同じ場所に長く住んでいると、時には面白い光景に出くわすことがある。
たまたま留守番をしていた孫から電話があり、すごいものを見たという。すぐにメイルが送られてきて、それによると”猛禽類の鳥がヒヨドリを襲って殺し、毛をむしり取って足で摘んで飛び去った”という。それが家の庭での出来事。
襲った鳥の目は黄色、ヒヨドリより少し大きく鳩ぐらいの大きさだから、図鑑で調べると多分、ハイタカかツミ。庭の方で、ギャーギャーと鳴く声が聞こえるのでみると、ヒヨドリを襲って捕まえ、ヒヨドリの羽毛をむしっている。暫くきょろきょろあたりを見渡すと、足でヒヨドリを掴み飛び去った、と言う。庭には薄黒いヒヨドリの羽毛が残っていた。
ヒヨドリと言えば、しばしば庭に降りてくる。
ミカンを庭の桜の枝にさしていると、1時間もせずに、2羽のメジロがミカンを突いている。このミカン、近くに行った際、野菜をしばしば買う店でミカンをまとめ買いする。一口で食べられる好物のミカンにつき、その店に行くと安いので数袋纏めて買う。数袋買うのは良いが、袋の下の方のミカンは日にちが経つと少々傷みが出てくる。この傷んだミカンをメジロにやるため、庭の桜の枝に刺す。それを見つけたメジロ二匹が何処からか飛んできて突つきだす。突然、2羽のメジロが飛びたったので、見ると近くにヒヨドリが来ている。すると、やおらヒヨドリがミカンを突き始める。突き始めると直ぐにミカンは桜の枝から落ちた。地面に落ちたミカンを突く様子もなく、暫らく近くの格子に留まって、メジロが来ないように見張っている。昼過ぎには、ヒヨドリが庭への出入り口の窓のすぐ近くまでやって来て、料理に使って残りの人参の切れ端を突いて食べている。窓のすぐ横に、これも料理の残りものネギの根を植えているが、その横に肥料代りに残り物の野菜類を置いている。その野菜をヒヨドリが突いている。それ等もあってか、庭にはヒヨドリがしばしばやってきては、メジロを追出しミカン等の食糧独占に掛かるが、そのヒヨドリも今度はハイタカらしい猛禽の鳥に食べられてしまった。凄まじい生存競争が庭の上で繰り広げられていた。
鳥と言えば、冬場の最近、野々池貯水池のすぐ下にある農業用水用の黒星池には数種の鴨が数十匹いつも餌を突いている。また、庭には、見たことが無いような鳥をしばしば見ることがある。コゲラも時々来ていたが、最近は見ない。ゴイサギの幼鳥がすぐ近くの木の枝にとまりじっとこちらを見ている事もあった。季節にもよるが、鶯、メジロは近くによく来る。アオサギ、コサギは近くの野々池周辺でよく見かけるし、カワセミも数年前に複数回、見た。毎日のように庭にとんでくる2羽のキジバトは撒いた餌の豆を盛んに喰っていた。面白いな~と庭を眺めていると、今度は鳩より小さめ、小太りのヒバリによく似た色の鳥が庭を歩いて横切り、何を思ったのか枯草をつまんだ。きょろきょろと辺りを見渡し、枯草を数回突いてみるが喰えないと思ったのか、暫くすると飛び立った。こうして数時間が過ぎる。
野々池上空にはミサゴらしき鳥が空を舞い、カワウによく似た小さな鳥が野々池の水中へ盛んに潜り、そうそうセキレイも道路でよく見るし、車でひきそうになる。もう35年以上も前、この家に引っ越してきた当時、キジもよく見かけた(今は見ない)、と列挙すれば随分と田舎の様に思えるが、JR西明石駅から車で12,3分程の近くにある。