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「直方隕石」5年に一度の特別公開!須賀神社御神幸大祭を見てきました

2016-10-23 | 宇宙
福岡県直方市下境の須賀神社


福岡県直方市にある須賀神社には、なんと隕石が奉納されています。
しかも、ただの隕石ではありません。人類史上最古の「目撃記録が残りそれが科学的に鑑定・認証された隕石」なのです!

「…時は貞観三年四月七日(西暦861年5月19日)の夜、突如何かがこの地の上空に飛来。
そのまま須賀神社境内にあった柿の木の幹に当たって爆発。辺りが昼間のような明るさになり、大音響が鳴り響いた。
その跡地には地面を突き破って大穴が開き黒い石がめり込んでおり、後日掘り出した石は皆が恐れ誰も触れる者もいなかった程だが、桐箱に入れて須賀神社に納めた…」

というような伝承が直方市下境地区に残されており、実際に須賀神社にも黒い石が入れられた桐箱が奉納されていたのですが、
桐箱の素材の炭素年代測定法による鑑定等を経て1981年に国立科学博物館の村山定男先生によって「実際に貞観年間に地球に落下した隕石である」と認証されました。
※他に、江戸時代の寛延年間に落下したとする研究も存在します。

実に1155年前の平安時代にこの地に落下して以来、ずっと神社に納められ地域の人達に畏れられ大切に守られてきた“世界最古の記録を持つ稀有な隕石”、それが「直方隕石」です!
(ちなみに貞観年間には東日本大震災との対比で話題となった貞観地震をはじめ日本国内各地で火山が噴火したりしており、隕石落下とは直接関連はありませんが日本列島が天変地異の災害に見舞われ続けた時期だったようです。)

そんな「直方隕石」ですが、普段は須賀神社に納められており見ることができません。
ですが、5年に一度開催される須賀神社の御神幸大祭で特別に公開されます!
そして、今年(平成28年・2016年)がその貴重な5年に一度の隕石を実際に見るチャンスの年!

という訳で平成28年10月22日、Twitterの宇宙クラスタ仲間と誘い合って「直方隕石」を見てきました!!








須賀神社の境内には「直方隕石」の記念碑が建てられています。
このゴツゴツしたのが「直方隕石」のレプリカらしい…

そして、お神輿の山車に載って特別公開に登場した、これが本物の「直方隕石」です!!


…記念碑のレプリカより随分小さくて形状もつるっとしてますが、これが紛れもなく本物の世界最古の目撃記録を持つ「直方隕石」です。
それにしても、御神体ではないにせよ神社に大切に奉納されている宝物の筈なのに、アクリルのケースに入れて雨の降る中に持ち出してくるとはかなり扱いが大胆だなぁ(笑)

しかし、この後はもっと大胆だった…
何と、貴重な「直方隕石」は神輿に載せられたまま雨の中を担ぎ出され、そのまま直方市内を練り歩き始めたのです!
う~ん、大胆というか豪快というか…っていうか、ホントにこんなことしていいの!?(笑)
須賀神社の御神幸大祭、恐るべし!!





そぼ降る秋の雨の中、「直方隕石」を載せたお神輿と山車の巡行は進みます。
我々宇宙ファンも隕石に付き添って、巡行行列と並んで歩きます。



…それにしても、歩く歩く!
ちょっと神社の周辺の町内を一回りするだけかと思ったら、どうやら直方市内の下境地区を全てくまなく巡るらしい…
隕石と一緒に歩いている我々もだんだん疲れてきました。



一時間半ほど歩いたところで、公民館で休憩。




公民館の駐車場で休憩中の「直方隕石」。

小休止を終えて、隕石のお神輿巡行は再び出発。さて、いつまで歩き続けるのか…


※同行した宇宙クラスタ仲間が撮影・提供してくれた動画です


平成筑豊鉄道の線路も越えて「直方隕石」は進む。
…なかなか見られないですよ、踏切を渡る隕石なんて!っていうか、なんてシュールな光景なんだろう(笑)



午前9時半頃に須賀神社を出発してから歩き続けること3時間。
ようやく「直方隕石」の巡行行列は目的地である稲荷神社に到着。




雨の中を練り歩いた「直方隕石」は無事に稲荷神社の本堂に安置、というか搬入されました。
隕石は今夜はこの稲荷神社でお泊りになるそうです。
そして、明日はまた直方市内を練り歩いて須賀神社にお帰りになるとのこと…
明日も頑張って歩いてください!

我々宇宙ファンも無事に「直方隕石」の巡行と一緒に歩き終えて、ああ疲れたお腹も空いた。
何か食べよう、直方名物の食べ物って何かな!?


という訳で直方名物の地元B級グルメ、焼きスパ(焼きそば式に調理したスパゲティらしい)をいただきま~す!
ああ、3時間も歩いた後の焼きスパは超美味しい!

今日は本当に疲れたけど、なんだか凄く面白くて楽しかった。
だって、隕石と一緒に歩いたんだよ!こんな経験、生まれて初めて!!
それに、世界中に隕石は数あれど、千年以上前に落ちてきて以来ずっと地域の人々に大切に守られて、歴史を積み上げてきた隕石なんてきっと世界中でこの「直方隕石」だけ。
千年以上もみんなが隕石と共に生きてきたなんて、何だか感動してしまうじゃないか…世界で一番幸せな隕石かも知れないね。


…さて、次回の須賀神社御神幸大祭は5年後、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に帰って来る翌年の2021年です。
5年後にもまた歩くよ、世界最古の目撃記録を持つ「直方隕石」と一緒に!
宇宙が好きな皆さん、是非この次は皆んなで一緒に隕石と歩きましょう。2021年に直方で隕石と会おう、歩こう!!


8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おもしろーい! (とも)
2016-10-23 18:12:19
ちゃんと専用の山車があって うやうやしく運ばれる隕石!5年後かぁ。生きてたらいってみたーい!
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5年後に須賀神社に集合! (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2016-10-23 23:07:00
(๑•̀ㅁ•́๑)✧はやぶさ2地球帰還の次は、直方隕石の年だ!
2021年秋に直方市の須賀神社で部蝶と握手!!
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平安時代の隕石 (マンマ♪)
2016-11-06 23:09:37
これが落下した隕石なんですね。
すごい !!
そのうえ、大事にされて隕石さまって感じですね♪

その時代は日本列島が火山の噴火や地震など不安定だったとかで、最近の様子と似ていたりなんかして。。。

東京直下や東海も時間の問題と思うと、恐ろしいです。
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隕石さまです(笑) (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2016-11-06 23:24:23
直方隕石、いわゆる「御神体」ではないのですが、神社の宝物として平安時代から代々宮司さんの手で大切に守られてきたのです。
隕石としては特に宇宙科学的な特徴もないありふれたものらしいのですが、何かの縁で地球に落下した地点の守り神的な存在になってるなんて凄いですよね。

直方隕石が落下した貞観年間には貞観地震をはじめ天災が立て続けに日本列島を襲っています。
天災からは逃れられませんが「備えあれば憂いなし」ということを、直方隕石は日本人に教えてくれているような気がします。
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次回の御神幸について (須賀神社の氏子)
2019-01-05 07:38:15
2021年10月に予定されている直方市下境の須賀神社の御神幸は神社の都合で中止になりました。秋季大祭は挙行されますが、隕石公開は未定です。
また、青柳 種信(あおやぎ たねのぶ・江戸時代後期の国学者、福岡藩士)の著作「筑前町村書上帳」には、当時の須賀神社宮司岩熊正義が書き残した文章の写しがあり、寛延二年五月二十九日申の上刻に隕石が神社境内に落ちたとあります。
氏子としては悩ましい限りです。
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須賀神社の氏子さん、こんばんは (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2019-01-09 23:49:59
なんと2021年の御神幸大祭は中止ですか、残念ですね…
隕石の落下時期についても諸説あるようですね。
情報ありがとうございました!
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Unknown (マッキー)
2019-03-02 17:08:23
2016年の隕石の公開の時には私も千葉から見に行ったので、懐かしいなと思いながら拝見させていただきました。
博物館で天文ボランティアをしていまして、隕石の調べ物をしてました。
、次回の2021年公開は未定なのですね。残念です。
江戸時代に落下したという説もあるのですね。
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マッキーさん、こんばんは (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2019-03-02 23:35:48
おお、マッキーさんは千葉から来られてたんですね。
それにしても、この次に直方隕石に会えるのはいつになるのか…待ち遠しいですね!
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