股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

変形性股関節症のタイプ分類(松本のタイプ分類)

2020-09-30 18:23:52 | 股関節の基礎

コロナ禍はやや収束の気配ですが、なかなか患者さんは戻ってきませんね。

 

 

🍓皆さんの股関節には歴史(長期経過)があります。

診療時にはその歴史の長さというものをしっかりと考慮しなければならないのですが、病院では現在のレントゲンだけで診療がなされることが多い印象があります。

 

そこで、『松本のタイプ分類』を世に広めたいと思っています。

今書いている本にもしっかり書きました。

 

松本のタイプ分類 このような分類を提唱する人がいないんだよね~

 

タイプ1 
子供の頃は股関節に異常感は全く無く、大人になって初めて股関節の症状が出てきた方々。

閉経時期前後から自然と股関節に痛みを感じ始めた方々がこのタイプ1になります。
子供の頃は活発に動けたのになぜ股関節の病気になったのか想像もつかず、過去に股関節に悪いことをしたのでは
ないかと自分を責めたり、「なんで私だけ」と悔しい想いで過ごされたりする時期があります。
歩いている時、急に痛みが出たり、急に足が前に出なくなったりすることから症状が出始まる方が多いです。

 

このタイプの方々は大人になってから炎症の山を迎えることが多いです。

従って、股関節痛の原因としては股関節関節包内の炎症が主体となる方々です。

 

 

 

タイプ2 
子供の頃先天性股関節脱臼があったとか、子供の頃から股関節の異常感があった方々はこのタイプ2になります。
子供の頃体育で開脚前転ができなかったり開脚不足で跳び箱が飛べなかったりとか、子供の頃に歩き方がおかしいなどと指摘された経験を持つ方が多いです。
また、子供の頃からあぐらがかけなかったり遠足の夜股関節が痛かったり(長距離歩いた後の痛み)、スポーツの後股関節が痛かった等の経験をお持ちの方も多いです。

 

大人になって時々股関節周辺に痛みはあったが、次の朝起きると股関節痛が無くなっていたのに、最近は常時痛くなってきたとおっしゃる方も多いです。
股関節内の炎症や、骨の修復はすでに子供の頃に落ち着いており、骨は変形を伴って治っている方が多いです。
従って股関節痛の原因は筋肉の病気である筋・筋膜症候群が主体となっている可能性の高い方々が多くなります。

主に、軟骨が狭小化し大腿骨頭が扁平化して変形が治っている方が多いのですが、大人になって筋肉性の股関節
痛を感じ、初めて病院を受診した時に担当の先生は『変形している』とみなし、今後も変形は進むと説明され手術の話をされることが多いです。

このタイプ2の方々は、股関節痛が比較的急激に改善する方が多いのですが、これは子供の頃から頑張ってきたことに対する神様からのご褒美だと感じています。

最近では、タイプ1の方々の中でも経過が長くて(初めての股関節痛から10年以上経過した方)炎症の山を越え骨が治っていると判断できる方はタイプ2に分類するように考えています。

 

 

皆さんはどちらの分類に入りましたか?
タイプ1の方々とタイプ2の方々とでは、歴史が全く異なりますので、当然レントゲン写真の見方も全く異なり、今後の予後予測も全く別の病気の様に異なります。

 

期経過が異なることは、問診で詳しく聞くとわかることです。
私は、初めての患者さんとお会いした時にまず問診にて確認する最重要ポイントです。
問診で患者さんの歴史がわかったら、その歴史を考慮しながらレントゲン写真を見て、予後予測を行うのです。

 

皆さんの歴史によって、診察も治療も変わる可能性がある事は非常に重要なことですので、絶対に覚えておいていただきたいと思います。

 

絶対だよ。

 


変形性股関節症を怖がらないでね