野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

過去の思い出、アメリカ人家族の絆の一つの形

2020-06-26 06:23:42 | モータースポーツ
スポーツ大国アメリカで、「YAHOO! SPORTS」のトップ欄に並んでいるのが、NFL,MLB,NBA,NHL・・NASCAR,GOLF・・・の順。最も人気がある国民的スポーツはアメリカンフットボール、野球、バスケットボール、ホッケーが上位で、スポーツビジネスとして成功している順番だと思う。モータースポーツの分野でみると、四輪のNASCARレースがメジャースポーツとしてリストUPされている。他のメディアも大方その順にリストUPされているので、多分そうだろう。その中で、二輪モータースポーツは、「 Action Sports」の分類の項に、Bike(自転車)とMotocrossの2項目がリストUPされており、「Motocross」はアメリカのメジャースポーツに準ずるスポーツと言えるかも知れない。

その「Motocross」スポーツの頂点と言えるのが「SUPERCROSS」であることには間違いない。
「SUPERCROSS」は野球場やフットボール場に土を運んでモトクロス・コースを造成して行うスポーツ競技であるが、全米各地で開催される観客動員数は約5万~8万/試合を誇っており、観客動員数から言えば野球並み。全米にテレビ放映され、インターネット上でも見ることも可能だ。「SUPERCROSS 」のメインレースに出場できる選手は、多くのライダーの中から勝ち抜いた20名。今年2020年のチャンピオンはカワサキワークスのEli Tomac 選手。

ところで、全米のモトクロスの世界を支えているのが、多くのアマチュアライダー達だ。
勿論、モトクロスをスポーツとして楽しむライダーもいる一方、将来のEli Tomac、 Ryan VillopotoやAdam Cianciarulo を目指すライダーも同じ土俵でレースを楽しむ。彼らの中から、勝ち残った優秀な選手が経験を積んで、SUPERCROSS レースに参戦するまでに成長する。全米のアマチュアモトクロスライダーにレースを提供しているのは、昔はNMAとAMAのふたつの組織であった。NMA(National Motosport Association )はアマチュアライダーを主に全米各地でレースを主催しているのに対し、AMA(American Motorcyclist Association)は全米各地でプロレースとアマチュアレースを軸に開催している。そして、夫々の組織のメインレースがNMAは「PONCA CITY」(もう無くなったらしい)、 AMAは「Loretta Lynn」であるが、これらは日本の高校野球で言う甲子園に相当する。

NMAの「PONCA CITY」と AMA「Loretta Lynn」に匹敵するアマチュアモトクロスレースが、NMAが主催するもうひとつの主レース「World Mini Grand Prix」だった。アメリカのアマチュアモトクロスを支える出発点は、PWクラス(変速機なし)や60㏄、85㏄の入門クラス。(85㏄クラスでは、プロライダーと同等の実力を備えたライダーも居るので、必ずしも入門クラスと言えないかもしれないが)このライダー達が将来のSUPERCROSSレースを支えるライダーに成長するとともに、全米に人気のあるオフロード市場を支えている。

アマチュアモトクロスレース活動、その行動の原点は「家族の絆」
思いだしてみると、'76年のアメリカテストを皮切りにアメリカ出張の機会も増えてきた。米国はモトクロスを中心とするオフロード車の大市場で、当時、当地のサドルバックパークやインディアンデューン等の郊外の山や砂漠地帯でテストに立ち会う機会も多くなった。現地に行くと、そこには数台のキャンピングカーを中心に、父親と少年少女達がモータサイクルや四輪バギー、VWの改造車でビュンビュンと走リ回っている。側で、母親はキャンピングカーに張ったテントの下で昼食のサンドウィッチを準備をしていて、楽しそうな家族的な風景だった。そこには、暴走族まがいの人達はおらず、あくまでも家族単位の行動で、アメリカの週末の過ごし方の一つを垣間見る事が出来た。アメリカ人は長い開拓移民時代に、家族が一つの単位となり、幌馬車に揺られて 新天地を求めて歩み、永住の地にたどり着いた歴史がある。その頃の開拓民にとっては「家族」が唯一の財産であった時代の名残が、いまも脈々と受け続けられいるのだろうと思った。開拓時代の馬が現代は単にモーターサイクルに替わっただけなのだろう。アメリカは広大な土地なので、チームを構成してレースを楽しむことは実質不可能で、行動は家族単位となる。日曜毎に開催されるモトクロスレースでは、父親がメカニック、母親と家族か応援。燦々と降り注ぐ太陽の下、6~8才前後の子供がレースに出場する事を中心に活動が始まり、そして家族の絆を深めて行く。騎馬民族の子孫、かって戦争に明け暮れた欧米諸国の人々が最後に頼った拠り所は家族であった。大西部時代を生き抜いたアメリカの名残が荒野を駆け巡って生活し、そして生きるための競争だった。それが現代まで続いた名残の一つがモトクロスとすれば、モトクロスはアメリカ人の心の故郷だろうし、文化として継承されているのかもしれない。

過去、アメリカでは、薬に走ったりや家庭内暴力等の青少年を取り巻く問題が山積していた時期があった。
これ等を解消し、家族の絆を醸成してきたものの一つに、こうしたアマチュアモトクロスもあったと言われている。モトクロスが子供の自立心を覚えさせ、行動に対する責任を自覚させていく。彼らが、アメリカのオフロード市場を支えている行動の原点だから、人口が増え市場が成長することはあっても衰退すること等ないと思う。
     
     
     
昔流行った訴訟問題で、もう今はサドルバックパークやインディアンデューンも無くなってしまった。当時、アメリカ人はなんでこんな短絡的な行動をするんだろうと疑問を持ったが、しかし現実の今も、アメリカの休日の日常はデューンやモトクロスパークで家族単位で一日中過ごす人達が多いと聞く。今なお白人を中心とする米国市民のオフ車志向は根強い。

       

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