股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

坐骨神経痛?

2006-06-20 12:25:51 | 施術のこと
鹿児島から帰りました。
多くの患者さんに温かく迎えられ、楽しい4日間でした。
実質3日間でのべ26人の施術をしてきました。
意外と今日は元気です。
今朝、福岡から電話があり、神奈川にいる息子さんを診て欲しいということです。
鹿児島に来られていた福岡の方の知り合いの方でした。
椎間板ヘルニアで手術をせまられているとのことでした。
どこが痛いかはわかりませんが・・・神経の症状がなければ手術は止めるつもりです。
皆さんにも良くあるのですが、坐骨神経痛に似た痛みは意外と筋肉に原因があるのです。立ち上がるときに痛みを出しやすい筋肉ですね。
おそらくこの筋肉に異常があるのではないかと考えています。
今夜の施術予定です・・・どうなることでしょう。
お母様も福岡からお見えになるようです。
手術を避けられると良いのですが・・・。


先日、某大企業の役員の方が施術を希望されてきました。
変形性股関節症ではありませんでしたが、「腰の椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛」と病院では言われていました。
少し歩くとお尻からももの裏にかけての痛みが走り、屈伸をするとまた歩けるようになるとのことでした。

そのような患者さんの場合、まず神経症状を確認するのが診察の基本です。



脚の神経症状の診方
(神経を役割で分類すると、運動神経と知覚神経に分かれます)

①足の先にしびれはないか?また、触った感じ(触覚)に異常はないか?を調べます。(足の親指と人差し指の間を軽くなでてみる)
これは神経麻痺のうち知覚麻痺を調べる方法です。
神経の麻痺は必ず先っぽから出ると決まっています。ですから足の先を調べるのです。
②足の親指の筋力は低下していないか。
これは神経麻痺のうち運動麻痺を調べる方法です。
③膝を伸ばした状態で脚がどれだけ上に挙がるか。(他動的)
神経に圧迫があると、脚を挙げたときに激痛が出るため脚が上がらなくなるのです。

この神経症状が無い限り手術をすることは避けた方がよいと考えています。
神経症状とは、ヘルニアが神経を圧迫していると言うことです。
ヘルニア(軟骨)自体には神経がありませんので痛む事はほとんどありません。
ヘルニアが問題であるのではなく、ヘルニアが神経を圧迫していることが問題なのです。

この患者さんには神経症状はありませんでした。
触診の結果、ハムストリングスというももの裏の筋肉に異常な圧痛がありました。
ハムストリングスをしつこく肘でほぐすと、痛みは徐々に軽くなり、最後の方はまったく圧痛がなくなりました。

帰りの歩行状態では「うそみたいに楽になり、普通に歩けます。」と言うことでした。
簡単に言うと、脚がかなり疲れていたようでした。

腰やお尻に痛みがあると、方程式のように“椎間板ヘルニア”とか“坐骨神経痛”と言う診断がつけられる傾向があります。
しかし、その本質を触診にて突き止めないといけないと思います。
股関節に限らず、このような傾向があるのです。
本質を突き止めていただきたいものです。

変形性股関節症を怖がらないでね