ESPNー「2013 Supercross preview」
現地時間1月3日、有名なアメリカスポーツメディア「ESPN」が2013年スーパークロス・キックオフ特集「Supercross is back」を組んだ。
いよいよ2013年二輪モータースポーツシーズンが開幕する。
スタジアム内に造成されたコースでモトクロスレースを行う、スーパークロスレースはスポーツ大国アメリカでも第一級のスポーツ競技の一つ。
テレビ放映されるのは勿論のこと、ネット上でも実況されるので、遠い日本でもレース動向を同時観戦できる。
観客動員数はスタジアム容量にもよるが、8万人を動員するスタジアムがある事を考慮すれば、スーパークロスはアメリカ二輪モータースポーツの頂点に立つ。
その昔、スーパークロスレースが、放送開始し始めたばかしのNHKBSで、毎日曜日の午後、放送されていた。
当時は、まだBS放送が普及していない時期だったので、近くの電気屋でかじりついて見ていた。テレビの周りは同じく足を止めて観戦している人も多く、沸き立っていた。
あるとき、当時の技術部長がUS出張された際、10万人収容の「ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム」で開催されたスーパークロスレース初戦を観戦された。
帰国後、トップ走行のカワサキライダーが聖火台への登り口右コーナーでホンダ車に抜かれ負けた原因の討議が忘れられない。
その場面はリピートで同時に繰り返し放送されたのだが、「立ち上がりパワーの不足」か、それとも「コーナーライン取りのまずさ」かで、数分議論となった。
うまく言葉を選んで説明したら良かったのだろうが、若気の至りもあって技術部長と相譲らずの議論をしてしまい、後から考えると破廉恥な言動だったと反省した思いがある。
当時の技術部長は、技術的論議には上下も無いと言うのが信念だったから良かったものの、一歩間違ったら即飛ばされるところだった。
同じ事例を、競合社からも直接聞いたことがある。
NHKBSを見た上司が、いちいちUS現地の担当者に即刻電話してきて、「あのサスの動きが良くない。即修正しろ」と指示されて困っていた。
今はどうかは知らないが、当時は、こんな事など何処にもある日常茶飯事だった。 何処のチームも、またその上位も、勝ちたかったのだ。
湊川神社のお守りを車に付けて勝ったら、即刻数十個まとめて郵送してくれとの要望がUSから来た時はさすがに仰天したが、そんな時期もあった。
今年のスーパクロスレースはどこが勝利するだろうか。
昨年のチャンピオン、カワサキのR・ビロポトは昨年の終盤大怪我して戦線離脱したが、競争相手も負傷による離脱があってポイント数優位に推移し、チャンピオンを獲得した。
今年はどうであろうか。オフロード車の分野で圧倒的に優位だった日本勢にとって、欧州のKTMが最も侮れないチームに成長してきたように見える。
いずれにしても横一線のスタートだ。 日本時間日曜日の午後2:45、450のメインレースがスタートする。
★Press Conference.
★「Kawasaki USA」(いいね、62万)・・・各チームのfacebookと(チームに「いいね」を押した数)
★「KTM Racing」(いいね、91万)
★「Suzuki」(いいね、60万)
★「Honda Powersports」(いいね、11万)
★「YAMAHA MOTOR CORPORATION U.S.A.」(いいね、29万)
先進国での二輪販売は底を打ったまま、当面はこのままで推移していくだろう。日本のホンダ、ヤマハ社は既に新興国に販売の軸足を移し収益を確保して久しい。
商品のみを前面に出した生産中心の戦略はとうの昔に行き詰り、しかも圧倒的戦闘力をもった商品が出現する可能性が極めて薄い環境の中では、
欧州二輪企業に見られるような自社ブランドやブランドイメージを含む末端サービスを消費者に常に訴え続けない限り、顧客は必然的に離れていく。
自社の企業ブランドを最大限訴求するには、メディアを最大限に利用し、強いブランドを顧客に常にアピールし続けるべきであろう。
成熟した市場では、強い「ブランドへの信頼性」が購入動機に繋がる確率が高く、ハードウエアのみの販売戦略から顧客サービス等のソフトウエアを中心においた戦略の方が顧客の脳裏深く刷りこまれる。
テレビを主とする販売プロモーションは相当の費用がかかり過ぎると敬遠される一方で、毎週土曜日の夜、テレビからそしてパソコン上に企業名が連呼される。
レースが好き嫌いという低次元の議論以前の話はさておき、スポーツ大国米国の末端はモータースポーツに高い興味を示す。
これ程、利用価値が多岐にわたる安価なプロモーション活動は無いかもしれない。・・・と信じて強いカワサキを目指し担当した時期もあった。