大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

J聯賽第27輪 大阪鋼巴 0-2甲府風林

2011-09-25 00:42:15 | ガンバ大阪
試合の開門前にサポ仲間らとバンちゃんキレキレの件で話をしていた中で仲間内から出た話。なぜ彼が今キレキレで居られるのかというと、一つにはセレッソのビルドアップが基本ボランチ一枚下がってから、下がって来た左右両サイドのシャドーを経由してトップの方にボールが入るやり方を取っているのと関係しているからというものだった。

確かにあそこのやり方だと中盤や相手のサイドバックをシャドーが引きつけてくれるわけだから、バンちゃんがポストで受ける時はほぼ一対一の状況でディフェンスにあまり囲まれていない。そのことは今週のゴラセレでも確認は出来た。ガンバ時代の最後の方ではもう彼は正直厳しいかなとは思っていたんだけども、確かにあちらのやり方ではまだポストプレーは出来るということだろう。勿論彼自身の進化というのも忘れていはいけないか。昨日の試合でゴールキックのターゲットでジンヒョンがバンちゃん目掛けて蹴っていたし、それを本人はことごとく当てているわけですからね。

翻ってガンバの方のサッカーを見ているとなんだけども、今日はやたらと3列目の位置からトップにボールを入れる形が多かった。勿論フタにしてもスンヨンにしても下がって受けるという意識が強いんだけども、前半彼らが下がって受けて作る形があまり見られなかった。多分今日は引いてくる相手だからポストを使うという意識がヤットや明神にあったのかは判らない。ただ、それって結局ラフィーがボールを受ける時に常に中に絞っているディフェンスに囲まれた厳しい状況で受けるということになるんじゃないかという気がしていた。

だからまあ、前半終わった時点ではもう少しビルドアップのやり方を変えた方がいいんじゃないかということで、後半になってフタがボールを触る機会が増えた為に相手を引き出すことが出来、ラフィーがボールを収める機会が徐々に出てきたという中での2枚替えでの3バックですからなあ。もう少しあれを辛抱してやった方が良かったという気がする。意図としてはヤットをトップ下にして守備の負担を軽減しようとするものであったかもしれないが、システム変更後にパウリーニョに対する智の対応がやはり遅れていた為にミドルで失点。

まあ、3バックだとDFラインの脇を使われることを想定していたのかもしれないが、それより問題なのは3バックというのが完全な泥縄的であったこと。ビルドアップがまたまたスムーズに行かなくなる。加地がストッパーになるためせっかく途中出場した勇人が右サイド1枚で孤立してしまう。バルサの343のように準備して3バックの弱点突かれないようにディレイ守備をするというのならまだしも(それでもバレンシア戦の2点目は3バックゆえの甘さが出たんだけども)、準備していないスクランブル状態だったわけやからね。攻撃面でショーキが結局自分の位置を確認出来ない状態で、途中で下がって受けたりしたんだけども、それは逆に言えば下がって受ける役割というのを誰も担わなくなったということを裏付けているんだけどもね。

結局のところ今まで夏仕様でやろうとしたことが、ラインを下げられて裏へのカウンターが発動できなくなって手詰まり感が出たというところか。それでいて涼しくなって相手が走れるようになった。更にはピッチは気温のせいか水撒きの乾き具合が良くなかったというのもあるけども。

まあ、その意味で救いがあるとしたら後半最初の方でフタが見せた動き出しか。こういうのを筆者は「ガンバのセレッソ化」と呼んでいて、これから相手が走れるようになり、かつカウンター対策でラインが下がって来る状況を打破するカギになると思っている。まあ、勿論セレッソのように2バック状態になるというのはガンバのCBの対人能力を考えると厳しいものがあるけども(余談だがエルゴラで西部氏がセレッソに足りない選手はガンバの明神のようなタイプと言ったのは、2バックが開いたスペースをカバー出来るという意味においては当たっている。まあ中後だってサイドで突破されてからカバーリングでよく戻っているんだが)、部分的には取り入れてもいい要素って結構ありますよ。その相手がセレッソだからといって別に筆者は気にすることはない。本当に強いチームというのは例え相手のレベルがどうであれ、自ら胸襟を開いて、いいと思ったことは他者からどんどん取り入れていけるチームだと思っている。

そうした事例は他競技においては結構あって、HOOPの最新号でも紹介されていたが、カレッジバスケットボールの名将であるジョン・カリパリは、数年前にオフシーズンにカリフォルニア州のジュニアカレッジでやっている斬新なオフェンスを、そこのコーチから話を聞いて、すぐにそのやり方を取り入れてしまった(それで今まで何百勝もしているやり方をなんで変えるんだとラリー・ブラウンから呆れられたらしいが)。また、かつてはラグビー最強のNZだってジャパンがNZにやっていた際にショートラインアウトを見てからは、それを取り入れてしまっている。こうした事例を見ると現状に安住することなく、常に改善が必要ではあることが判るし、それは他者との比較という視点を持って始めて可能なものではないだろうか?

実はまあ、ガンバのサッカーでもう一つ進行しているセレッソ化(とはいえ、最近のJのいくつかのチームでもやりだしているが)の動きがあって、それは一度GKの藤ヶ谷にボールを戻してから更に藤ヶ谷が足元でDFにつないでいくというプレー。これはジェルソンコーチの影響というのもあるかもしれないし、最近のトレンドに影響されてというのもあるかもしれない。まあ、こういうプレーってセレッソがよく相手のプレスが来たらジンヒョンに戻して前プレを無力化し、更に空いたスペースを使ってビルドアップしようとする意図が含まれているんだけども。

筆者の考えでは、ある部分を取り入れてセレッソ化を進めれば、ガンバの技術を持ってすれば本家セレッソよりは出来ると考えている。ただ、GKに戻してのビルドアップとなると、DFの足元技術はセレッソよりはガンバの方が上だけども、問題は藤ヶ谷がどれくらいこのやり方を習得出来るかですけどもね。