akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

バリアフリーなエンタメ「活弁」

2006-04-09 | 活弁
毎回、すろ~しねまは、入場料の一部を環境NPOや福祉団体や災害救助支援など、いづれかに役立てていただくための寄付を行っています。今回はシティライツ(視覚障害者に映画の楽しさを提供する団体)の活動に多少の支援させていただき、上映会には代表の方が視覚障害者の方とともに来て下さいました。
シティライツは2001年にスタートしました。視覚障害者の方も、映画作品を楽しみたい。セリフでだいたいのことはわかっても、セリフのないところは何が起こっているのか、どういう情景なのかがなかなか分かり辛い。そこを同時音声ガイドで補うのが、シティライツという団体の活動。
私も、先月の3月4日(土)に調布映画祭で行われた「アラビアのロレンス」の上映に伺い、シティライツの音声ガイド付きで観ました。ナレーターが映像画面と人物の行動を細かく説明し、それぞれの登場人物に複数のメンバーが吹き替えのようにセリフを入れていきます。視覚障害者の方が映像を頭に描くための手助けをし、セリフのやりとりだけではない「映画」を楽しんでもらうのです。素晴らしい活動だなと思いました。

活弁は、観てわかるものを一つ一つ説明するわけではないのでそうした説明とは違いますが、普通のセリフだけの発声映画に比べると、状況や心情の説明が入り、語りで世界観を作っていくという部分で視覚障害者にも受け入れやすく、十分楽しめるものだと思っています。以前から私の活弁の会にも視覚障害者の方がいらして下さっているのですが、もっと多くの方に触れる機会を持っていただけたらと思います。

19日のすろ~しねま上映会には、聴覚障害の方も来て下さいます。無声映画の邦画作品は字幕が入っていますから、耳の不自由な方にも楽しんでいただけます。(多少、字幕画面が一瞬で消え読めないものや、旧かな使いや昔の漢字で分かり辛いものもありますが)
無声映画時代、日本では活弁付きで上映するのが当たり前でしたが、後期の作品は構成やカメラワークもしっかりし、説明なしでも楽しめる完成度の高い作品が増えました。小津作品などは字幕も多く、それがすべてとか最善とは思いませんが、現在もサイレントでの上映が多いくらいですしね。
もちろん、英語字幕が読めれば、普通に洋画も楽しめます。

活弁、無声映画上映というのは非常にバリアフリーな、福祉の面、教育の面、環境の面で多くの可能性をもったエンターテインメントなんだと思います。また、小さな子どもから高齢者まで、全ての世代が楽しめる、幅広い観客に対応できる映像エンターテインメント。多くのシーンで役に立てればと思います
コメント
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