いつもなら、3月中旬頃から4月にかけて満開になる庭のヒマラヤユキノシタだが、正月明け、大きな葉っぱを少しずらしてみると、小さな花の先端が見えた。葉っぱの間に、花茎は見えず、また蕾も見えず、ただ桃色の花弁だけが見える。この時期のヒマラヤユキノシタはこうゆう風に咲くのかと初めて知った。それにしても、蕾がないのは解せぬと別の茎を探すと、葉っぱの合間に蕾はしっかり付いている。

「ヒマラヤユキノシタの蕾」

耐寒性が強いせいか、冬の寒さにめげず、葉を落とすこともなく、太い茎が地面を横に這っている。花が咲いたと気が付くのは、葉の間から褐色のひょろりと花茎を長く伸ばし先端に順次花序をつけ咲いていく、3月の中旬。庭の仕切りしている石の近く、ぐっと頭を持ちあげて咲くので、生育条件としてはよいとは言えないが、随分とタフな植物だといつも感じ入っている。小粒の花の寄合や、分厚そうな葉を見るとベゴニアに似るが、特徴なのは図太い黒茶色の茎。うまく写真を撮ろうと、茎の角度を移動させようとしたが、太い茎がびくともしない、この辺の頑固さが気に入っている。たくさんの花弁をつける3月中旬の花はよく目立つが、1月の正月明けから花を咲かす準備にかかっているのがよく分かった。