股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

なかなか理解されない筋肉の病気のお話

2020-09-09 09:25:46 | 股関節の基礎

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最近さぼり気味なのに多くの方に見て頂き、大変うれしいです。

もっと、もっと記事をアップするように心がけますので、今後ともよろしくお願いたします。

 

 

🍓筋肉の病気の呼び名はいっぱいあるけど、私はある本で勉強したのでその本に使われていた『筋筋膜症候群』という言葉を使います。

この言葉は1990年に書かれた『臨床医のための痛みのメカニズム』という本の中で使われている言葉です。

この本は、今から30年前に滋賀医科大学の医師が、医療の最先端で働く医師に向けて書いた本です。

 

でもね、30年前にこのような本が出ているんだけど、現在の医療現場の医師で筋筋膜症候群について理解している先生はほとんどいないのです。

なぜかというと、そういう教育がなされていないからなんでしょうね。

筋筋膜症候群という病気は、病気だけど病気と認められてはいません。

健康保険適応の疾患ではないということですね。

 

この病気はレントゲン写真に写らないし、血液検査上も異常が出ないからなんですね。

 

最近、ある会社の社長さんがお見えになりました。

1年前から両股関節が痛くて、2つの大学病院を受診したけど「どこも異常がありません。」と言われて痛みを我慢するしかなかったようです。

よく聞いてみると、過去に別の病気の治療で股関節に放射線治療が行われていましたが、放射線により軟部組織が傷んだとしか考えられない状態でした。

触診や簡単な神経の検査をすると、筋肉の異常な硬さだけでなく、2本の神経にも異常がありました。

この異常は、医学の勉強をしている方なら誰でもわかりそうな異常でした。

 

この方の場合、深圧で股関節痛は全く無くなるのですが、筋肉のダメージが強そうで、まだ改善と悪化を繰り返しています。

しかし、股関節痛については絶対よくなる症状だと考えています。

この方のような症状も筋筋膜症候群に含まれるでしょう。

極端な例では、肩こりや腰痛も筋筋膜症候群の一種と言えます。

 

筋肉の断面図を見ると、筋肉は筋線維の束の集まりで、その中の一本の筋線維を細かく見ると筋原線維の集まりになります。

 筋肉の断面図  

この断面は筋線維の束でできています。

 筋線維の束

 

この筋線維をさらに細かく見ると、筋原線維があつまって構成されています。

 筋線維の中の筋原線維

 

この筋原線維をさらに顕微鏡で見ると、筋肉のおおもとはミオシンとアクチンというフィラメントと呼ばれるたんぱく質でできています。

 

  上図:弛緩  下図:収縮

 

上の図は筋肉が緩んでいる状態(弛緩:しかん)で下の図は筋肉が収縮して縮んでいる時のミオシンとアクチンの状態です。

 

力を入れて筋肉を収縮させた状態が下の図で、力を抜いて筋肉が弛緩させた状態が上の図になります。

 

ところがところが、股関節に炎症があったり、股関節を捻挫したり、股関節を傷めたりすると股関節周りに筋肉は反射的(無意識)に硬くなって縮んでしまいます。

 

この状態では、筋肉を収縮した時だけでなく、力を抜いて筋肉を弛緩させても筋肉は縮んだまま硬くなり、その部位の血流が非常に悪くなるのです。

 

この縮んで硬くなった部位は『しこり』と呼ばれ、専門的には『筋硬結:きんこうけつ』と呼ばれます。

筋肉にしこりができると、そこに疲労物質や発痛物質が溜まり、“重い感じ”が出てその後うずくような痛みが出ます。

 

このうずくような痛みが股関節周りの筋肉に起こることも股関節痛の一種になるわけです

でもね、レントゲン写真には写らないもです。

本来なら、そこで股関節を動かして筋肉のつっぱり具合を診たり、触診が必要になってくるのです。

 

以上のように、筋肉が病気になると力を抜いていても筋肉の一部が硬く縮むので、その縮んだ部位を直接ストレッチするのが深圧なんです。