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akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

小澤基弘個展「景色の裏側」

2005-11-03 | 映画・芸術・エンターテインメント
銀座のあかね画廊へ行った。大学時代の恩師の個展。
在学時代から卒業後も何度か個展に出向いているが、イギリス、パリ在住などを経て、10数年の間に作風がどんどん変化していくのが面白い。

「景色の裏側」。
今回も独特の抽象画だが、柔らかい色彩の花や野菜、女性の身体などを、紫と緑が混じりあった黒に近い色がだんだんと覆っていく。
遠くから観ると、生身のものから毒や無機質な気が立ちのぼっているようにも見えるし、
最初から表と裏が一体で完全だったような気もするし、
黒いタイルの中に塗り込められてしまったものを覗きたい、剥ぎ取りたいという欲求にもかられる。
大きなパネルの数々から静かに流れ出るエロティシズム。

彼の作品は、初めにキャンパスに描かれた(貼られた)具象をいかに覆っていくか。
あるいは壊していくか。
そして、流し込まれた、塗られた、重ねられた色によって、
そのモノが違うモノとしてキャンバス上に調和し、一つの風景を作る。
意味が観るものに委ねられ、もともとのモノそのものは一つの意味を伝えることを放棄する。


私は違う学部にも関わらず、悪友の一人と一緒に彼の講義を受け、美術館でのイベントやデッサンのモデル(裸婦画ではありません)など、いろいろと楽しい経験をさせてもらった。

大学時代は教授たちと飲んでばかりいた…が(エピソードは尽きません)、
さすがに、新婚ほやほやの先生の自宅に友人と押し掛け、泊めていただいたというのは、小澤先生だけである。
先生に言われて思い出しました。

5月に観て下さった「結婚哲学」をいたく気に入って下さって、ひとしきり感心した後
「いやあ、あなた活動弁士、いいねえ。あなたやっぱりねえ、アナウンサーじゃ、おさまりきらなかったんでしょう」
いえ、枠が違っただけだと思います…
「社会的にも文化的にも、あなたがやっていく価値があるよ」
恐れ多いです…。まだまだ若輩者。微力ですが、私にできること、やります。


今日は、勝手に恩師の芸術を私見で語りました。先生、スミマセン

※銀座あかね画廊の小澤基弘個展は11月6日まで。
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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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私の恩師は… (石コロ)
2005-11-04 00:59:55
佐々木さんの様に、いつまでも慕ってくれる人が居ると言うのは先生にとっても嬉しいものだと思いますよ。所で私が小学生の時に習字を習っていた時の恩師は、90歳を越えて今尚現役です。あの棟方志功さんとも親交があり地元では有名な先生ですが、実は活字ではわかりませんが私は悪筆で…そんな私でも先生は「私の弟子」と紹介してくれるのでした(涙)。
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