情報番組「やぐちひとり(C)」も一周年を迎えました(「やぐちひとり」からは3年半)。私は、「やぐちひとり(C)」となってからナレーションを担当させていただき、番組とともに一周年となりました。

今日御紹介の作品は、現在劇場公開中の『カンフーくん』。やぐっちゃんは、なんと小学生役で出演しています。
ゲストに主演の8才チャン・チュワンくんを迎え、通訳なしで日本の遊びを楽しむという企画が。
「将棋崩し」のルールもジェスチャーで一生懸命説明し、チュワンくんも御満悦。

その他、公開中の韓国のホラー『黒い家』。DVD『銀幕版スシ王子!ニューヨークへ行く」、DVD『青空のルーレット』を紹介しています。

深夜の時間帯ですが、『やぐちひとり(C)』余裕のある時は観て下さいね。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする