股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

見えなくても見えるんです!

2006-11-16 17:11:00 | 診療のこと
私は28年前から8年間、整形外科病院に勤務していました。
柔道整復師としていわゆる“ほねつぎ”をしていました。
骨折患者さんの骨折を、手術をしないで治していました。
その時に先輩に言われていたことは「まっちゃん、骨折患者さんが来たら、レントゲンを撮る前に骨折部をやさしく触診しなさい。その結果、骨折のレントゲン像を自分の頭で想像してからレントゲン室でレントゲンを撮ってもらいなさい。」ということでした。
このようなトレーニングを積んでいると、レントゲンを撮る前に骨折像がはっきり想像できる様になりました。

皆さんの骨の状態も、レントゲンを見なくてもだいたい想像できるもんなんです。
まずは、脚長差ですね。変形の程度は脚の長さの差として出るんです。
ですから、メジャーで計るんですね。
骨盤の傾斜の影響を取り除くために、骨盤の一部である上前腸骨棘から内果(ないか=内くるぶし)までを計るんです。専門的には棘果長(きょくかちょう)と言います。
次に脚の太さですね。ほとんどの場合かばっている方の脚が細くなります。
これは筋肉が痩せているということです。筋肉が痩せる(筋萎縮:きんいしゅく)と、確実に骨も痩せます(骨萎縮:こついしゅく)。
骨が痩せると、レントゲンでは黒っぽく写りますので、そのような想像はつきます。
あとは関節の動き具合や、脚全体の形を総合するとほぼ骨や軟骨の形が想像できるのです。

ですから、私の施術にはレントゲン写真は必要不可欠ではありません。
骨をいじる施術ではありませんし。

それよりももっと、もっともっと重要な患者さんの情報があります。
股関節の炎症の状態や、歩行の状態、痛みの具体的な場所、筋力の状態などです。

やっぱり触診や視診って重要ですよね。
レントゲンは見なくとも見えるものなんです。
また、私にはレントゲンでは見えないものも見えるんです。


変形性股関節症を怖がらないでね