akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

D・W・グリフィス『世界の心』と活弁の面白さ

2006-04-28 | 活弁
28日、アースデー*カフェでの『世界の心』、寒い中ありがとうございました。
日中はけっこうお天気よかったのに、やっぱり日が暮れると寒かったですね~。野外テントということもあって…。作品も戦争ものでシリアスなのに、あの寒さ、しかも長い。語ってる私よりきっと観ていた皆さんの体は冷えたはずで、風邪などひかなかったかと心配です。

この『世界の心』、第一次世界大戦の戦場にカメラを入れ撮影した映像がたくさん使われていて、主人公のロマンスを軸としたストーリー展開とはまた別の、歴史的な価値を持つ興味深い作品です。製作の経緯上連合国軍側からの一方的なドイツ批判の視点であることは否めませんが、その戦いがどんなものだったかを見せてくれ考えさせてくれます。
戦いの経緯、兵器や塹壕の様子、軍服など、この作品の映像を理解し、説明(語り)を入れるのに、「ビジュアル博物館ー第一次世界大戦」(発行:同朋舎/発売:角川書店)が非常に参考になりました。

サイレント映画の時代の映像表現の進歩はめざましいものがあり、1900年代、1910年代、20年代の作品では格段の差があります。
1918年のこの作品は、まだまだクローズアップによる人物の心理描写なども少なく、物語を映像でじっくり味わえるところまで行きません。作品のテーマのせいもありますが、字幕による説明が非常に多く、その字幕に合わせて次々にシーンが変わります。どちらかというと動くスライド映像、といった感じで、まさに「活動写真」です。
だからこそ、語り付きでこの作品を観るというのは、貴重な機会だったと思います。作品自体なかなか上映の機会がないですし、その作品を、一応何度も繰り返し観た活動弁士というナビゲータ-が、声と言葉を駆使し、ドラマとして、歴史映像として、再創造するのですから。

『世界の心』は、グリフィス監督、リリアン・ギッシュ主演『国民の創世』『イントレランス』とともに、グリフィスの三大記念作品といわれる作品です(このニ作ほどの知名度はありませんが)。終演後、お客さまに他のニ作もぜひやってほしいと声をかけていただいたこと、非常に光栄に思っています。
またどこかで上演の機会があったら御覧いただきたいと思います。
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29日、水俣フォーラム

2006-04-27 | Weblog
たくさん書きこんだものがブログアップの際また一瞬にして消え、いら立ちながらも、一応今日は簡潔に記しておくことにしました(いつもならあきらめるところですが)。

29日(土)に、「水俣病~新たな50年のために」と題した特別講演会が、日比谷公会堂で開催されます。

水俣病発覚から50年。今も、肉体的、精神的、経済的苦痛に苛まれる患者さん、遺族がいます。多くの患者が亡くなり、世間の関心も薄れ、それで終わりではありません。水俣病問題に関わり、周知と解決を支援しつづけているアナウンサーの先輩のおかげで、私もこれまで何度かフォーラムや写真展、ドキュメンタリー上映などに足を運んでいますが、高度経済成長期に、未来や人間や地球環境を顧みず利益を追い求めたことによる深い傷痕には、胸を突かれる思いがします。

講演会は、日比谷公会堂で、午後2時半~6時半。
講演は、水俣病患者の方々の他、作家石牟礼道子さんや精神科医原田正純さん、発言者に、柳田邦男さん、田口ランディさん、上条恒彦さんなど。

豊かさの代償として切り捨ててきたものについて改めて考える機会になると思います。そのツケは私たちにも返って来得るものです。知らないうちに、私たちの体だってどれだけ蝕まれているかわかりません。普通に生活していて、突然、原因不明の難病にかかったらー。
忘れてはならない憤り、取り返しのつかない過ちの重さ、人間の体、命の価値、責任の所在、解決と妥協点の難しさ、補償のあり方、この先大事にしていかなければならないもの…、様々なものを突き付けてくれると思います。
詳細は水俣フォーラム
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アースデー*カフェで『世界の心』

2006-04-26 | 活弁
4月22日(日)から5月5日(金)まで開催されているアースデー東京2006のアースデー*カフェ。

アースデーは、4月22日を、私たちの住む「地球」の環境について、平和について、未来について、考え行動する日としてアメリカで1972年に始まり、世界中に広まりました。日本でも、意識と行動を喚起するためのフェスティバルが1990年にスタート。

私も6年前から毎年なんだかんだと関わって参加させていただいていますが、ここ数年の広がりはびっくりするほどです。代々木公園を中心に、たくさんのトークショー、イベントが催され、環境に配慮した素材の食品、衣料品、雑貨のお店などがたくさん並びます。毎日のエコロジー生活に活かしていかなくてはというヒントをたくさんいただくお祭です。

28日(金)に活弁公演するのは、渋谷NHK向かいに建てられた特設テント「アースデー*カフェ」。期間中、毎日、さまざまなイベントが行われています。

上映作品は、映画の父といわれるD・W・グリフィス監督の『世界の心』Heart of the World(1918年)。
映画の冒頭にこうあります。
「米国のプロデューサーが、実際の戦場で撮影を行うということは異例の計らいによるものであり、特筆すべきことであります。グリフィスは、敵の陣営から50ヤードほど離れた、カンブリンの英国軍前線の塹壕にカメラを据えー、飛び交う砲弾をあおるようにして撮影しています。
時の英国首相デイビッド・ロイド・ジョージは、首相官邸でグリフィスに、この映画を成功させるよう激励されました」

舞台は第一次世界大戦下のフランス。ドイツ国境近いフランス北部の村に住み、お互いに恋に落ちたアメリカ人の青年と娘が、激しい戦乱に引き裂かれ、辛酸をなめる。仏国軍は苦しい戦いを強いられ、英国を始めとする連合軍の力により、ようやく村が救われる。米国の参戦が、独裁主義と戦争の恐怖から人々を救い、もとの平和をもたらすー

この映画の制作によって、アメリカを参戦に導こうという英国の思惑のもとに作られた作品です。グリフィスは、フランス戦線にカメラを持ち込み、生々しい戦場の実写映像を盛り込んでこの作品を完成させました。結局、映画の完成前にアメリカは参戦することになったのですが。

第一次世界大戦の実写という歴史的価値と同時に、いつの時代にも、どこで起こったとしても、戦争が悲惨であるという事実を語る作品です。

グリフィス監督に見初められ、可愛がられたリリアン・ギッシュと、ドロシー・ギッシュ(妹)が共演。初々しく透明感のあるリリアンの姿は、いまだにファンの心をひき付けます。
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23日、茅ヶ崎館での『浮草物語』

2006-04-25 | 活弁
茅ヶ崎館での『浮草物語』活弁上映、いらして下さった方々本当にありがとうございました。
他とは一味違った茅ヶ崎館での食事付き上映会、一度は皆さんに足を運んでいただきたいと思っています。四季折々、小津監督が愛でた花々が咲き、旬の食べ物が楽しめます。

芸人や芸能人は、今でこそ地位やイメージが上がり卑下することなどない立派な職業ですが、昔はいくら歌舞伎の高島屋の流れを汲んでいても、いくら人気があっても、どさ回りの旅芸人などしょせん浮草稼業のやくざな商売という風潮がありました。そんな中、息子だけは学を身につけさせ堅気にしたいと、父親と名乗らずに旅から旅へ、仕送りをしながら息子を見守り続ける一座の座長、喜八(坂本武)。昔の女であり息子の母親であり今も喜八の良き理解者であるかあやん(飯田蝶子)、喜八と現在いい仲の一座の姐御(八雲理恵子)と、娘役の妹分(坪内美子)。愛憎悲喜こもごもの人情劇に、特に年輩の方々が目をうるませていらっしゃったようです。

上映後は食事をしながら皆さんに御挨拶をさせていただきましたが、どのテーブルでも次々と質問や感想が飛び出し時間が足りないくらいでした。一期一会、いろんなお話ができ、とても楽しかったです。感謝申し上げます。

今回は、せっかく風情と歴史のある茅ヶ崎館で『浮草物語』を語るのだしと、初めて着物で語らせていただきましたが、馬子にも衣装で予想以上に喜んでいただき、甲斐がありました。
実はこれまで、帯で締め付けてしまうと語る時に声の変化がつけにくくなるため多少敬遠していたのですが。渋い粋な黒の江戸小紋は、(先日ブログで紹介しました)染師の友人、岩下江美佳嬢の手掛けたものです。感謝です。

着物好きで着付けをなさっているお客さまなどは、作品の中でも見方が違いました。
「昔の女優さんのどの着物も、またそれぞれの着方もとっても素敵ね!姐御おたかも、清純派の妹分おときも、舞台の衣装と楽屋裏での普段着とまた違って素敵だったわ」
かあやんの着物もそう、それぞれの衣装の細部まで、多分小津監督はしっかりこだわっています。それぞれの役柄と個性をうまく演出する着物を選んでいると思いますし。
小津監督は、その人の個性や持っている芸をそのまま生かして作品を作るのが得意な人だったと思います。役者の個性からイメージを膨らませて、脚本を練り上げていくという作品作りもしばしばでした。
姐御のおたか役、八雲理恵子(昭和8年恵美子から改名)は、幼少から芸事に親しみ、17才で山村流舞踊の名取りに、その後大阪南地で名妓と言われていました。立ち居振る舞いや、着こなしが板に付いていて、艶っぽいのはもっともです。ちなみに、妹役の坪内美子は、銀座でホステスをやっていたのをスカウトされ松竹入り、しっとりした美貌とさわやかな色気がある女優さん。
今回は「二人の女優さんもなかなか素敵で気に入りましたねえ」という感想もいただきました。

これらの登場人物のイメージを生かせるように、と思いながら語らせて頂きましたが。さて。

皆さんが帰られた後は、茅ヶ崎館の若旦那森さんと遅くまで小津映画、茅ヶ崎館でのエピソード、芝居等々の話で盛り上がり、これまた楽しい思いをさせていただきました 。

茅ヶ崎へお越しの際は、ぜひ立ち寄って、宿泊してみて下さい。どの季節もお庭には花があり、百七年になる木造の建物は、落ち着いた気持ちになります。海外での小津監督の映画祭ポスターなども時々張り替られています。
全国から小津ファンがわざわざやってくる宿です。関心のある方とは、森さん(イケメンです。あ、すいません)、おしゃべりが止まらなくなるみたいです。

次回はトーク付きにしようというお話も。また次回の茅ヶ崎館活弁公演にも足を御運び下さいね。
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『御誂治郎吉格子』『血煙高田馬場』

2006-04-20 | 活弁
昨日のgabowlでの大河内傅次郎二本立て、皆様ありがとうございました。
あっと驚くほどの短さに編集された『血煙高田馬場』と、『御誂治郎吉格子』
どちらも監督伊藤大輔、撮影唐沢弘光、主演大河内傅次郎のゴールデントリオによるヒット作。スピーディな立回りと、二人の女(伏見直江、伏見信子)の間で揺れる鼠小僧(大河内)の心理をうまく表現していて、大好きな作品です。
大阪弁と江戸弁と京都弁の混じったような微妙なタイトル(字幕)につられて、こちらのイントネーションも微妙…でしたが、また語らせていただきたいと思います。

いい作品を観ると感激して、ああ、この作品を語りたい、というわくわくした欲求が湧いてきます。ほとんど本能に近い。23日の日曜日に茅ヶ崎館で上映する『浮草物語』もその一つ。そしてそうした作品を語らせていただける場所と、観に来て下さる方々がいることを本当に有り難く思います。

今月は私にとって初めて手掛ける作品が続き、台本作りに追われながらも、楽しい日々を過ごさせていただいています。本や資料を読みつつ、何度も何度も繰り返して作品を観るのですが、多分、台本制作は取りかかったら仕上がるまでとても早いです。この作業が私にとってとにかく楽しい時間です。

急遽、アースデーイベントの一環として28日(金)に代々木公園入口の特設大型テント「アースデイ*カフェ」にて、『世界の心』という第一次世界大戦を舞台にした(実写入り)映画を活弁上映することになりました。主演リリアン・ギッシュ。ぜひ御覧下さい。
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今週は日本映画の活弁で

2006-04-16 | 活弁
▽4月19日(水)「佐々木亜希子のすろ~しねまナイト」は
大好きな大河内傅次郎主演の2本立て!『血煙高田馬場』(昭和3年)と『御誂治郎吉格子(おあつらえじろきちごうし)』(昭和6年)
トップスターだった無声時代の大河内傅次郎がとっても好きで、3年前エッセイ集「映画と私」の~私の好きな映画スター~という特集に彼を取り上げたほどでした。
ぜひ、彼の若かりし頃の魅力に酔いしれて下さい。

▽4月23日(日)
第三回小津安二郎監督ゆかりの宿 茅ヶ崎館で楽しむ 「弁士付き無声映画『浮草物語』と和食ブッフェの宴」
小津監督が定宿にしていた風情のある旅館茅ヶ崎館での活弁上映会も3回目となります。本当にここは昭和をそのまま残した素敵な宿で、料理もおいしい。今回は初めてブッフェ形式となります。上映後、皆さんで歓談の時間。そこで知り合った方どおしで盛り上がったりして、とても楽しい会です。
開場15:30 開演16:00。18:00頃から食事になりますが、前日からゆっくり宿泊いただくのもおすすめです。
小津監督の部屋、原節子さんの部屋などに泊まり、昼は歩いてすぐの茅ヶ崎海岸(小津監督も昼はよく散策していたという)へ行って、ゆっくりお湯につかって、日なたぼっこをして…。そう遠くない場所に開高健記念館もあります。
ランチには、先日連れて行っていただいたカレー屋さん「GARA中海岸」がおすすめ。茅ヶ崎館から遠くなく、民家の中に突然南国ハウスが現れるという感じの場所なのですが、大人気でお客さんが並んでいました。美味です。

それはともかく、作品です。『御誂治郎吉格子』も『浮草物語』(昭和9年)も見ごたえがあります。『浮草物語』は、小津監督が後年『浮草』(昭和34年)というタイトルで中村雁次郎、杉村春子、京マチ子、若尾文子などの顔ぶれでリメイクしていますが、私は『浮草物語』のほうが好きです(でも『浮草』でも泣きました)。出演は坂本武、飯田蝶子、八雲理恵子、三井秀男、坪内美子、突貫小僧、谷麗光ほか。小津監督は巧い!昭和9年のキネマ旬報第1位。
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東京亀城会拡大理事会

2006-04-15 | 酒田・庄内・山形
酒田東高校同窓会「東京亀城会」の拡大理事会。
私もいつのまにか執行理事になっており、弱輩ながら大先輩たちに混じって参加させていただいております。

旧制酒田中学からの歴史を持つ母校ですが、現在は女生徒の方が多く、しかも初めての定員割れとの状況を聞き、時代の変化を感じました。その昔は男子校でしたから、同窓会に参加する大多数の先輩諸氏は男性なのですが…。少子化で酒田の高校再編も進んでいるようです

今日は、酒田市役所から山形県東京事務所に異動になったばかりの同期小林一晃くんが出席していて、嬉しい会となりました。会の終了後も、酒田の話は尽きず。
思い起こせば、
彼は我々の代のサッカー部の初期キャプテンでした。そのころ私は鬼マネージャー(今はホトケのような顔をしていますが -_-)、重要な戦力でありながらあまりの部員の自堕落な練習ぶりに愛想をつかして突然部を去ってしまった彼を、なんとか部に連れ戻そうと、ひと頃毎日のように「一晃、戻てきて~!」と彼の尻を追い掛け回していました。多分、これまで私がもっとも執拗に追いかけた男に違いないと思うのですが、ついに彼は戻ってきてくれませんでした。顔を見るなり逃げられ…強情さはお互い譲らないという悩める日々。
十数年後に、東京のど真ん中で、酒田や山形県について頬を紅潮させて語り合うなんて思いもしませんでした(しかも庄内弁!彼が「よぐ切り替えらいるの~。俺の弟どがって、俺どだってあど庄内弁で話さんねよ」とほめてくれました)。

酒田東高校同窓生(首都圏在住)の皆様。
年に一度の今年の総会・懇親会は

■6月24日(土)正午より、レストラン キャッスルにて開催です。
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レストラン キャッスル
千代田区内幸町2-1-1 飯野ビル9F
TEL 03-3506-5070

ここは雰囲気もよく、料理もとてもおいしいです。今年は例年の8000円会費が6000円になりました。ぜひお誘い合わせの上、お集いいただきたいと思います。
素敵な先輩がたくさんいらっしゃいます。
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江戸小紋の染め工房へ

2006-04-10 | 映画・芸術・エンターテインメント
とても親しい染師の友人がいて、彼女のいる染め工房(富田染工芸)に、見学したいという友人4人をお連れしました。神田川沿い、面影橋のすぐそばにある工場は、現役のもっとも規模の大きな小紋染め工場です。
江戸時代には浅草近辺に多かった染め工場は、明治に入ると、神田川の清流を求めて下流から上流へ、高田馬場界隈に移転します。この工場は、大正3年に建てられた建物そのままで、中での作業システムもほとんど当時と変わりません。機械化とプリント技術の進んだ大量生産時代に、今も、色糊の調整から染め、蒸し、水洗いまで、全てが職人さんの手で丁寧に行われています。

所有する型紙はなんと10万枚! 
伊勢で彫られたこの和紙製の型紙(柿渋で補強してあります)は、江戸時代からのものも多く使用できないものも含めてといいますが、それにしてもすごい数です。

友人はここで染めの仕事を始めて12年目。ようやく伝統工芸士の受験資格を得られる年となりました。東京染小紋の伝統工芸士としては女性第一号となるので、周囲の期待もひとしおです。
彼女はとても腕がいい。技術も、センスも抜群。肌理の細かさと大胆さを合わせ持ち、上品で落ち着いた配色が持ち味です。(でもそれだけではだめで、この仕事、男並みの体力がいるのです。一枚40キロの板を一日何十回も上げ下ろしするのですから!脱帽です)
彼女が先日美川憲一さんに染めた着物もとても好評だったとか。

型染めの難しさと苦労、そして魅力は、実際に見るのが一番です。「やはり手で染めた本物がいい!」と必ず思います。その精緻な染めの技術と、奥の深さと、職人の世界の変化と、現在の流行や大量消費社会に逆行した伝統工芸の厳しい現実を垣間見つつ、みんなが染めの世界に魅了されて帰ってきました。工房のあの独特のにおい、空気、光。
彼女は「ここは本当に、先達が試行錯誤して改良を重ねてきた智恵の固まり。一つ一つの道具や配置は、より使いやすく、より美しく染めるために工夫されて受け継がれてきた。私達はそれを引き継いで使わせていただいていることに感謝」という。

今は職人さんたちも、
お客さまに、着物の染めの行程を見ていただいて、どうやって染められるのかを知っていただき、好きな型と色を選んでもらい(組み合わせやグラデーションなども自在)、オーダーメイドデザインで、その人の好みのものを作っていただきたい、と望んでいるようです。

私も、今年は彼女に着物を染めてもらいます。その着物で舞台に立つのが楽しみです。

富田染工芸の敷地内には、東京染ものがたり博物館(月曜休館)もあります。
ぜひ一度、訪れてみて下さい。
とっても味のあるおじさまが、丁寧に説明して下さいますよ!
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バリアフリーなエンタメ「活弁」

2006-04-09 | 活弁
毎回、すろ~しねまは、入場料の一部を環境NPOや福祉団体や災害救助支援など、いづれかに役立てていただくための寄付を行っています。今回はシティライツ(視覚障害者に映画の楽しさを提供する団体)の活動に多少の支援させていただき、上映会には代表の方が視覚障害者の方とともに来て下さいました。
シティライツは2001年にスタートしました。視覚障害者の方も、映画作品を楽しみたい。セリフでだいたいのことはわかっても、セリフのないところは何が起こっているのか、どういう情景なのかがなかなか分かり辛い。そこを同時音声ガイドで補うのが、シティライツという団体の活動。
私も、先月の3月4日(土)に調布映画祭で行われた「アラビアのロレンス」の上映に伺い、シティライツの音声ガイド付きで観ました。ナレーターが映像画面と人物の行動を細かく説明し、それぞれの登場人物に複数のメンバーが吹き替えのようにセリフを入れていきます。視覚障害者の方が映像を頭に描くための手助けをし、セリフのやりとりだけではない「映画」を楽しんでもらうのです。素晴らしい活動だなと思いました。

活弁は、観てわかるものを一つ一つ説明するわけではないのでそうした説明とは違いますが、普通のセリフだけの発声映画に比べると、状況や心情の説明が入り、語りで世界観を作っていくという部分で視覚障害者にも受け入れやすく、十分楽しめるものだと思っています。以前から私の活弁の会にも視覚障害者の方がいらして下さっているのですが、もっと多くの方に触れる機会を持っていただけたらと思います。

19日のすろ~しねま上映会には、聴覚障害の方も来て下さいます。無声映画の邦画作品は字幕が入っていますから、耳の不自由な方にも楽しんでいただけます。(多少、字幕画面が一瞬で消え読めないものや、旧かな使いや昔の漢字で分かり辛いものもありますが)
無声映画時代、日本では活弁付きで上映するのが当たり前でしたが、後期の作品は構成やカメラワークもしっかりし、説明なしでも楽しめる完成度の高い作品が増えました。小津作品などは字幕も多く、それがすべてとか最善とは思いませんが、現在もサイレントでの上映が多いくらいですしね。
もちろん、英語字幕が読めれば、普通に洋画も楽しめます。

活弁、無声映画上映というのは非常にバリアフリーな、福祉の面、教育の面、環境の面で多くの可能性をもったエンターテインメントなんだと思います。また、小さな子どもから高齢者まで、全ての世代が楽しめる、幅広い観客に対応できる映像エンターテインメント。多くのシーンで役に立てればと思います
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『シーク』=ヴァレンチノな夜

2006-04-08 | 活弁
昨夜の「佐々木亜希子のすろ~しねまナイト『The Sheik シーク』」御来場下さいました方々、またスタッフの皆様、ありがとうございました。

1920年代前半のハリウッドを代表するもっとも華やかな男優、ルドルフ・ヴァレンチノ。当時、興行記録を塗り替える大ヒットで、彼の人気を不動のものにし世界のトップスターにした作品です。原作の小説もベストセラーだったのですが、この映画によって、当時の女性たちは「シーク・アーメッド」=「ヴァレンチノ」のエキゾチックな魅力に酔いしれ、熱狂しました。「シーク」はヴァレンチノの別名となり、美男子の別称としても使われたほど。この映画の大ヒットに刺激されて、続々とシーク映画が生れましたが、いずれもヴァレンチノの足元にも及びませんでした。

新藤さんのアラブ系の旋律をベースにしたピアノ演奏もとても素敵で、多くの方に嬉しい感想をいただきました。
次回以降のリクエストもいくつかいただき、ちょうど、やりたいなと思っていた作品もあり、感激しました。今回の作品もヴァレンチノをとリクエスト頂いたものです。ありがとうございます。

上映前は、月にまつわる世界の伝説の中から3つ、インド、カナダ、アフリカのお話を、またアラビアンナイトから「アリババと40人の盗賊」のお話をさせていただきました。
とても温かく素敵な空間で、雰囲気に甘えておしゃべりしすぎました(いつものことですか)。

『シーク』の続編(息子のシーク・アーメッドのロマンス)『熱砂の舞』は、TREES CAFE、新藤さんの演奏で、7月を予定しています。お楽しみに。

また、TREES CAFEでは、来月5月18日(木)にうたあそびの会を催します。不朽の名作「源氏物語」を、素敵な共演者たちとともにお届けいたします。

毎回、皆さんの笑顔を見られるのが一番嬉しいことです。まだまだですが、もっと喜んでいただけるように頑張りますね。これからもどうぞ宜しくお願い致します。

HP更新しました
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Trees cafeでリハ

2006-04-06 | 活弁
Trees cafeでリハーサル。初めて伺いましたが、とても素敵な空間です。木と石の雰囲気を生かしたシンプルなつくりで、オーガニック素材の雑貨などが置いてありました。
ピアノの搬入も完了(明日のために本当にありがとうございます)、リハもいい感じでした♪


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「シーク」ー灼熱の恋ー

2006-04-05 | 活弁
7日(金)に、練馬で活弁のライブをさせていただくのですが、先日の日曜日にピアニストの新藤理恵さんと音合わせ、作り込みをしました。gabowlでのライブが生音でできなくなったので、久しぶりのミュージシャンとの共演でとても嬉しく、また楽しみです。

作品は The Sheik 「シーク」。
ルドルフ・ヴァレンチノ主演の、砂漠のロマンスです。
(この続編がヴァレンチノの遺作「熱砂の舞」)

新藤さんとは朗読の会などで何度かご一緒していますが、世界の様々な音楽を幅広く聴いて取り入れながら物語世界をうまく表現できる方です。今回もアラブ音楽の要素をたくさん入れ込んで、それぞれのシーンに合わせて雰囲気を盛りあげる曲を作って下さっています。

何を隠そう、この物語は、原作のほうがずっと面白い!(すみません。正直者で)
「シーク ー灼熱の恋ー」E・M・ハル著
若く美しく高貴なイギリス人女性と、ハンサムで残酷なシークとの、燃えるような激しい恋の物語。絶対に、(特に女性は)夢中で一気に読んでしまいます。
新藤さんと二人で、「絶対これ、小説の方が面白いよね!!」と盛り上がってしまいました。

その紹介文を抜粋すると
「遥かなる砂漠への憧れ…募る思いを叶えるべく、英国貴族の娘ダイアナ・メイヨは、アフリカ大陸へと旅立った。だが、その地に足を踏み入れたとたん、キャラバン隊はアラブ人の一団に取り囲まれ、彼女の前に一人の男が立ちはだかる。アラブ人の族長(シーク)、アーメッド・ベン・ハッサンー。気性の激しい砂漠の男が、ダイアナの運命をその手に握ろうとしていた。 1923年、ルドルフ・ヴァレンチノ主演で映画化され、全世界の女性を虜にした、愛と情熱の物語」

というわけで、これは1992年に再版された文庫本ですが、バーバラ・カートランドによれば、「ヴァレンチノが映画でシークを演ずるより先に、世界中がこの情熱的で不屈な砂漠の恋人に夢中になった」のだそうです。

そう、アラブの部族民を率いる若きシーク、アーメッド・ベン・ハッサンが、とにかく魅惑的なのです。独裁者特有の傲慢さと強引さ、冷酷なまでの意志と肉体の強靱さ、美貌。野生的だが、知性もあり、友情には厚い。
一方、その美しさとは裏腹に男勝りに育ち、冒険心旺盛で、怖いもの知らずのダイアナ。
異性を愛したことなどなく、征服欲の旺盛な二人が砂漠で出逢い、死と隣り合わせの過酷な環境の中で激しくせめぎ合いながら、お互いへの愛とその存在のかけがえのなさに気付いていく。

そんなドキドキする物語を、映画化したのが今回の作品。
残念なのは、ヴァレンチノが、原作のシークのイメージと合わないこと。強さと威厳が足りない。もちろん魅力的ではありますが、比べると随分かわいらしく見えてしまうのです。かといって、例えばダグラス・フェアバンクスがやっていたとしても、危険な香りがなく健康的すぎて、全然ダメですが。
ダイアナも、もっと美しく、スレンダーで、いかにも気の強そうな女優さんがよかった。
(今、再映画化したら、絶対にヒットします!「アラビアのロレンス」くらい壮大で美しい砂漠の映像と、いいキャスティングで、ぜひ作ってほしいです。)

などというと観る気を失ってしまうかもしれませんが、映画作品はそれはそれで面白い。
全部のエピソード(シークの複雑な出生やそれゆえの感情や常軌を逸した行動なども)は盛り込めないので、作品はかなりダイジェスト的な感じがしますが、そこに音楽と活弁(映画説明)を入れて楽しめるのがいいところ。
映像と、お話と、音楽で作られる世界を、一緒に楽しんでもらえたらと思います。

http://www.slowcinema.com/pc/060407.html
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花も笑顔も満開。

2006-04-01 | Weblog
今朝は、久しぶりに活弁公演の悪夢を見ました。大ホールでの楽団付き公演当日、お客さんがどんどん入ってくる中、私の活弁台本はなぜか上がっておらず、1時間半の大作をほとんど即興で語る…という非常にひどい夢。こんな経験はまだありませんが、この夢には何度かうなされています。
次の上演台本を早くあげなければと焦っている時に、おそらく強迫観念で見るのですが…。

だいたい、昔からなんでも溜め込み能率にまかせてまとめてという質がイケない。先日も
「日記というのは、その日に記すから日記なんだよ(- -)もっと更新してよ」という友人に
「その日の事を記すから日記なのかもしれないし…(T_T)」と私。

1ヶ月も更新せず申し訳ありません、その間も毎日多くの方にアクセスいただいていたことにとても恐縮しています。またしばらくぶりにブログ更新した日(しかも数日分で)のアクセス数がそれまでの3倍になっていて、自分のブログを開いてびっくりしました。何より、私がupした瞬間に御覧になっている方がけっこういるらしいことに気がつき、かなり赤面するとともに反省しました。

私は、よく、ミスして書き込み途中でupしてしまいます。
その???なブログを、しかも深夜というより朝方、御覧になって「まったく(- -)」と苦笑して下さった方々。のことを思い…、私も苦笑しました(;;)


ここのところ、友人やお世話になった方の入院が重なり、お見舞いに行く度に、こちらが元気、勇気を頂いて帰ってきています。
ガンや死に直面する病気の中でも、生きる気力を失わず、闘い続け、周囲に笑顔を与えられる強さに感動します。
一緒にたくさん話をしてたくさん笑った後、もしかしたらどっと疲れているかもしれません。
でもどんな状況にあろうと、希望と愛情と思い遣りを忘れずにいられるという貴さに、こちらのほうがありがとうという気持ちでいっぱいになります。
気力で負けてはいられません。

新しい季節の始まりに感謝にしてフレッシュな気持ちでいろんなことに挑戦していきたいものです




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