大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

ま、一応中国人記者の言い分も聞いてあげましょう

2008-02-29 07:30:13 | 中国サッカー
中国の「体壇週報」の馬徳興記者が吼えている。何に?日本のメディアの東アジア選手権における「過剰な」報道に対して、祖国のサッカーのプライドを守るべく、自身のブログで敢然と反論を行ったのだ。その勇気には一応敬意を表して彼の言い分にも耳を傾けてみよう。

同記者は、まず日本協会の川淵キャプテンに対し、「川淵さん、あなたの発言は言いすぎじゃないですか」と、そして日本のメディアに対しては、「報道が行き過ぎてしまっていないですか」と疑問を呈した上で、以下の点について指摘している:

1.安田に対してGKが行った行為は中国人記者の間でもよくないという声が上がっているが、日本のメディアは必要以上になじっている

2.それを言うなら、92年のアジアカップで日本のGK(松永のこと)が成耀東の頭を蹴ったり、00年のアジアカップで川口が中国選手と競り合って脳震盪のケガを追わせた時には日本のメディアは自軍の選手を批判しただろうか?それに比べれば安田はその後ケガが大きくなく、韓国との試合にも出場したではないか?

3.北朝鮮との試合で日本の選手がボールを持つたびにブーイングが上がったため、中国との対決において、中国政府と組織委員会は必死でこれを抑え込んだ。こうした努力をなぜ評価してくれないのか?

4.李瑋峰(リ・ウェイフォン)の「のど輪」を批判するが、その前の鈴木啓太の挑発もなぜ日本のメディアは咎めないのだろうか?これは06年のW杯決勝と同様で、頭突きをしたジダンは退場になったが、同時に挑発をしたマテラッツィも世論の批判を受けていた。

5.私は中国人記者として選手たちが行った行為に対して厳粛に批評するが、同時に日本の記者たちの報道も両国関係の改善の為になっていない。

そして同記者は締めくくりに、

「日本の記者たちは口を閉じろ!これ以上中国代表の問題を一方面から糾弾するのは止めて、サッカーに対して集中してくれ!」

と最後っ屁を放ってしめくくっている。

いやはや、スッキリしましたか。言いたいことを言って。ただ、これに対して筆者も以下の点を指摘しておこう:

1.確かに川淵会長の発言はいささか感情的であったとは思うが、彼がこのように不満をぶちまけたのは、ひとえに審判があのようなラフプレーに対して退場処分を科さなかったからではないのか。また、馬記者が「過激」と断じた発言であるが、川淵氏は、あのようなプレーをしているようでは中国は強くはなれない、という一種の「親心」で言っていることで、それが果たして彼のいう「言いすぎ」であると言えるだろうか?もしそう捉えるのであれば、彼は忠告にすら耳を貸さない頑固者と言えるだろうし、中国サッカーは永遠に強くはなれないだろう。

2.確かに過去日本選手の「ラフプレー」というのが存在したかもしれない。しかし、松永はあの直後一発レッドで退場になり、決勝戦は出場停止という形で処分を受けているし、本人はあの後「二度とあんなことはしない」と口にしている。川口の場合は筆者の記憶が定かであるなら、川口のファウルではなかったと思う。まあ、それでもあれがイカンというのであるなら、安田に対してケリを入れた宗自身も反省の言葉を口にしてはいない。

比較できるとすれば、松永と宗のケースであるが、この点については、松永は退場処分を受けて決勝も出られなかったのに対し、宗は警告のみで済んでいる。

また、安田は確かにその後驚異的な回復を見せて、韓国戦にも出場したが、ケガを追った当初は骨折の疑いもあり、一時は病院送りかとも言われたのである。韓国との試合でもチームの人員不足の関係で強行出場しただけに過ぎない。結果的に思ったよりもケガが軽かったからといって、「大したことではない」と言い切れるものではないだろう。それを言うなら松永に蹴られた成にしても怪我がないどころか、成は確信犯的に松永に当たりに言ったんだから、こっちが謝るのはバカバカしいと思うのだが、そう言われたら馬記者はどう考えるのだろうか?

3.のど輪が決まる前に確かに鈴木啓太がつっかかっていったかもしれない。確かにあまり褒められたことではないし、それを擁護するわけではない。しかし、鈴木がなぜあのような行動に出たかというと、それまで中国選手のラフプレーし放題に対して手を焼いていたからではないのか。また、鈴木と李との間で言えば、最初に手を出したのは啓太ではなく李の方である。第一ジダンとマテラッツィについて言えば、あの頭突きの前に様々な伏線があったにしても、最終的に1発レッド+出場停止というFIFAからより重い処分を科せられたのはジダンの方だ。

4.韓国戦を筆者が観戦した時も試合中に不穏な空気はなかった。この点に関してはスタンド四方に警官を配し、ブーイングを行ったら即連行するといった恐怖をちりばめていたのだとは思う。

しかし、それでも試合前の日本国歌演奏のアナウンスがあると、その際強烈なブーイングが聞こえたことは現場にいた人間として言っておこう。実は日本側が問題にしているのは、試合中のブーイングということではなく(それはサッカーの試合の一部だと理解している)、試合前の国歌演奏時にブーイングをする中国人たちの「マナー」なのである。この点に関して日本側も何に対して不満であるかをしっかりと伝えないといけないのであるけども。

また、中国側の対応によって中国戦での日本に対するブーイングを押さえ込んだといっても、日中戦で試合終了後にスタンドで発炎筒が炊かれたということをどう説明するのだろうか?本来厳重な警備がなされていたのではなかったか?実を言うと、今回中国、というか世界中どこの国でもやっている、カバンの中身を空けて調べる厳密な手荷物検査というのが実施されず、空港でやるX線検査程度のもので比較的簡単に通れてしまったのである(実際その程度の検査だったから、韓国の応援団もやすやすとビッグフラッグを持ち込んでいたのである)。

まあ、今回さほど緊張感というのを感じたわけではないので、その点については中国側には個人的に感謝するが、観客を完全に隔離できていないという課題も残ったままであった。また、日本人であるなら別の席でも、日本人席に入場OKということも、よく言えば中国らしい臨機応変さであったが、逆に言えば日本人と中国人とを同じスタンドに居させて問題を起こさせないためであるとも言える。それなら日本人席の上段や左右に緩衝地帯を設けなかった運営方法には問題が残る。

5.確かに日本のメディアはセンセーショナルな切り口で報道し、それが中国からすれば不満であるということは判る。ただ、判るとしても、今回そうした日本側の不満のきっかけを作った一次的な要因は、他ならぬ中国選手のラフプレーとそれに対して寛大な処分しか下せなかった審判にあるからである。そうすると、日本の報道が大げさであった点を差し引いても、そのように仕向けた根本的な原因はどこにあるかという視点が馬記者には欠落しているのではないか?

6.日本の記者はお宅らとは違って「政府の舌」というわけではない。各自が自由に自身の見たまま、感じたままを記事にしている。勿論それが行き過ぎることもあってセンセーショナルな記事になることはあっても、それを黙らせることはできない。むしろ自由な報道の中において初めて互いにその記事の内容について批評や検証というのが可能になるのではないだろうか。

本日帰国。その間にパンパシでガンバ優勝、なでしこが東アジア制覇

2008-02-25 00:14:48 | 中国サッカー
試合から翌日、丸1日かけて重慶から帰国しました。もう1日いればなでしこの優勝が見られたのだから、少し後悔はしているけども、月曜日からの仕事を考えて今回は日曜日に戻った。移動中に携帯でチェックしてけども、パンパシでガンバが見事優勝。決勝の後半はお祭りになっていたみたいで、これもネット中継でも見ることが出来なかったのは残念。もう少しPCを仕込んでおけば機内で居合わせた中国人がやっていたように機内でネット中継が見れたかもしれない・・・

まあ、ガンバやなでしこの優勝を見届けられなかった残念な思いもあったけども、今回の遠征はいろいろと見たこと感じたことがあり、実りが大きいものであったとは思う。その辺のことは明日以降書いて行きたいと思いますので、今晩はとりあえず休みます。

東亞4強賽 日本 1-1 韓國

2008-02-24 01:04:26 | サッカー全般
泊まっていたホテルのある市内中心地からスタジアムまでのアクセスがモノレールであることが判ったのは非常に助かった。最初タクシーで行こうとしたのだけども、運転手が場所を知らんとか遠いとか言って皆乗車拒否をする。この国で道を尋ねるとあてずっぽでもいいから適当に答える人たちが多いなかで、知らんというのはハッキリ言って遠いから行きたくない(帰りに客が拾えない)ということなんだろう。けど、そうは言っても試合終了後はスタの近くはタクシーでごった返しているんだろうなあ・・・

タクシーが捕まらないので、ホテルのフロントに確認したところ袁家崗(ユアンジアガン)というモノレールの駅で降りたらいいということを聞いたので、モノレールで移動。その袁家崗に着いて終電を確認すると22時46分と書いてある。こりゃ、2試合目観たら帰るのが大変なので1試合だけで我慢せざるを得ない。まあ、日本の応援に来たのだからそれで十分なのだが。

チケは途中ダフ屋のオバハンから17区(日本人席がそこだと聞いていたので)のチケを買った。不思議なことに買ったのが定価。でもまあ、これでも儲かっているのだろう。ただ、入ってみると上と下とに分けられていて、日本人席は1階席で自分が買った席は2階。しかし、一人の日本人サポを捕まえて訊いてみると、彼らも違う席だったが、事情を説明すると入れてくれたらしい。そこで自分も話をしてみると、「日本人ですか?」と日本語のできる係員の女性に質問されてそうだと答えるとそれでOK。別にパスポートとかの身分証明は要らないみたいでした。まあ、こういう大らかさが中国らしいと言えばそうなのだが。とはいえ、小さな柵で仕切っているだけで隣のブロックには中国人が座っている。日本でなら確実に緩衝地帯が設けられているはずなんだけどもね。

試合前に橋本の名前がコールされた時にはガンバサポ的にはいささか興奮した。ガンバの選手がまた一人スタメンで出場するのであるから。けど、最初てっきり鈴木啓太と並んでボランチの起用と思われたのだが、始まってみるとが右サイドの前目の位置というのはどういうことなのか?確かに苦しい台所事情であることは理解するけども、クラブでもああいう使われ方をされたことはない。かねてから疑問に思っていたのであるが、岡ちゃんはガンバの試合どころか昨年Jの試合というのをあまり見ていなかったのではないだろうか?それならテスト起用という意味でも、矢野をスタメンで入れて田代との2トップを試してみても良かったとは思うのであるけども・・・

所属クラブでもない使われ方をしたのは加地も同じことで、いくら苦しいからといって左サイドバックに彼の適性を見出すのは難しい。4バックの戦術を取る上でサイドバックの人材不足という懸案を解決する場合、

・誰かをコンバートする
・SBの人材を引っ張ってくる

という選択肢があるのだけども、前者はあくまでもクラブでやるべきことである。代表監督ならば誰々がケガした時のことを考えてバックアップ要員を呼ぶべきではなかったか?だから加地の左SBには納得が行かないし、ガンバでもそうした使われ方は恐らくこの先はない(と思いたい)。

そうなると内田の評価というのが難しくなってくる。この日の内田は再三攻め上がり、前半は決定的な場面でシュートまで持っていった。その点に関してはよくやっていたことは認めるが、サイドの守備はやはり中国戦同様課題ではある。これについては、やはり加地を右に、駒野を左において両サイドの守備が安定するとは思うんだけども、岡ちゃんがかつての市川のように内田と心中する覚悟を決めているのなら、W杯予選では嫌な予感がするのである。内田はU23代表としてなら文句なしなんだけども。

また、後半自分の目の前で安田がアップしているのを見た時には、「やめてくれ」と心の中で叫んでいた。まあ、元気でいたのは何よりであるんだけどもあまりムリさせたくはない状態だったとは思うからね。ただ、ヤットはあの位置で仕掛けてもボールを取られたりしていたから、やはり彼は少し下がり気味でボールをタメて動かす方が合っているのかな、という気がした。まあ、この日の中盤はボランチで基本固められていて仕掛ける場面が少なかったから彼なりに懸命にやっていたのは判るけどもね。だから、後半山瀬を下げたのは失敗だったか。結局、この試合は引き分けで、後に行われた試合(中国が3-1で北朝鮮に勝利)の結果、韓国には得点差で2位で終わった。

試合が終わってから、この後の試合は観ず、隣にいた代表サポの人と一緒に彼が泊まるホテルにて食事をした。聞くと富山在住で、Jの試合も結構テレビでは観ているらしい。ただ、特定のチームに肩入れするというところまではまだ行っていないとのこと。カターレがまだJに昇格していないため、代表に肩入れするところにしかサポとしての生き甲斐が見出せないらしい。だからこそ、たとえ地方在住であっても、代表の試合にはいざ鎌倉とばかりに駆けつけるのだとか(ちなみに、金沢で開催するガンバの試合は毎年行っているらしい)。

だからこういう人たちの期待に応えられるような試合をするべきなんじゃないの、岡ちゃん?

只今重慶にて

2008-02-23 08:14:33 | サッカー全般
ブログには遠征予定の中に入れていた、東アジア選手権の日韓戦の応援の為に今重慶にいます。昨日現地入りして明日帰国するという慌しい旅程ではある。

なお、重慶は今のところ日中は15度くらいで、空はどんよりとしている。現地の人によると晴れ間が除くことはないらしい。その辺がトランジットで降り立った北京との違いかもしれない(北京は見事なくらい晴れていた。その代わり空気は冷たかったけども)。

重慶の都市の特徴は人口が3000万人を超え、四川省ではなく、中央政府が直轄で統治している。人が多い分車も多いのだが、市内の道がさほど広いとは言えないため渋滞したりすることが多い。また、坂道が多いため、市民の足としてバスや地下を走るモノレールも欠かせない。昨晩は街を散策した時にモノレールに乗ってみたが、窓口で1元(約15円)出すと、切符の代わりにカードをくれる。それを入り口の改札でちょうどICOCAやPiTaPaみたいにタッチして(関東で言えばSuica やPasmo)入場する。で、降りる時に出口での改札機に差し込むとそこで回収するシステムになっている。

街で大会についての関心であるが、解放碑の向かいにある大型スクリーンでは「東亜4強」のコマーシャルが流れているからそれなりに高いと思われる。

さて、今日はいよいよ応援に行ってきます!

東亞4強賽 日本 1-0 中國

2008-02-21 07:10:46 | サッカー全般
やれやれ、勝ったというよりも罰ゲームを一つ終えたというような気分だった。ガンバサポ的には安田のケガの具合というのが気になってしまう。また、羽生も蟹挟みにあっていたが、あれだって一発レッドものだろう。審判がああいう笛を吹いているのだから、中国の選手もそれを見透かしてかラフプレーのし放題。だから例の退場王でもある李瑋峰(リ・ウェイフォン)も鈴木啓太ともみ合って、啓太を小突いたりもする(試合後中国メディアから、過去の教訓を生かしていないと批判された)。

また、中国のサッカーというのはこれしかないのか、という失望感も味わった。大連を率いたペトロヴィッチをしてこんな放り込みサッカーしかできないのか?日本のプレスがままならず、ラインを押し上げられない為に中国はどんどんと前線にクロスを放り込んで来るのだけどもこれが全く怖さを感じない。韓国戦での2得点は、1点はCKからのこぼれ球をミドルで押し込み、もう1点は韓国のDFが誰もついていない中でのFKからのヘディングであることから、マークがズレなければ大事には至らないだろうと思っていた。従って、中国がもし得点するとすれば、出会い頭のミドルか、あとは不可解なPKの判定しかなかっただろうw

だからこそ、この試合は完全アウェーであるにも関わらず、あと2点ぐらいは入れておきたかったとは思う。田代の幻のゴールも本当にあれはオフサイドだったのか?録画しているから静止画像でもう一篇見てみよう。

岡ちゃんの選手起用についても言っておこう。ここ数試合は完全に内田を育てる目的ありきの起用になっているけども、今の日本の守備の弱点は右サイド。この試合でも再三ピンチに晒されていたが、これを見せられるとやはり加地を左ではなく本来の右サイドに持ってきた方がスッキリする。

勿論内田の将来性というのは認めるけども、彼を育てたいと思うのなら尚更加地を同じ位置で競わせることが必要ではないだろうか?今までの相手には何とかなっても、次の相手は韓国であるし、W杯予選では中東勢との対戦が控えているから選手起用法には是非とも再考を求めたい。

そして中国についても一言。あの国との対戦は個人的にはモチベーションが高まるし、それはかつての日韓戦の盛り上がりにも匹敵する。だからやるのは構わないのであるが、ただもう少し上手くなって下さいw その為に国内リーグを充実させるなど地道な強化が欠かせないのであるが・・・

中国人も実は判っている。李潔よ、貴様それでも主将か?

2008-02-20 02:19:23 | 中国サッカー
サポティスタに動画が貼られていたので、既にご覧になられた方も多いとは思うが、女子サッカーの中韓での、中東の笛ならぬ「中国の笛」。実はこのことに対して中国国内からも疑問の声が続出している。ある中国人ファン個人のブログであるのだが、この試合の試合終了間際に対する判定について疑問を呈したものがある。

そのブログのエントリの中で指摘されていたのは以下の通り:

1.主将李潔(リ・ジエ)が本来の出来からほど遠い。2失点のうち1失点は彼女の責任

2.央視(中国中央テレビ)が試合途中で放送を打ち切った

ロスタイムで韓国が最後のCKを得て、韓国がCKを蹴る前に李潔が相手の韓国選手と接触して倒れた際に主審は李潔に一度ピッチを出るように指示。その後CKで一度出たはずの李潔がなんと相手のCKを妨害。ここで主審は副審に確認の上で李潔にイエローを出したのだが、この際2枚目であるから、当然試合終了の笛を吹くまでにレッドカードを出さないといけない。にもかかわらず、その場で試合終了。

で、この時実は国営放送である央視は突如放送を打ち切ったという(放送時間の枠の問題なのか?)。どうも最後のあの李潔の恥知らずな場面の時のようであるが、そうなると、中国の視聴者(ネットで見ていた国外の中国人も含む)は最後の瞬間何が起こっていたのかは理解できていなかったのかもしれない。

ところが、テレビでも見ていた人というのがいるらしくて、件のブログの1番最初のコメント欄に、央視が中断中に山東体育で中継されたのを見たという書き込みがある。まあ、なぜあの瞬間中断されたのかが謎ではあるけども、やっぱりこういう噂はアッという間に広がるものだろう。ちなみに、新浪体育のネット上でのアンケート調査によると、今回の結果は52パーセントが、「勝てたのは運が良かった」と答えている。それは一体何を指すのだろうか?

あの場面の動画を見た感想であるが、一度倒れた(フリをした?)李潔に対して主審が一度出るように指示を出したのだから、次のプレーが止まるまでピッチには戻れない。本来そういう状況であるのだから、あそこで倒れるべきではない。第一本当のスポーツマンであるなら、そういうことをしなくても最後の1プレーを守りきって見せるという気概があるものだが、どうもこの主将はそうではないらしい。だから、一度外に出たにもかかわらず、最後の最後でああいう妨害行為なんかが出来るのだろう。

幸いなことに、コイツは次の日本戦には当然出られませんw サポティスタの動画を見ていただくと判るように、きちんとレッド扱いになっていて、単に主審が2枚目であることを忘れていただけに過ぎない。

主審の判定についても触れておこう。まずミエミエの遅延行為をした李潔に対して倒れて起き上がれないのなら、外に出なさい、と指示を出したのは適切な処置だ。

次に、主審の試合終了の判断であるが、確かにこれが最後の1プレーと主審が決めていて、最後にプレーが止まった時点で試合終了の笛を吹いたのかもしれない。その最後のプレーがたとえ妨害行為であったとしても、主審がそう判断したのなら(たとえ韓国チームや第3者から見て納得がいかないにしても)仕方ないのかもしれない。ただ、終了間際に李潔に2枚目のカードを出してしまったのだから、その場で赤紙も出さないといけない。

しかし、試合を終わらせることに頭が一杯でレッドを出すところまで頭が回らなかったわけで、これが誤審と言える(本来、誤審とはルールの運用を誤ったという意味で用いられるものだ)。まあ、明らかに遅延行為であった李潔に対して一旦外に出るように指示を出した主審だから、その後の遅延行為に対しても毅然とした姿勢を見せて欲しかったとは思うんだけどね。

しかし、女子のサッカーというのは男子と違い、中国は非常にレベルが高いとされている(単に世界的に競技人口の少ないところに力を入れているに過ぎないのだが)。しかし、今回の李潔がとった行為といい、審判の判定といい、そうした見方すら考え直す必要を迫られているのかもしれない。

まあ、いずれにしても男女の日中戦は負けられない戦いになりそうですな。

国内リーグが所詮代表に奉仕する位置づけでしかない中国

2008-02-16 23:26:10 | 中国サッカー
中国サッカーについて久しぶりに書くけども、今年の中超の日程が例年よりかなり変則的である。というのも、W杯予選と北京五輪の関係で代表チームの練習のためにリーグ戦がその準備期間中は一切行われないことが明らかになったからだ。

中国協会の公式サイトにも08年の中超リーグ戦の日程がまだ掲載されていない。そこで複数の報道をネットで追っていても、はっきりしない。判っていることは、東アジア選手権後も尚もそのまま代表合宿が続けられ、来月のW杯予選の豪州戦に備えるというのだという。そして、豪州戦の後の3月末になってやっと開幕し、年末頃を目処にシーズンを終了させるのだという(マイナス20度近い真冬の長春で本当にサッカーをやるのでしょうか?)。

日本や韓国と中国におけるリーグ戦の違いは何か?このことを考えるカギは、まず中国におけるスポーツの位置づけというものを認識しなければならない。すなわち、国威の発揚ということである。そして中国がサッカーをプロ化させたのは、日本のJリーグのような高邁な理想とかいうことではなく、代表チームを強化する為でしかない。全てが国の為に奉仕しなければならないという正に「出線足球」なのである。この語の「出線」というのは予選を突破することを意味するのであるが、リーグ戦が代表の為に奉仕する存在でしかないのだから、代表の日程の為にリーグ戦の日程が犠牲になるというのは当たり前だということである。

近年、日本では代表とクラブの兼ね合いが問題になって、代表関係者側からは練習期間が短いという不満があり、クラブ関係者からは、ただでさえ過密日程なのにそこから更に代表の日程が入ることで選手をとられてしまう不満がそれぞれの側にある。では、中国のようなやり方が、日本代表ならびに協会関係者から見ても日本のサッカーの強化につながると映るだろうか?

恐らく彼らの答えはノーだろう。中国方式というのは確かに一緒に練習できる時間は長いが、その分試合数が少ない。まあ、これは親善試合を行うことである程度の試合カンは掴めても、所詮は真剣勝負ではない。そこは、代表選手らが所属クラブで激しいリーグ戦を競争することで得られるものには程遠いように思える。まあ、このやり方が良かったと言わしめるには、次の豪州戦で勝つ(引き分けるぐらいでは、リーグ戦の開幕を遅らせる意味がない)しかない。ACLで大連を率いてガンバと対戦したペトロヴィッチ(中国語では福拉多フラドゥオーと名前の音訳で表記される)にとってはこれ以上ないプレッシャーだとは思う。

しかし、こうしたやり方に対して中国国内で異論があるのも事実で、以下のサイトは、A代表の日程を考慮しながらも、北京五輪の期間中でも日程を中断しない日本や韓国のしっかりした(と向こうには映っている)リーグ運営を羨んでいる:

http://sports.sina.com.cn/j/2008-02-02/14023457802.shtml

この記事では、日程がままならず、リーグの基盤が固まらない中国のプロサッカーのレベルが低下し、それに比例して代表チームの実力も低下していることが指摘されている。

まあ、ちょっと気になるのが、写真にある浦和サポを「熱狂的な日本のサポーター」と紹介しているところですがw あちらからすればクラブ同士が闘うACLとて、「国対国」という枠組みでしか見ることができないということなのだ。この点、ACLで「セバハンを応援した」他サポがいれば、筆者のように相手(中国・韓国・イランの側)からの観点というのを意識していたが故に浦和にACLだけ肩入れしたサポがいる日本というのは、その多様な見方が許される分まだ健全な社会かもしれない。

日程の件に話を戻すと、単にリーグの日程を変更してまで代表の練習期間を増やせば予選を突破できると考えている近視眼的な強化策を取る中国足協(中国サッカー協会)を猪協(ブタ協)と中国人なんかは揶揄している。足協(ヅーシエ)と猪協(ジューシエ)という発音が似ているところから来ているのであるが、それを聞いてしまうとさすがに筆者も中国のサッカーファンに同情するどころか、中国人の屈折した自国のサッカー観に対して呆れてしまったりもする。彼らの屈折した心理は、例えば東アジア選手権を中国語では東亜4強賽というのであるが、それをなんと東亜3強賽などと自嘲気味に言ってしまうのだが、ここまで来るともはや呆れすら通り越してしまう。だっていくら弱いからと言って自国の選手や代表をここまで嘲る国民って他にいるだろうか?これはもう愛情の篭った批判とかではなく、自国のサッカーに対する侮蔑を感じてしまうのである。

となると、所詮テストでしかない今回の大会も、相手側の意識を考えると、中国にだけは絶対に負けたらアカンということです。対戦する国とは歴史的にも政治的にも因縁があるんだけども、中国人が自国のサッカーに対して抱いている感情を考えると、特に負けられない相手だと言える。

そう言えば代表戦で最後に中国に負けたのは、岡チャンが前回監督の時だったよな?あの反町ジャパンでさえも親善試合で3回やっていずれも負けてはいないんだから、そこんとこ頼んまっせ。

ただ、それで気になるのが、天洋食品の餃子食中毒事件のあと、真相が全く究明されていないのに、わざわざ日本の側から餃子を食べても安全ですというPRをやってしまっていることだ。別に全ての中国産が人体に影響を及ぼすとまで言うつもりはないのだけども(まあ、この点で日本のメディアの報道は大げさすぎる)、中国側は未だに真相を究明できていない(というかするつもりはなく、一部の反日分子の仕業ということで手打ちにしようとしている)。にも関わらず日本の側から歩み寄って餃子を食べて安全をアピールするというのは、話が逆ではないだろうか?

実はあのブッチー大魔王が選手に餃子が出たら食べるようにと指示したニュースが中国でも報道されたのであるが、その際に「日本選手が餃子を食べれば日中関係は改善されるか?」というネット調査に対して、「関係改善に寄与しない」と6割以上のネットユーザーが回答しているのだ。



オーエスジーの試合を見て

2008-02-11 21:37:35 | Weblog
JBLのオーエスジーが大阪に遠征に来てパナソニック・トライアンズと2連戦を行った。1試合は大雪の中を駆けつけて現場で観戦。その翌日は他の用事で行けなかったもののスカイAでの録画中継で試合を見た。

このオーエスジーで注目していたのは何と言っても中村和雄監督の戦術。中村と言っても知らない人の為に説明しておくと、かつてJOMO(昔は共同石油、ジャパンエナジーという名称)の女子チームを率いてシャンソンと優勝を争った監督で、選手に熱血指導することが評判になっていた。またNBAやNCAAの中継には必ずお呼びがかかり、絶叫系の解説で話題を提供していた(日本で行われたNBA開幕戦でも解説を務めたため、「This is show 中村和雄 show on 19ch」という横断幕まで出されたものだ)。

その中村監督のバスケットを前々から生で見るチャンスを伺っていた。去年にサッカーで清水遠征した翌日に名古屋に立ち寄り、三菱とトヨタの試合を観戦した際に連れが購入したイヤーブックを覗いて見ると、中村さんが、「今年は、ゾーンでもマンツーマンでもマッチアップゾーンでもない、KAZUディフェンスをやる」と豪語しておられたので、それって一体何やねんと突っ込みを入れると同時に、これは何かやってくれそうな期待感を持たせてくれるものだったからだ。

そのKAZUディフェンスっていうものを解明しようと2試合見たのだが、半分は判ったような判ってないような・・・どちらかと言えば中村さんの言葉に振り回されたかのような感じがしてしまった。

基本的にはケンタッキーユニットの一人であるセンターのエスティルがゴール下にデンと構えて、その前に3人が守り、一番高い位置に一人を置く。この1-3-1のゾーンというのが基本形だが、ここから、両サイドが下がると2-3ゾーンに変形するし、かといってこれが完全なゾーンかと言えば一応人には付いている形になるからマッチアップゾーンにも取れる。そうかと思えば相手のキーマンが動けばそれに合わせてガードしている選手だけが動くからボックス・ワンのようにも見える。いろんなディフェンスの要素をチャンポンにしたのがKAZUディフェンスというものであるというのは何となく判った。別にそれは素人に判りづらい難解なものというのではなく、今までのディフェンスの戦術のパターンを組み合わせて行ったに過ぎないわけです。

ただ、このディフェンスがチームに浸透してからずっと連勝街道を突っ走って来たのだが、ここへ来て相手には上手に対処されているな、と感じた。そのパナソニックの対応であるが、エース・カスタスがオーエスジーの大口とマッチアップする際にサイズの面で優位に立つ。このミスマッチを利用してインサイドに切れ込み、得点やオフェンスリバウンドを取ることができる。それを可能にするには、まずハイポストに切れ込んでディフェンスを収縮することであるが、オーエスジーはエスティルが動かないために、真ん中へオーエスジーの選手がヘルプに来るとすかさずパスアウトして外から3ポイントを打つか、外へ廻してからゴール下に入ったカスタスにパスして大口とのミスマッチを生かして攻める。オーエスジーはやはり高さの面でキレット・青野・カスタスを擁するパナソニックには分が悪いように思える。まあ、青野が下がっている間でも、オーエスジーはさほど大きくない大口がカスタスにつかないといけないような状態であるから台所状態はかなり苦しい。この2試合において大きな選手についたりするという大変な仕事を大口はよく頑張ったとは思う。

聞けばこのオーエスジーはプロ化の流れに乗りたいらしく、もしJBLがプロリーグとして立ち上がらなかったらBJリーグに移籍という話も挙がっているらしい。その際には名古屋か浜松のどちらを本拠地にするのだろう?ただ、BJのサラリーキャップ制によって今のケンタッキーユニットの年俸などがかなり抑制されるかもしれないだろう。BJの選手たちの年俸というのはNBAのロスターがもらえる最低年俸の半分以下というもので、これならNBADLでプレーして日本より物価の安い米国で暮らしている方がいいとホーキンスやエスティルは考えるかもしれない。あとは親会社が宣伝の為にチームを持ち続けるか、それとも将来的には手放したいと考えているかで、このチームの身の振り方が決まるだろう。それともBJに行くことを検討しているということは、親会社が手放したいと考えているからなのだろうか?

一方のパナソニックについても言及しておこう。現在のトライアンズはタレント揃いのいいチームだと思う。ドイツ人のキレットに、アメリカ人のエイドリアン“エース”・カスタスに日本人の青野というフロントラインはかなり強力。まあ、青野のシュートやボックスアウトってイマイチなんだけども、それでもいれば高さは利いて来る。ガードの木下はかつての長谷川や、NBAのマーク・ジャクソン(元ニックス)を思わせた浜田などにも匹敵する選手であるし、スイングマンの竹田は188センチながら、ガードとFWを共にこなせる貴重な6人目の選手である。

ただ、折角いい素材を揃えていても、結局JBLがアマチュアの運営の域を出ていないから、大阪での知名度はエヴェッサに比べると見劣りしてしまう。しかしJBLがプロリーグ化すれば面白い目玉商品だとは思うし、ガンバサポとしては親会社つながりで気になってしまうw まあ、ガンバが将来的に地域型スポーツクラブとして発展を遂げていく過程において最初に統合する相手というのが、バスケットのトライアンズだと思っているから、ガンバサポの皆さんにはもっと注目して欲しいとは思う。お互い選手同士で交流しあって互いの試合を見に行くようにするところから始めればいいんじゃないだろうか。例えば最初はガンバの選手がトライアンズの試合に顔を出して始球式なんかを行えば、それ見たさにガンバサポが行ったりするでしょうw そこをきっかけにしてバスケットの面白さを伝えられればいいわけだし。


東アジア選手権に向けて

2008-02-11 10:23:11 | サッカー全般
東アジア選手権に向けてガンバから6人も選出されている「不公平」ぶりには色々なところで出尽くしている話題であるので、本来JBLやシックスネーションズについて書いておきたいこともあったが、こちらの方を優先して自分の意見を書いておくことにした。

基本的には、ガンバから多くの選手が代表に選出されることは悪いことではないし、西野監督も、選手たちに代表を目指せとハッパをかけているのであるから今回の選出に対して一応苦言は呈しているけども、召集そのものを拒否しているわけではない(もし、選手がクラブを優先したいというのなら、坪井のように「代表引退」という形でけじめをつけるしかない)。

また、パンパシにしてもこれはどちらかと言えばナビスコの優勝チームには何もなかったので与えた特典にすぎない。代表の東アジア選手権もそうだが、シーズン開幕前に本来行うものでもない。個人的にはグアムの1次キャンプで体を作ってから宮崎で連携を高める練習や他チームとの練習試合をやるのがベストだとは思っていたから、調整を難しくさせるのは代表のスケジュールよりはむしろパンパシだと思っているくらいである。

ただ腑に落ちないのが、今回巻・阿部・大久保が代表を負傷で辞退した際に代わりに呼ばれた選手の一人が安田であるということ。本来FWとCBのポジションの選手が抜けるのであるなら、その穴埋めは同じポジションの選手であるべきだと思うのだがどうもそうではないらしい。ひょっとして駒野がケガした場合に備えているのだろうか?だとしたら、これは他の選手もそうであるけども呼んだからには使って欲しい。出来れば同じ試合でガンバの選手を全て先発出場させるくらいに。

というか東アジア選手権なんて別にどの国も勝ち負けに拘っているわけではないわけでしょう?実際韓国なんてイ・ウンジェが例の外出事件で出場停止であるということもあるけど、今回選出されたメンバーの中には38歳のGK金秉址(キム・ビョンジ)が名を連ねている。ちなみに、以下の朝鮮日報のURLが今回選出された韓国代表選手について詳述しています:

http://www.chosunonline.com/article/20080118000050

結局今回の韓国はW杯予選に備えての新戦力の発掘とバックアップのテストという目的で選出しているのである(まあ、Kリーグのクラブもなかなか出してくれなかったかもしれないが)。

今回の日本だって主力が大量に離脱しているのだから、結局はテストみたいなものでしかないだろう。だとすれば、ガンバにとっては、全員があの反日ブーイングの中で試合をして、その経験をACLの為に生かしてくれることでしか選手を送り出すことでしか意義を見出せない。

だったらいっそのこと6人全員を使ってみるのはどうよ、岡ちゃん?同じチームの選手で固まっている方が連携は取りやすいだろうし、ガンバにとっても連携の練習にはなる・・・ということでお互いWIN-WINな提案だとは思うんですがねw

あと気になるのは開催地の重慶。中国で国際試合を行えるほどの規格を備えたスタジアムと言えば、瀋陽・北京・天津・上海・長沙、そしてこの重慶ぐらいのものなんだけども、なんでよりによってあんなところで行うのかと言えば、ひとえに日中間でのブーイングに対する温度差というのがあるからである。

というのも、中国の中継において試合での音声はあまり拾わないため、同じ試合でも中国の中継ではブーイングがさほどひどいという風には感じられない。だからあのアジアカップでのブーイングはさして大した問題ではない、という感覚が中国側に残っているか、あるいはそれが外交問題に発展したとしても根本的な原因は日本の側にあるのだからという認識が中国側にある(これは日中間のあらゆる問題における中国側の基本認識であるのだけども)のかもしれないから、何の考えもなしに重慶が選ばれてしまったのかもしれない。まあ、中国でやるならどこでやっても同じなんだけどもねえ・・・

そういうわけで重慶において中国クオリティがまたもや炸裂することは間違いない。個人的にはサッカーの試合以外において重慶の街中で選手たちが危害を加えられるということはないだろうとは思う。ただ、体調管理には気をつけて欲しい。重慶と言えば激辛の料理や火鍋などが有名で、あそこで麻婆豆腐を食べると日本で食べる味が薄いと感じてしまうらしい。まあ、そんな中で安田が調子に乗っていろんなモノに手を出してお腹を下すとかいうことをヤラカシそうな気がする(今回それが一番怖い)のだがw


橄欖球六國賽 法國 27-6 蘇格蘭

2008-02-05 06:57:14 | Weblog
体調が余り芳しくなかったので、試合当日は、帰宅後暫く休んでから、前半途中から試合を見始めたのだが、久しぶりにフランスらしい爽快な試合をみることができた。スコアを見る限りでは両者の力の差が如実に現れた試合ではあるのだが、前任の監督時代のようにキックに依存してのゲームプランではない。自陣からでも積極的にオープンサイドへ廻して仕掛け、ウイングを走らせる。そしてウイングがスピードに乗ってきたところで初めてゴロパントで前に出す。この試合3つ目のトライは正にそうした展開でモノにしたのであった。

新チームになってから殆どぶっつけ本番であったらしいが、それもそのはず。そもそも旧来の5ネーション時代においても、クラブの試合が終わった後に召集され、3日か4日ほど練習して本番に備えるというパターンであった。まあ、今の6ネーションズは日程が集中している分、試合を重ねるごとにコンビネーションもよくなっていくだろう。ただ、この試合フランスは急造チームゆえに、パス回しでチグハグなところも散見されたが、個々の選手のカバーリングが上手くてアッという間に軌道修正してしまう。その上であの芸術的なライン攻撃というのを即興でやってしまうものだから、フランスのBKの能力の高さには恐れ入ってしまう。

ついこの間まで選手として見かけていたマルク・リエヴルモンが監督をしているというのもフランスらしい。これは第2回W杯の後に、現役を引退したばかりのピエール・ベルビジェを監督に抜擢した人事によく似ている。新人監督をつけて、サポート役には、スクレラ・ヴィルプルーらとトロイカ体制を組んでいた頃からレ・ブルーに関わっているジョー・ダルマゾを置くことによって新旧のバランスを上手く保っている。代表チームの監督選考というとどうしても実績や能力に主眼を置いてしまうのだが、逆に選手の能力が判っているのなら、思い切って若手にやらせてみようという発想もある(これは、サッカーのブラジル代表でドゥンガが監督をしているのに似ている)。

あとは、セレクションの問題。今回フランスもスコットランドも初キャップの選手が多かったのだが、これは外された選手に力がないということではなく、むしろシャバルのような選手は実力が判っているから、若い選手をテストすることに主眼を置いているということかもしれない。もし抜擢した若手がケガをしたり、期待はずれだったりすると、その後にすぐ力のあるベテランを呼ぶことができるからだ。

ともあれ、これから3月までのおおよそ2か月に渡る長い戦いが始まりました。緒戦を勝った方は早くも翌週の次の試合の準備に移っているし、負けた方も選手のセレクションの見直しも含めて建て直しを計ってくる。かつての5ネーションズは2週間のブランクがあったので、その間どのような準備をしてくるのかを追うのが楽しみだったが、6ネーションズはその1週間後にすぐ試合がやってくる。フランスがこの1週間でどれだけ積み上げてくるかが楽しみではある。