大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

スタイルに拘泥しすぎたが故の敗戦-ラグビーW杯のフィジー戦の敗戦から得られる教訓

2011-09-22 23:35:42 | Weblog
U-22の五輪予選と同日にラグビーW杯のトンガ戦が行われたのだけども、気になるのが、トンガ戦で色々な戦評を見ていくとジャパンが自陣から廻していくやり方に拘泥して相手のフィジカル勝負に捕まり、ハンドリングエラーを連発したというゲームプランに不満を持っていた人たちが結構居ることだった。NZ戦でももう少しキックで距離を稼いだ方がいいんじゃないかということは、松尾雄治氏も言っていたっけ。

ただ、個人的には、そうしたゲームプランが失敗したという風に結論づけるよりは、なぜそうしたゲームプランで挑んだかということを突き詰めたくはなる。というのも、こうしたやり方というのは、JKが就任して以降日本人らしさというものを追求して来た中で考えられて来たものであるように思えるからだ。まあ、それにはキックの拙さとか、マイボールラインアウトの獲得率や相手ボールラインアウトの奪取率の低さというのも考慮して、なるべくボールを失わずにつないで行こうという風にJK以下ジャパンの首脳陣は考えて、その考えをチーム内に浸透させ続けて来たのではなかったか?

もっとも、今回トンガのマイボールラインアウトの獲得率が50%だったということを考えると、自陣においてはタッチに逃げる選択があったという見方も成り立つかもしれない。ただ、それも結局結果論だろう。同じトンガがNZ相手になんと69.2%の驚異的な獲得率だったということも今回のジャパンのゲームプランに影響していたとも言えるかもしれない。

いずれにしても、筆者なんかから見ると、ある意味今回の敗戦はオールブラックスに145点取られた試合よりも衝撃的な敗戦だったように思えるのである。ラグビーにおいて日本が世界で戦う上ではこれしかない、と関係者の間で考えられていて、かつこれまでジャパンが取り組んでいたことが、相手に研究されてしまいガツンと叩きのめされたという試合であったのだから。

だから、今後どう考えるのかというと、やはり世界で戦うにはより現実的というか普遍的な戦い方というのも視野に入れなければならないのかということを考えなくてはならなくなる。まあ、その為には時間はかかるけども、キッカーとラインアウトのジャンパーというのはきちんと育成しなければならないんだけどもね。それで良くなるのかどうかは判らないが、少なくとも日本においてはサッカーもそうだけどもラグビーにおいてもスタイルというものに皆拘泥しすぎているように思えるので、スタイルの呪縛からは解き放たれるのかという気はする。

例えば、相手の特徴や天候など様々な条件を考慮し、バックスで回すのか、キックで攻めるのか、はたまたFWで押し込んでいくのかというようにスタイルというのはその時々によって変化するものだと考えてみよう。JKの前任者を呼んだ時はなぜか仏流というのが一つの方向性だったが、そのフランスにしても第一回大会でフィジーと対戦した際には、スクラムトライを奪ったりしているのを振り返れば、我々日本人はフランスという国を(まあこれはラグビーに限った話ではないが)どこか色眼鏡で見ているんじゃないかって気づくのではないだろうか?フランスは08年のシックスネーションズのアイルランド戦でFWの一列目を変えた途端にそれまでの楽勝モードが一転してアイルランドにスクラムでゴリゴリ押されてあわや逆転負けというところまで追いつめられた(まあ、アイルランドだって普段そんな試合はやらないが、相手を見てやり方を変えたわけですな)。それが昨年秋のオーストラリアとの試合ではスクラムで相手を押せるようになっているわけだし。

そう考えると、今の日本ではスタイルというものに拘泥しすぎているのではないか、という疑問をラグビーにおいて抱くようになれば、サッカーにとっても一つの教訓になったのではないだろうか?