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2013初夏・北欧バルト海紀行 #014:タリン→ヘルシンキ 豪華フェリーでバルト海ショートクルーズ

2013-05-26 | 旅行

#013:タリン旧市街、雨の夕暮れからの続き

2013年4月30日

朝から、港にやって来ました。今日は船に乗ってバルト海を渡り、フィンランドの首都ヘルシンキに向かいます。
午前10時半、タリン港から出航です!


タリンはバルト海に君臨したハンザ同盟都市らしく、今でも大きな港を擁する海の交通の要衝です。
バルト海沿岸諸国を結ぶ定期船のみならず世界中からやってくる豪華クルーズ客船も寄港するタリン港には、行き先別に幾つもの岸壁とターミナルがありますが、僕がこれから乗り込む船は北欧・スカンジナビア半島方面への船が使用するDターミナルに接岸して出航準備中でした。

黄緑オレンジの波模様という、常軌を逸した(笑)ド派手な船体色に全身を包んだ大きな船。
ここタリンを拠点にバルト海の各地へと航路を展開するタリンクシリヤライン社の大型フェリー、
その名も「スーパースター」です!


「スーパースター」はタリンと対岸のヘルシンキの間を2時間で結ぶ“タリンクシャトル”と呼ばれる幹線航路で使用される高速船で、2008年に就航したというまだ新しい船です。
タリンとヘルシンキの間は、他にも幾つかの船会社が就航して激しく競合しているドル箱航路なので、新しくてド派手な船を投入して集客に務めているようです。

船会社間の競争が激しいということは、お互いに利便性やサービスの良さや船賃の安さを競い合っているということなので乗客にとっては嬉しい話。
実際、タリンからヘルシンキまでのタリンクシリヤラインのチケットは早割や往復割引やWeb予約割引が効いて、往復で58ユーロと国際航路にしては随分お手頃な価格で購入することが出来ました。

タリンクシリヤラインのチケットも勿論ITの国“eストニア”の会社らしくEチケット。
出航30分前までにターミナルの自動チェックイン機に予約番号を打ち込むとボーディングパスが発行されて乗船手続き完了。そのままボーディングブリッジを通って「スーパースター」に乗り込みます。空港で国内線の飛行機に乗り込む感覚です。
エストニアとフィンランドは共に「シェンゲン協定」適用国なので、出入国管理のパスポートコントロールもありません。

船に乗り込んだら、先ずは最上部のオープンデッキ甲板に向かいます。
ここでタリンの出港風景を眺めることにしましょう!

タリン港には、大きな船が何隻も接岸していて賑やかです。


「スーパースター」の隣に停泊していたこの船は、同じタリンクシリヤラインの「ヴィクトリア」
タリンと、スウェーデンの首都ストックホルムを結ぶ夜行航路に投入されている船で、昨夜一晩バルト海を走って、つい先程タリンに到着したばかりのようです。


こちらは「シリヤ ヨーロッパ」
「スーパースター」と同じくタリンとヘルシンキを結ぶ航路の船ですが、2時間でバルト海を渡る高速船ではなく、
夕方にヘルシンキを出て夜中にタリンに到着し、乗客を船内に宿泊させたまま一晩停泊。乗客は翌朝下船してタリンの半日観光を楽しみ、午後にはヘルシンキに戻るという観光クルーズコースに使用されているとのこと。
タリンは世界遺産の旧市街を目当てにした観光客が近年急増中で市内のホテルの部屋数が不足気味なため、このような効率的な船内宿泊込みのクルーズも人気があるんだそうです。

甲板から港の船を見ているうちに、出港時刻間近です。
乗船手続きが早めに完了してしまったらしく、10時半より少し前には舫い綱が解かれて「スーパースター」は港を離れます。



タリン港の外れには、赤い船体の船が係留中。
タリンクシリヤラインのライバル船会社であるヴァイキングライン社から移籍してきたクルーズフェリー「イザベル」です。
現在タリンクシリヤライン仕様に改修中で、近日中にラトビアのリガとストックホルムを結ぶ航路に投入される予定だそうです。

新入りの「イザベル」の横をすり抜けて、「スーパースター」はタリン港外に出ます。


遠くなっていくタリンの街。
タリンは「バルト海でもっとも美しい港街」と言われているそうですが、なるほど海から眺める旧市街は趣があって、タリンを去るのが名残惜しくなってきます。まぁ、明日の夕方にはまたタリンに戻ってきますが(笑)


タリンの街外れの森の中には、高い塔がそびえ立っているのが見えます。
ソ連邦時代、モスクワオリンピックのTV放送のために建設されたタリンテレビ塔です。
エストニアのソ連からの独立の際には、エストニア国民へのニュース放送を死守しようとした放送局員と独立を阻止しようと迫るソ連軍兵士との間での攻防戦も展開されたという、歴史の舞台でもあります。

タリン港を出た「スーパースター」は、一路ヘルシンキを目指し曇り空の下のバルト海を進んでいきます。
あまり天気が良くないので見晴らしも良くないし、何よりバルト海は初夏と言えども気温が低く海風が冷たいので、甲板から船内に戻るとしましょう。




「スーパースター」の船内は、この豪華さ。
乗船時間わずか2時間の高速フェリーとは思えない、まるでクルーズ客船のようです!


乗船時間が短いにも関わらず、個室の客室もかなりたくさんあります。
2時間ではベッドで昼寝をするにも短すぎると思うのですが、どんな人たちが利用するのでしょうか。
ひょっとしたら、「シリヤ ヨーロッパ」のように港に一晩停泊する観光運用も考慮しているのかもしれません。
ちなみに僕が買った割引乗船チケットはもちろん「部屋なし」です。

格安の「部屋なしチケット」で乗ってくる乗客も、船内で居場所がなくて不自由することはありません。
「スーパースター」には様々なサービス設備(=チケット単価の安い乗客におカネを使わせる施設)(笑)が揃っています。



バルト海の景色を見ながら食事ができるレストランも、豪勢な食べ放題ビュッフェからファーストフード店までいくつもあります。


国際航路らしく、免税店もあります。


スーパーマーケットもあります!品揃えも街中のスーパーマーケットと比べて遜色ありません。
世界でも最も物価の高いフィンランドから、物価の安いエストニアに、週末に日用品を大量に買い出しに来る人が結構多いそうで、そういった乗船客に移動中も安く買い物をさせようということでしょうか。
何とも商魂逞しい…


そして何とカジノまで!

…とにかく船内には何でもありのタリンクシリヤライン「スーパースター」。
ここまでくると大型フェリーというより、国際空港がそのまま海に浮いているような感覚です。

船内散策ですっかりくたびれたので、再び甲板に出てみます。

おお、いつの間にか随分、天候が回復しています!バルト海の上に青空が広がり始めました。

タリンを出てから1時間、「スーパースター」はバルト海フィンランド湾のど真ん中辺りを航行中です。
バルト海の大海原と水平線をパノラマ撮影してみましたので、ぜひ大きな画像でご覧下さい。







↑サムネイルをクリックすると大きな画像が開きます↑




やがて、船の前方遥かに陸地が見えてきました。フィンランドです!


タリンから2時間。「スーパースター」は無事、ヘルシンキ港西ターミナルに接岸しました。




初めて来る国、フィンランド。天気はすっかり良くなり、青空が出迎えてくれました。

ヘルシンキにはこれから約28時間だけの短い滞在となりますが、やりたいことはたくさんあります。
さて、どれだけヘルシンキを楽しめるでしょうか…?

#015:フィンランド・ヘルシンキ街歩き トラムに乗って大聖堂へに続く

2013初夏・北欧バルト海紀行 #013:タリン旧市街、雨の夕暮れ

2013-05-26 | 旅行

#012:タルトゥ→タリン ソ連製の列車で行く、エストニア鉄道の旅からの続き


再びエストニアの首都タリンに戻って来ました。
とは言え、市街地に入るのはこれが初めてです。初めて訪れるタリンの街、鉄道駅の前には小高い丘の上の城があり、列車で到着した旅人を出迎えてくれます。


雨がそぼ降る中、今夜泊まるホテルを目指し歩き始めます。
欧州では少しぐらいの雨では誰も傘をさしません。僕も現地の習慣に習い、濡れながら歩きます。
小雨で肌が濡れると、まるで雨粒に溶けたエストニアの大地とバルト海が僕の中に染み込んでくるような気がします。


今夜のホテルは城壁に囲まれた旧市街の中にあります。
駅を見下ろす古城の脇、この門をくぐると、世界遺産にも登録されているタリン旧市街です。

旧市街の中は石畳の小路が迷路のように入り組んでいるのですが、
事前にGoogleマップのストリートビューで道順と景色を頭に叩き込んでおいたので、迷わずホテルに行き着くことが出来ました。

もっとも、旧市街の築数百年は経っていると思われる屋敷を使ったクラシックホテルは館内も迷路のように入り組んでいて、
レセプションを見つけるのに随分迷いましたが…
(宿泊中に、僕以外にもホテル内で迷子になっている人を何回も見かけました。さすがに分かり難すぎるでしょ…(笑))

ホテルに無事にチェックインしましたが、外がまだ明るいうちにまた出かけます。
実はタリンには今夜一晩だけの滞在。明日は朝から船に乗ってバルト海を渡り、隣国フィンランドの首都ヘルシンキへと向かいます。
ヘルシンキ行きの船は旧市街から少し離れた港のターミナルから出航するので、事前に港までの道順を確かめておきたいと思ったのです。


まだ小雨は降り続いていますが、構わず濡れて歩きます。雨に濡れて美しく光る石畳の道を歩いていくと、行く手に城門が現れます。


この城門をくぐると、もう旧市街の外です。
タリン旧市街は全長が南北に1キロ程度しかない、小さな区画なのです。


今くぐった城門はタリン旧市街の港側の出入り口で、その名も沿岸大門(スール・ランナ門)。
沿岸大門の隣にはずんぐりした円筒形の建物がありますが、これはかつて最北のハンザ同盟都市としてバルト海に君臨していた交易都市タリンを海からの脅威から防御するべく14世紀初めに建てられた要塞の砲塔です。

その後、この地域一帯が帝政ロシアに支配されるようになると砲塔は不要となり、いつしか監獄として使われるようになってからは「太っちょマルガレータの塔」と呼ばれるようになったとのことですが、“マルガレータ”とは一体誰のことなのかについては諸説あり、真相は今ではもうわからないとか。
ちなみに「太っちょマルガレータの塔」は現在は監獄ではなくエストニア海洋博物館として使われています。


沿岸大門を出てしばらく歩くと、トラムが走る大通りに出ました。
旧市街をバックに走る青いトラムは絵になる風景ですね。これで晴れていれば最高だったんだがなぁ…


旧市街から徒歩で30分ほどで、タリン港に着きました。明日はこのDターミナルから、ヘルシンキに向けて出発します。
雨のタリン旧市街と一晩でお別れなのは心残りですが…
でも大丈夫。明後日にはまたタリンに戻ってきますから!(我ながら、何とも忙しない日程の旅だなぁ~(笑))

#014:タリン→ヘルシンキ 豪華フェリーでバルト海ショートクルーズに続く