股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

脱臼防止システムズ 3

2006-11-07 21:17:09 | 股関節の基礎
前回、脱臼予防システムとしての股関節に関する筋名を22列記しました。
お尻の奥にある“深層外旋六筋”、つまり内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋・梨状筋は筋の走行が横方向ですので、大腿骨の脱臼にはかなり大きな役割があります。
しかし、その他の多くの筋肉は筋肉の走行が縦です。
つまり、筋肉のある位置が床に垂直に近いのです。

これらの筋肉は、普段は柔らかい状態で、皆さんが脚に体重をかけた瞬間に強く収縮し、脱臼予防や衝撃の吸収に役立っているのですが、これらの筋肉が病気になると、痛みと共に筋肉が縮んでしまい軟骨をすり減らす方向に働いてしまうことがあるのです。
筋肉が病気になると、これらの筋肉は普段硬く、皆さんが脚に体重をかけた瞬間に筋力が出にくく、脱臼予防や衝撃吸収ができなくなり
皆さんの体重が筋肉によって吸収されることなく骨や軟骨に直接かかりやすくなるのです。
これが股関節が長持ちしない理由です。

皆さん、目を閉じて想像してください。(目を閉じたら読めないか・・・)
骨盤から22本のゴムがぶら下がり、大腿骨についています。
骨盤と大腿骨の間にスポンジを挟んだとしましょう。
22本のゴムがいっせいに縮んだとき、間のスポンジはどうなりますか?
大腿骨がゴムの力で骨盤方向に引き上げられてスポンジは圧迫されて薄くなりますね。
筋肉が病気の人は、このような状態で24時間過ごしているのです。

このスポンジにあたるのが軟骨です。
軟骨は長時間圧迫された状態では“軟骨軟化症”という病気を起こして、磨り減るのです。
体重をかければ磨り減るのではないのです。

筋肉を緩め、圧迫されたスポンジ(軟骨)を緩めてあげる必要があるのです。
これらの筋肉を緩めてあげると、レントゲン上軟骨が増えたかのように隙間が広がる人がいます。
このような圧迫が取れてくると、治癒力(再生力)も働きやすくなりますね。
圧迫されたままでは、治癒力は働かず破壊力ばかりになるんですね。

これは人工関節でも同様です。
股関節周囲の筋肉を緩めるということは、股関節を緩めるということなんですね。
緩むと酸素と栄養を含んだ血液の循環もよくなるんですね。

股関節脱臼予防システムとしての筋肉は、正常な時には脱臼を予防したり股関節にかかる衝撃を吸収してくれるのに、病気になると破壊力を持ってしまうんですね。
ですから筋肉のお手入れが必要なんですね。



変形性股関節症を怖がらないでね