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その前の'12年10月には、Facebookの月間利用者数が10億人を突破したとも発表されている。
この勢いだと、企業がFacebookを活用しようと考えるのは自然なことで、実際に顧客から「いいね!」をクリックしてもらい、ファンを増やして企業ブランド向上に繋げている企業も多い。
企業が市場に伝えるメッセージを有効に取り組んでいくには、企業に対する信頼性、つまり企業へのファンを獲得することが効果的だろう。
ファン数が増えてくることで、企業とファンとの直接的なつながりを構築することで直接的にメッセージを伝えることができ、片側一方向の広告に比べ有効に思える。
ところで、気になる企業のネット情報を見たい場合、HPかブログを見るか、Facebookを見るかだが、最近、私は圧倒的にFacebookが多い。
何故なら、個人のタイムラインに、企業側の伝えたい情報が時間を置かず投稿されるに加え、写真付きに的を得た説明は我々にとって圧倒的に親近感を持って見てしまう。
それは、企業から顧客、企業ファンとのダイレクトな繋がりに他ならないから、非常に親しみやすいネットワークだと思っている。
そこで、二輪企業各社のFacebookの「いいね!」を調べてみた。
二輪の様に、趣味性の高い乗り物は製品単体だけでなく、魅力的な背景から売らないと駄目だと言うのは、以前の本ブログHarley-Davidsonの項で調べた。
欧米の様に非常に成熟した二輪市場では、もはや「単なるブランドの二輪」では売れないので、「ブランド・アイデンティティ」が非常に大事だとはよく言われてきた。
ところが、日本の二輪企業の「ブランド・アイデンティティ」は非常に曖昧であるに対し、欧米の二輪企業は宗教に相当する程のブランド信奉性を強めることでファンを掴み、
先進国のマーケット縮小の中にあって、高い収益性を確保、または販売増強を可能にしてきた経緯がある。
■欧米二輪企業のFacebookの「いいね!」:
★「Harley-Davidson」 (「いいね!」438万)
★「Ducati」(「いいね!」132万)
★「KTM Racing」(「いいね!」92万)
「Harley-Davidson」はアメリカの歴史や強大なアメリカの背景を基本に「アメリカの本物の匂い」を製品に反映させる事で、Harleyユーザーから圧倒的支持を得ている。
その結果はFacebookの「いいね!」にも表れて、他社を寄せつけないものがある。
「Ducati」や「KTM」はレースを全面に押し出すことでブランドロイヤリティを高めているが、「Ducati」ユーザーはマシンの技術的な面だけで選んでいるのではなく、その背後にある哲学、
殆ど宗教みたいなものでユーザーと強固に繋がっているとは、Ducatiでレースをしていた当時のV・ロッシの話し。
「KTM」のコンセプト「Ready to Race」は顧客に極めて素直に訴ってくるので非常に判り易い。
一方、日本の二輪企業の「ブランド・アイデンティティ」は非常に曖昧であると言われているからか、Facebookの「いいね!」も欧米の二輪企業に比べ少ない。
それがどうしたと言うより、企業ブランドの強さとFacebookの「いいね!」は意外と一致している。少なくともクリックした顧客はその企業に関心ありと表明しているのだから。
面白い結果は、ヤマハの場合、ヤマハという企業よりヤマハのレース活動(特にmotogp)に関心があるファンが多いということ。
また、「Suzuki」の「いいね!」はスーパクロスに勝ったことが要因なのか、ここ5日間で「いいね!」が+5万も増加した。
「Harley-Davidson」は積極的にモータースポーツを展開していないが、圧倒的に凌駕する「いいね!」の数は多くのファンが存在している事実として日本企業と対極にある。
二輪ユーザーが日本の二輪企業に求めている視点は欧米の二輪企業のそれとは異なっている証左かもしれない。
■日本二輪企業のFacebookの「いいね!」:
★「Kawasaki USA」(「いいね!」62万)
★「Suzuki」(「いいね!」60万→65万)*SuzukiはSXに勝ったことが要因だろうか、5日後の1/9には+5万「いいね!」が増加した。これは驚異的!
★「Honda Powersports」(「いいね!」11万)
★「YAMAHA MOTOR CORPORATION U.S.A.」(「いいね!」29万)
★「Yamaha Racing」 (「いいね!」43万)
一方的に企業側から流す広告に比べ、Facebookは情報を流す側と受け取る側との接触が常に求められるので、ユーザーとの細かい接点が重要な趣味性の高い二輪には有効なSNSかもしれない。
米調査会社コムスコアによると、米国の平均的利用者のフェイスブック活用時間は月間6時間半と、グーグルの4時間半を大きく上回るとも言う。
また、「フェイスブックの広告媒体としての価値は過大評価なのか。専門家に意見を聞くと、長期的には有望との声はまだ根強い。」として、
日経産業新聞 「フェイスブックは広告媒体として有効か 「いいね!」効果の測定に課題も 」は参考になる。