大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

マリノス戦の引き分けが意味するもの、あと現行の2ステージ制の矛盾点についても少し

2015-05-31 23:23:09 | ガンバ大阪
現地で見ていて、試合に負けるとしたらこんな感じやろうな、という気持ちで負けを覚悟しつつも最後のワンチャンスを信じて声を出していた。昨年7月からの公式戦での負け試合を振り返って見ると、負けた試合っていずれも相手に零封されているわけで(ナビスコ川崎戦の2nd legは例外w, リーグ戦だけで見ると昨年7月からいずれも0-1で敗れている)、負ける時はこちらが追いかける展開なんだけども相手に最終ラインで対応される余裕を持たせてしまわれているということが多い。逆に言えば今のガンバに勝とうとすれば、相手チームは守備の方での我慢比べを強いられることにはなるわけです。逆に言えば守備の方で踏ん張れば攻撃陣が何とかしてくれるし、攻撃陣が何とかすれば守備で複数失点することがほぼないくらいに持ちこたえている。

マリノスへの失点がハルのハンドPK(昨年のアウェイ清水戦と違い、今回は見逃されなかった)だけのもので、それによってこちらが後半猛攻仕掛けてもボンバーのいる最終ラインがラインを下げながらもしっかりと中を閉じてしまったら追いつくのは簡単ではないぞ、とは思っていた。もし、あの失点がなければ、今のマリノスのショートパスの繋ぎのスタイルからすると、ウチの方も立ち上がりは割りと良かっただけに上手く行けばこちらが先に均衡を破れていたかもしれない。

それだけにあのPKの場面って悔やまれるんだけども、見方を変えれば、開始早々ヒガシの不用意なアデミウソンへのプレゼントパスもあったし(これは逆にハルのクリアに救われている)、あれを決められないんだった日本に送り込まれる選手っていうのはまだまだそのレベルなのかな、とも思ったんで、よくあれだけで済んでたな、とも言える。

だからこそ引き分けで痛かったのはマリノスの方だったかもしれない。ウチの方も浦和とは差がつけられてしまってファーストステージの優勝は遠のいたけども、現行のレギュレーションにおいてはファーストステージ優勝が、チャンピオンシップへの一番切符にしか過ぎないということを考えると、セカンドでの巻き返しもしくは年間3位以内に入るという目標の担保はできているので、今後の年間順位争いにおいてはウチが勝ち点1をゲットし,しかもマリノスから勝ち点2を奪ったということが効いてくるかもしれない。もっとも、試合前にファーストステージを逆転制覇できればセカンドはACLに集中出来るな、という皮算用はあったけどもw でも、ガンバって結局どちらかだけ、というのではなく療法追いかけて行く中において成長していけるものだと信じている。

勿論選手層がそんなに厚くないだけに、怪我人が出ると苦しいわけなんだけども、逆に言えばその中で如何にやりくりして、若手選手を含めた全体の底上げを健太監督は果たして来ているとも言える。それによって大輝がSBもやれるポリバレントなCBとして代表合宿に呼ばれるようになったし、ハルも実に堂々としてきたし、堂安君にしてもベンチ入り出来るまでになってきた。それによって底上げされた戦力で秋にどのような果実を手に入れるかは楽しみではありますね。

余談になるけど、現行の2ステージ制って、チャンピオンシップをテレビ局に売り込む為に復活させた経緯だけに、ファーストとセカンドの完全制覇を認めていない分だけ、一番不公平感を感じているクラブがあるとしたらそれは浦和なのかもしれない。チャンピオンシップ導入の際には1シーズン制堅持で上位チームによるプレーオフという案も検討されたようなんだけども、なぜ2ステージになったかと言えば、多分昔やっていた形の方が一定の理解を得られるとJリーグが踏んだというのもあるんだろう。それでいて、ステージごとの消化試合というのを極力避ける為にチャンピオンシップには年間順位で3位までのチームまで出場権を付与するという形でバランスを撮っている。だからこそ、完全制覇がないというのがファーストを制覇するチームから見ると一番のデメリットなんだけど、だからと言って浦和がセカンドでモチベを失うということまでは言っていないので悪しからずw

だからまあ、2ステージ制という枠組みに拘る(例えばステージごとにかつてのサントリーやニコスのようなスポンサーを募るため)のであれば完全制覇を認めるか否かを今後議論しなければならないだろうし、チャンピオンシップをどうしてもやりたいのであれば、プレーオフ制度を導入している殆どの国のように1シーズン制堅持で上位チームによるプレーオフにした方がまだ筋は通っているだろうとは思う。後者の道を進むんなら、シーズン全体ではなく最後に勝ったところが王者だというコペルニクス的転換が必要であるとしても、それが儲かる装置であるのならば、筆者はNBAやNHL等のやり方に慣れている分だけ理解はする。もっともそうなればどうせやるんならもっと多くのチームが参加出来るようにすれば、って思うけどもねw

実はポストシーズン制において新規開拓っていうけども、確かに地上波の中継とチャンピオンシップという注目度によって普段Jリーグに関心のない層を引きつける効果はあるかもしれないけど、実は北米のポストシーズン制においても言えることだけども、そういう人たちの多くはそこでしか見ない。これは中国で有名なカナダ出身の芸人である大山(ダーシャン)もツイッターで言っていたことなんだけども、NHLなんかでシーズン始まった当初からずっと見ているのはいわゆるハードコア層のファンのみであって、ライト層をも巻き込んで行くのはプレーオフからになる(故に、ロックアウトでシーズン短縮されても時が経てば誰もそのことなんか忘れているだろう、と大山は言っていたんだけども)。

だからね、チャンピオンシップによる新規開拓っていう部分の負の部分というのを村井サンも中西サンも隠しているわけよね。別に間違ったこと言っているわけじゃないんだけども、そこで見る機会があっても通常のシーズンにまで目を向ける人たちはどのくらいの割合なのか、という点については彼らは口をつぐんでいる。というか、大山が言っていたように、プレーオフというのがライト層を巻き込む為の装置に過ぎないんだという風に北米では一般的に認識されているんだとしたら、Jリーグは今のところそうしたものに頼らざるを得ないというとこまで追い込まれているということかもしれないけど、それならそれでもっとサポーターに対して素直に頭を下げたら、って思うんだけども、都合の悪い部分は隠して、ちょっと突っ込めばバレバレな詭弁を弄している(実はそういうツッコミを彼らは待っているかもしれないが)のが現状です。

ACL ラウンド16 1stレグ~ガンバと柏が見せた「ぼやかす力」

2015-05-24 12:55:13 | ACL/A3
ACLのソウル遠征から帰って来て、週末はJの試合が柏と一緒になかったんでまったり過ごしてますが、改めてガンバのソウル戦と、あと一緒に録画していた柏の水原戦も消化した。ガンバはというと、最後ミドルで失点していたところは余計だったし、ヤットも最後のところ寄せきれてなかったわけだけどもあれは3点取れてたからということで考えておこう。2-0であれば健太監督は小椋を入れてヤットを一列上げる形でバイタルをしっかりと閉じようとしただろうし。2点差というのはこの試合では妥当なスコア。まあ、どうせならアウェイゴールは1点でも多く取っていた方が良かったということですw

ところで、最初の宇佐美のゴールシーン見直してみると、ハルのクロスにダイレクトボレーで決めた宇佐美の技術は相変わらずすごいんだけども、そのプレーをデザイン出来たのは、コンちゃんが左サイドへ寄って相手のボランチを引きつけて、後半から出た秋やハルとともに三角形を形成して、しかもハルに対してフリスビーパスを出せたから。攻撃時に相手のディフェンスの間に入っていこうとする中においてボランチ1枚はがし、更にはハルを裏に走らせることでソウルの右サイドバックがサイドに気を取られていたことで、宇佐美があの位置でフリーになれたわけね。つまりここでは相手のマークをぼやかすことが上手くいったわけで、これは昔からガンバが得意としている形でもあるわけ。

一方柏と水原の試合を見返すと、まったくもって人についていないマーキングで早々と失点した柏がその後同点に追いついた場面なんかは、レアンが引き気味にボールを持つと、自分が引いて出来た裏のスペースにダイアゴナルランした茨田に絶妙のスルーパスを出しているわけなんだけども、これにしても相手のマークを巧みにぼやかしているとも言える(まあ、そんな部分を気づかないで単に柏が縦にボールを入れているとこだけを指摘する韓国の記事を見ると、テクニカルな分析ってあまり出来ずに精神論がまかり通っている国やな、という印象が強いけど)。

共通しているのは相手のマークを引き剥がす為に本来のポジショニングからステイせずに形を崩すことによって相手のマークを引き剥がすことはやっている。ただ、これには当然リスクがついて来るわけで、それが上手く行かないとなると、一転してカウンターを浴びるリスクも勿論ある。一点目の宇佐美のゴールにしても、ハルのクロスが宇佐美に合わずに相手ボールとなったら、2CBの前に居るのはヤットだけという状況ではあったけども、そこは上手く前のチェックか、コンちゃんが中盤に戻ってチェック行く間にディレイさせるってことで対応出来たかもしれない。まあ、監督によっては取られた場合の守備を考えてあまり形を崩したくないと考える人がいて、その考えで持って東京のフィッカちゃんなんかはポ将とは真逆の方向性でチームを作り上げてるんだけども、点取る為にはどこかで形を崩すリスクを冒すことと、そしてそのリスクを抑える為にはどんなリスクヘッジを打つかを考えて置くってことを寧ろ考えて置いた方がいいかもしれない。ただ、柏の場合にはあまりにもバランスが攻撃に偏っているように思えるわけなんだけどw

あと、審判について言っておくと、ACLだと審判は吹かない、という例はこの試合でも当てはまらなかった。というよりもそうした言い方ってたまたま吹かない審判と当たった後に言われだしたことであって、実際には審判によって基準はかなりばらつきはある。この試合では後方からのコンタクトには厳しいというかルール通りに吹く。で、その傾向を掴んだせいか、パトなんかは途中から相手のDFを背にした場面では体を上手く当てることでファウルを貰うプレーをしていた。こういう順応性も大事だということです。そしてイーブンボールにおける球際では基本負けてはいなかった。

最後に相手のソウルについて言うと、城南や水原のような放り込みとは違い、テクニカルなチームである点は好感が持てた。多分普段は放り込みスタイルの中においてテクニカルな部分での強さを発揮出来ているんだろうとは思うけども、ガンバと技術合戦する上ではちと分が悪かったかもしれない。その意味では、吉崎氏の記事っていうのは日本のチームはこうで韓国のチームのスタイルはこうだという風に自分の枠組みに当てはめすぎるような気もするけどもね。ソウルは城南や水原とは違うチームだという前提で、そしてチームごとのスタイルの相性というものに言及しないと行けないんじゃないだろうか?つまり、総論ではなく各論でもっと語れと。

サイドへの修正対応を可能にするSB-その名はダイキニワ~あと岩下の件についても

2015-05-14 00:51:16 | ガンバ大阪
現地で参戦していて思ったのは、広島というかミシャ式に対してWBに対してしっかりつくようにはなったかな、ということ。勿論浦和戦においてもSBが大外のWBを見るという部分はあったんだけども、あの時は多少なりとも中のギャップを作らせない為に中絞り気味で、大外での幅は作らせないようにしたんだけども、今回はサイドでしっかりついた分だけ、開いたペナ角あたりのスペースにはボランチもしくはSHが埋めるという約束事は徹底できていた。浦和戦の失点場面だけでなく清水戦での最初の失点でもそうだけどもSHとSBが中を見るという選択をしてフリーの大外のところからファーサイドにクロス上げられるところが弱いとは考えられていた為に、健太監督の修正力には感心してしまう。今回は柏、清水、それにミキッチといったWBには間合いを詰めすぎると抜かれるリスクがある中で、抜かれない程度の間合いを取って詰めていったのが良かった。

そこでキモとなるのがサイドバックの人選なんだけども。小椋は小椋なりに急造サイドバックとしてよくやってくれていたのは認める。ただ、健太監督からすれば浦和戦では失点時の対応よりもむしろ前半43分過ぎに宇賀神に対する軽い対応っていうのが引っかかっていたのかもしれないのと、あとは城南戦での大輝の躍動っぷりを見て決めたのかもしれない。実はまあ、サイドバックの本職不在で一番穴が開いているのが守備ではなく攻撃の方ではあるんだけども。

ところで、広島戦ということであれば岩下と清水の一件というのは避けて通れないことなんで、岩下の行為を弁護するつもりはないという前提で私の意見を書かせてもらいます。

正直言うと岩下に対しての出場停止処分は覚悟していた。とはいえ、最近のJリーグにおける処分というのは大体海外などにもおける同等の事例に対する処分をある程度基準にしながら起こった状況を考慮しつつ決定するという流れになっている(例えば昨年浦和への無観客試合処分がヨーロッパリーグへのラツィオへのもの、キム・ミンヒョクへの4試合の出場停止処分がプレミアにおけるバロッテリへの処分と同等のものであることがそれを物語っている)というところからすると、恐らく処分があったとしても2年前の栗原に対してのものと同じで1試合の出場停止処分程度だろうとは思っていた。

それが厳重注意で済んだということは、一つにはこの試合の主審の扇谷主審から判定基準について確認したマッチコミッショナーの報告や、審判アセッサーの評価というのも加味されていたのかもしれない。というのも例のシーンがある前に岩下が清水の進路に対して体を入れる形で対応した場面があったが、その時清水は倒れたまま右手を押さえながらファウルをアピールしていたわけ。こういう場面ですぐに起き上がれないんだとしたら清水は扇谷主審への心証を悪くしていたのかもしれない。で、その後に清水が挑発しただの岩下がそれに対して肘ドンやっただのっていう場面なんだけども。BSの録画見てみるとより分かるんだけども、扇谷主審の位置からだと岩下自体が壁になっていた為に肘ドン肩ドンが見えていなかった可能性が高い。ただ、清水が顔を押させて倒れたというのも、扇谷主審の目からはその前の倒れてなかなか起き上がらなかったプレーと併せて、コイツまた演技しているのか、って映ったのかもしれない。

岩下を試合の翌日に上京させて事情聴取したJリーグのことであるから、マッチコミッショナーを通しての扇谷主審の見解であるとか、審判アセッサーからによる該当する判定への評価というのは間違いなく確認しているだろう。同じ主審が担当したキム・ミンヒョクの件との違いは、報復の前に挑発の伏線があったか否か、という判断であったことが考えられる。まあ、こうした基準というのは絶対にリーグから語れることはないだけに推測するしかないんだけども。ただ、こういう流れになったということは、キム・ミンヒョクの時にしても今回の件にしてもある程度扇谷主審の見解も訊いているのだろうということは考えられるわけで、ミンヒョクの時とは何がどう違うのか、という部分を突き詰めていくには推測を積み重ねていくしかないだろう。

勿論だからといって報復そのものが正当化されるものではない、というのはその通りだ。ただ、挑発した側も報復した側と同等とまでは行かないけども相応の処分が下される事例で一番わかり易いものがジダンとマテラッツィの件ではあったと言える。

そのように考えると、今回岩下にだけ厳重注意という形で終わらせたのは、処分の内容には不満があるかもしれないけど、広島の側からすれば清水を守ることが出来、かつ岩下に責任を追わせたという形において広島の言い分が通っている(形で立てている)とも言えるわけ。実際去年の試合前に青山が試合前に言っていたような形が実現-岩下がある意味目をつけられる形にまで持っていけているわけだから。実は今後担当する審判への心証という部分こそが出場停止処分以上の岩下へのより大きな足かせになるかもしれないと筆者は考えてます。だから厳重注意イコール免責ではないということです。

勿論今回のJリーグの裁定に不服であれば広島は提訴する権利というのは尊重します。サッカー界ではより重い処分を求めてとか(こないだの鹿島がキム・ミンヒョクへの処分への申し立てとか)、あるいは逆に処分の軽減を求めて提訴する例(ユーロ12においてルーニーへの処分軽減を求めて提訴したイングランドとか)なんていう例はある。ただ、その場合広島の方も相応の返り血を浴びる覚悟をしなければならないかもしれないが。

奇跡は諦めなかった者に対して訪れる~ACLの分析は総論ではなく各論でなされるべきだ

2015-05-08 00:11:47 | ガンバ大阪
ACL序盤の出遅れた時期にまさかここまでたどり着けるなんて誰が思ったか?まあ、中国アウェイはその前に終戦になったとしても行っていたとは思うんだけども、主要メンバーを固定して徐々にチームを熟成させて、その分ここ最近は皆ヘロヘロの状態になりながらも逆転勝利でおまけに一位通過。

実を言うと今の広州恒大はリッピとカンナバーロとでは戦術や采配の引き出しが雲泥の差であり、今年は割りと失点が増えているんで、ひょっとしたらチャンスじゃないかって思っていたわけなんだけども(別に自分が行きたかったとかじゃなくてですよw)、今となってはFCソウルの方が結構手強い相手かな、という気がしないでもない。でも強い相手ととやれる喜びというのがあるかな。

まあ、グループリーグの相手で言うと浦和や鹿島の組と比べると相手に恵まれたという部分は確かにあったかもしれないけども、それでも諦めずに固定メンバーで戦い抜いたからこそ一位通過出来たんだということじゃないですかね。

ところで、今年のACLもグループリーグにおいて4チーム中2チームしか突破出来なかったことに対して、またまたマスゴミの皆さんが喧しい。勿論結果が出なかったことに対して様々な批判が出るのは当然だけども、問題はその批判の質だろう。なんか特定の事例や事象だけでもって、日本勢が勝てない原因の総論に持ってこようとするのはなんとかならんのかね?日刊の記事なんか見ていて思うんだけども、中国において大物助っ人が他の中国人選手を育てているっていう風にコメントしている哲生ではない方の中西サンは一体何をどうしたいんだろう?中超の外国人に対抗する為の資金力のあるクラブが必要であれば、最初っからナベツネの言うとおりにしとけばよかったやん? 第一、中超のクラブ運営って日本のプロ野球みたいなもんなんやし。てか、Jリーグは今までの政策が失敗だったと認めるんなら話は別ですけど。

え、だからこそどこかのクラブが第二のフォルランを獲得してくれっていう話ですか?でもセレッソ見たら今アレですからね・・・

てか、そんなに中国が羨ましいのなら、ヂョンシー(中西)シエンション(先生、だが男性への敬称にあたる)はいっそのこと中国に移り住んで貰っても結構ですよw それを決意したら皆さんどうぞどうぞ行ってらっしゃい、ってなるだろうけど。

まあ、ACLで勝てない原因を外国人の実力とか、資金力に求める意見は確かに一つの要因ではあるかもしれないけど、中韓をまぜこぜにしてしまっているような論調にも聞こえるわけでですな。これは各論ではなく特定の事象を全体化させてステレオタイプな結論に持って行こうとしているだけのように思えるけどもね。

球際、という言葉も漠然とした概念で語られすぎるだろう。サッカーにおける球際というのはいくつもの要素に分解出来るものだけど、具体的に自分が思いつくとしたら、

1.相手ポゼッション時にボールを奪取出来る力
2.守備時において対人で負けない力
3.イーブンボールをマイボールに出来る力
4.マイボール時において寄せられても簡単には失わない力

というものだろう。まあ、それも状況と場所とそして自チームの状態と相手チームの力量によってなんぼでも球際の強さという評価は変化することを覚えておいた方がいい。鹿島のセレーゾ監督が言っていたことって、名指しこそしないけども、セットプレーの守備でマーク外した選手や、決勝ゴール許した時に対応していた選手のプレーをさしているんだけど、それでもって日本の選手全体が競り合いを避けているって言う風に言うのは違うだろうってw

球際において辛うじて数値化出来そうな部分というのがセカンドボール回収率かな(それだけ主観が入りやすい言葉なんだけども)・・・代表レベルにおいてはユーロ2012におけるスペインなんかは、ディフェンディングサード、ミドルサード、そしてアタッキングサードの全ての3エリアにおいていずれも高い数値を示していたわけでですな。となると単純に球際というのもフィジカルの強さだけで上がるものではなく、ボール回しの技術、攻から守への切り替え、そしてボールへの瞬時の判断の速さといったものが組み合わさるわけで、どちらかと言えばフィジカル頼みの韓国ではなく、技術志向の日本こそが将来的には上回る可能性を秘めているかもしれない。実際、海外組の数を日韓で比較しても韓国は日本の海外組の数の半分程度しかいない。つまりチョン・テセがいくら上から目線でものを言おうとも、彼自身所詮欧州からの負け犬に過ぎないわけで、韓国のサッカーって結局フィジカルで優位なアジアだけでしか通用していないという現実があるわけ。実際テセにしたって欧州では通用しなかったからこそ極東アジアに帰って来ているわけだし。まあ、それでも韓国のフィジカルサッカーへの対策というのは世界に出る上では考えておかないといけないわけだけども。

そのように感じたのが昨日の城南との試合だったかな。確かに序盤からロングボールをこちらのDFラインの裏に蹴ってきていたんだけども、裏返せば彼ら自身自陣からのビルドアップ等の過程を踏んでいない。まあ、鳥栖にも言えるけど難しいことはやらせていないわけで、だからこそキム・ソンジュンは去年セレッソに来てペッつぁんの最新ゲーゲンプレス理論でやらされたのはちょっと彼には酷だったかな。この試合の前半最後らへんでのプレーのように単純にサイドの裏にポンとボールを放り込まれてそこで起点となってシンプルにクロス上げるという役割に彼自身がずっと徹していたのが分かる。ま、鳥栖だったら合う可能性はあるかもしれないけども。その意味でキム・ミヌはウチよりは鳥栖でやる方が合っているのかもしれない。

これに対して、ガンバの方もロングボールを蹴らせない為には中盤においてはボールホルダーにプレスをかけてなるべく簡単に裏には蹴らせないっていうことは意識していたのだろうとは思う。まあ、それでも失点場面のように最初裏に出されてDFラインが下がり、中盤で起点つぶしに前に出ていたWボランチとCBの間に通されてしまったわけだけども。

ただ、城南の方も連戦での疲労に加えて、ソウルに比べると気温が5度以上高い大阪において普段やっているのと同じようにやろうとすると必然的に走る距離が長くて疲弊しやすくなるわけで、この試合で二人が筋肉系の怪我で途中交代してしまったのは象徴的であったように思えるけどもね。そしてさらにロングボールで前後の距離を広げてくれたお陰で、ウチの方も中盤までは割りと自由にJの試合の時よりはボールを廻せていた。中盤に関してはJの方が厳しいけども、こちらがアタッキングサードへ入ってくると最後のところで跳ね返す力は城南は持っていた。

ま、これはあくまでも城南との試合で感じたことにしか過ぎないわけなんで、これだけでもって結論の一般化は避けたいとは思う。ガンバの試合での事象がそのまま浦和や鹿島の試合で当てはまるとも限らないし、逆もまた然りではないだろうか?

だからこそ、もうちょっとスペシフィックな要因というのを細かく分析しなければならないわけなんだけども。その意味ではラウンド16で当たるFCソウルというのは格好の相手にはなるかな。

決戦の水曜日を前に~埼玉遠征から戻ってきて

2015-05-05 14:09:04 | ガンバ大阪
全ての試合において勝てるとも限らないプロスポーツにおいては、勝つだけではなく、負けてもよくやったと応援する人たちを納得させることも同時に大事だと個人的には考えているんで、アウェイ浦和戦は正にそんな試合だった。こちらのコンディションがACLとリーグを平行してほぼコアメンバーでやっていた分疲弊が激しく、かつ最終ラインも控えが居ない状態において、ミシャ式においては最高の状態でかつズラタン等の新兵器を持っている浦和に対して80分過ぎて失点するまではそれまでよく持ちこたえていたのだから。実際試合後ゴル裏は選手たちを拍手で迎えて、6日は絶対に勝とうと激励した。

悔やまれるとしたら、中国アウェイ帰りの新潟戦でもやらなかった前プレ、即ちコンディションが厳しい中で敢えて前半から前プレで西川の位置まで追いかけた分、後半に疲弊するのが早くなったというところかもしれない。あれは体力を消耗しやすいんでフィッカちゃんだったらこの気候ではやめとけ、って言うかもしれない。何よりも浦和が最終ラインまで下げてボール回しをするのは相手を食いつかせて中盤にスペースを作る狙いがあるからなわけで。

それでも敢えて勝負に行ったというのは、スカウティングにおいてACLの北京国安当たりが試合序盤当たりに前プレを敢行していたのを見ていたからなのかもしれない。けれどもそこでの違いは、

1.浦和はACLとリーグとではメンバーが違う
2.春先のナイトマッチであるACLと違いGWの昼間のリーグ戦である
3.ガンバが前プレを支える為の運動量が足りなかった

ということかな。まあ、それでもこの試合を省エネではなく、真っ向勝負に出たということには、現場の側が最善を尽くしたということであるんで、その上での負けなら受け入れられるということです。

あと、この試合の露出度という点で言えば、本来豪州アウェイを翌週火曜日に控えていたにもかかわらず、土曜日に試合を選んだ浦和の目論見はある程度当たったと言えるかもしれない。普段サッカーを褒めることのない張本氏がサンモニおいて(映像自体は番組恒例のお約束とも言える、サッカーやらかしの場面で、守田のアレだったのだけども)試合のことを褒めていたのはひとえに、NHK総合で全国中継されたのを氏が見ていたからなのかもしれない。韓国語で野球を意味する야구 (ヤグ)でようつべ検索すると、同氏が番組収録の為に黒塗りのハイヤーで局に入ってくる場面を収録したドキュメンタリー番組があるんだけども、そういう悠々自適な生活送っている氏がCSなんかでMLBやNPBの試合をチェックしているイメージがあまり沸かないわけですよw

まあ、本来普段見に来ない人たちへ如何に露出を増やすかということは、通常のシーズン中に考えておかないといけないということなんですけどもね。ポストシーズン制というのはある種のドーピング効果であって、北米のプロスポーツ見れば分かるけども、プレーオフに入ると急に回りでファンが増えるのは確かなんだけども、裏返せばそこしか見ない人たちばかりで、結果的にファン層が固定化されてしまうんよね(アメスポのプレーオフって正にそういうビジネスモデルで一稼ぎするものなんだが)。無料で見られる放送を足がかりにして、スカパー加入やスタジアムへ常時観戦に来る人達を開拓しようとする狙いが本当にあるにしても、結局はフリーライダーばかりを集めてしまっているんじゃないかって。

今思えば、チャンピオンシップを導入しなければならない程の事情を抱えているんだけど、その導入過程においてはちょっと突っ込めばバレるような口実をJリーグは並べてしまっているわけよね。まあ、一回薬漬けになってしまうとなかなかポストシーズン依存症から抜けられなくなるかもしれないけども・・・

おっと随分脱線したw さあ切り替え切り替え(と両手を叩く)。明日の試合はしっかり勝って広州に行こう(別にそれの為に言うてまへんw)

明日の浦和戦に向けて~GWの日程も議論の余地があるのか?

2015-05-01 07:41:02 | ガンバ大阪
GW最中の祝日ということもあって、リーグ戦をやったわけなんだけども、中韓がこの時期ミッドウィークにリーグ戦をやっていないし(しかも中超場合ACL組だけ週末のリーグ戦を金曜日に前倒ししている)、彼らとのイコールコンディションでACLを闘うべきだという観点に立てば、4/29にリーグ戦を本来やらせるのが妥当なのかは議論の余地がある。ましてACLのグループリーグ突破が掛かっているかもしれない時期において。どちらかと言えばナビスコこそやればよかったのに、という感じなんだけども。あと、できればACL組同士のカードだってグループリーグ期間中にはもう少し増やしてもいいくらいではあるんだけども、幸か不幸か対戦相手にはガンバも浦和も対戦相手には恵まれたかもしれないし、それが今の順位にもつながっているとも言える。ガンバのリーグ戦の戦績を振り返って、本当の強さを感じた相手って今振り返れば開幕の2節分の相手だったと思うし。

とはいえ、ガンバ的にもGWに本拠地でリーグ戦を開催出来る機会があるんならそら開催するでしょうね。去年三冠を取ってしまって選手の総年俸がリーグ1位となってしまったのであれば、高騰する人件費を支える為には当然営業収入が右肩上がりになっていくのが前提なわけで。まあ、収入も伸びていたんだけども、それ以上に支出が追いつかなくなって解体を余儀なくされたかつてのブルズ王朝(後期のスリーピートにおいてジョーダンの年俸が急上昇しすぎたのが遠因)の例を見れば分かるけども、支出の伸びを抑えつつ収入を如何に上げて行くかがクラブの発展のカギではあるため、祝日にリーグ戦をやることの意味も理解はしているつもりです(その意味で今季動員が減っている浦和の編成が来季以降どうなるかは興味深いところだが)。

本来ACLでJクラブに何が何でも勝たせる為に日程を調整させるというのであれば、開幕1週前に行うスーパーカップと並んでGWの連戦というのと並んでGWのリーグ戦を見直すのも避けては通れないはずなんだけども、それがクラブの営業機会を失わせるから出来ないのであれば、それこそが今のJリーグなんだと思うしかないかもしれない。

個人的にはこの考え方を否定するつもりはない。というのも、Jクラブは今までバスケットを何とかしようとしている川淵氏が創ったビジネスモデルというものに沿ってやって来たものであるからだ。中国みたいに自給自足路線をハナから捨ててオーナー会社が損失補てんする代わりに企業名を宣伝として名前を出すことを認めるなんてことは出来ないわけだし。ただ、そんな相手と競争を強いられているわけなんだけども、根本的な部分で相容れない以上、JはJで今まで通りやっていくしかないのかもしれない。まあ、Jリーグの理念を100年に渡って根付かせていくのなら、その成果基準をACL以外のところに置かないといけなくなるわけだし、たかだか数年ACLで勝てていないのも大したことではない、と思うべきなのかもw いや、決して予防線張っているんじゃないですけどもねw 

さて、気が付くともう明日には浦和戦か。こないだの山雅戦では5人先発を入れ替え、コンちゃんをベンチスタートさせ、秋を温存させて勝ったという収穫があった。健太監督はこの時期、替えが効かない選手以外は数試合のスパンの中で出場時間を限定する形で連戦を乗り切ろうとはしている。この点同じACLで2連敗しながら北京国安戦あたりからある種の決断をしたミシャとは対極に、ACLでもメンバー固定で来た分ここが一番苦しい時期だけども、それはこの選択をした以上は仕方がない。だからこそ、浦和戦でも言い訳並べずに、出てきた選手がこの時点での「ベスト」メンバーだと思ってしっかりサポートしたいし、あのスタジアムでは負けたくはない気持ちはあるんで参戦します。