股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

大腿骨(だいたいこつ)

2007-07-28 02:02:35 | 股関節の基礎
皆さんのももにある骨を大腿骨といいます。

大腿骨の上端は骨盤の寛骨とで股関節を作ります。
また、下端は脛(すね)の脛骨(けいこつ)とで膝関節を作ります。

人間が立ったとき、脛骨はだいたい地面に垂直になります。
そのとき大腿骨はやや外側斜めとなって股関節に向かいます。
つまり人間の膝は若干X脚(エックスきゃく)なんです。
角度でいうと5度~10度のX脚なんです。

ももを斜め外側に伸びた大腿骨は股関節の手前で大きく内側に曲がります。
曲がるところに大転子があります。外側のぐりぐりした骨です。
ここから45度の角度でお辞儀をするように内側に曲がって股関節となります。
ですから股関節は意外と内側にあるのです。
なぜ45度に曲がっているのか・・・股関節には床からかかる衝撃と、上半身の重さからかかる上からの衝撃がかかるのですが、45度という角度がその衝撃を吸収するのに最適なんです。

もしも膝からまっすぐ股関節となると、股関節には大きな衝撃がかかってしまうし、大転子から90度お辞儀をするように曲がっていたら、大腿骨の首の部分(頚部:けいぶ)にかなりの負担がかかってしまうでしょう。

このように、大腿骨は絶妙なバランスを持って、人間が動きやすいようにできています。


大腿骨骨切り術という手術法があります。
大腿骨を切って頚部のおじぎ角度を起こしたり寝かしたり傾けて、股関節の軟骨のあたる部分を変えたり股関節を安定させる手術です。
一般的には内反骨切り術とか外反骨切り術と呼ばれています。

股関節だけに注目すると良い手術法だと思います。

しかし、それによって先に述べた大腿骨と脛骨の角度(膝関節)、大腿骨の本体と頚部の角度(股関節)が微妙に狂ってしまいます。

人が生まれながらに持っている絶妙なバランス・・・それが確実に崩れます。
そのしわ寄せは長い年月のうちにどうなるのでしょうか?

今までに大腿骨骨切り術を受けた方々を多く診てきました。

筋肉の手入れをしている人は比較的綺麗に歩けています。
しかし、手術後そのままにしている人は、骨盤が極端に挙がって脚が内側に曲がって(内転)外に開かなくなっている人を多く見てきました。

微妙な重心線(アライメント)の狂い。
微妙だけど膝や股関節には負担となることも多いと思います。
手術後10年くらいたったときの話です。
この手術を受けている方々には、できるだけ綺麗に歩いてほしい。
できるだけ股関節を長持ちさせてほしい。

そういうことも考えつつ、指導しつつ、施術と研究は続くのであった。

・・・はい、ここで一旦コマーシャルで~す・・・




変形性股関節症を怖がらないでね