大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

天皇杯ジャイアントキリングの余波を考える

2009-10-12 23:16:48 | サッカー全般
天皇杯2回戦でいくつかのJクラブが敗退するという波乱があった。日本だけでなく欧州だって下のカテゴリーに破れたりするということはよくあるわけで、確か去年レアル・マドリーがコパ・デルレイで3部チームに敗れたりするという波乱があったっけ・・・

ジャイアントキリングを日本の文脈に置き換えるとすれば、敗退したことそのものよりも、それが引き金でその後のチーム状態、監督人事、フロントの方向性といったものに色々と影響を与えてしまうことだろう。

例えば大阪のお隣さんは本来予定していたオフを返上して監督さんが直々にお説教していたという。さすがにその後グラウンド100週とかいうことはやらなかったのはエライw 

ただ、気持ちで負けたというのが敗因分析だとしたらそれは指揮官としては安易かな、という気はしないではない(一般の観客の間ではそういう言い方はまあいいとしても)。ピッチに出る選手はプロアマ関係なく試合には勝ちたいという気持ちは持っているわけであるのだけども、試合の中でトップパフォーマンスを出すにはモチベーションと集中力がバランスがとれていないといけないし(時に気負いすぎてリキみが出たりするのはなかなか集中できていないということかもしれないし)、もっと言えばフィジカルコンディションとのバランスが取れていなければならないということはジョアン・サルバンスだって言っていたことだ。

それらをバランス良く保とうと思えば、一日丸々休みサッカーのことを忘れて心身共にリフレッシュすることだって立派な「練習」の一部じゃないかと思うんだけども・・・今日のお説教だって、敗戦のショックから切り替えたい選手に追い討ちかけているだけかもしれない。となると、終盤セレッソの昇格というのも怪しくなって来るかな・・・

この指揮官ってどうも自己分析が出来て居るのだろうかと思う。まあ、ブラジルで有名な監督でもあるこの人から見れば、何でこんな風になってまうねん!とハラワタ煮え来りかえるようなことだらけだと思いますよ、日本に来てからは。

まあ、お隣さんのようにお説教だけで済むのならまだしも、今年の神戸なんか傍から見れば去年天皇杯で鳥栖に負けたショックを引きずっているような感じやからねえ。大敗してサポがバスを取り囲み、それで松田さんが解任されてからカイオを連れて来たけども、やはりブラジル人らしく大枠だけ決めて細部は選手に○投げという指導法で現場が混乱来たし、それで中東へトンズラしてから和田・三浦と繋いできたとなれば何のための交代かとよく言われている。

ただ、そこで覚えておかないといけないのが、天皇杯で下のカテゴリーの相手に大敗したという背景が去年あったということを覚えておかないといけないだろう。まあ、フロントがゴル裏のサポの圧力に屈したとも思えないけども、多分どこかスポンサーか楽天の大御所の逆鱗に触れたというようなところもあったのかな・・・そうでなかったら、一度握手までして来季のことについて話し合っていた人物を切るわけないもんね。

そう考えると、ジャイキリというものを消化していく土壌というのが求められるのかな、という気がしないでもない。確かにサッカーの世界でたった一度の敗戦が引き金になって監督解任の引き金になったケースというのは多いけども、カップ戦で1度の負けというものがチームの方向性を狂わせてしまうということは避けるべきだと思うし、フロントが一時の感情に流されてはならない、という教訓が神戸の例から学べるのではないか。負けは悔しいけどそれはそれで、気持ちの切り替えができる(はずはないんだけども)かが大切なのかな。

と書くと、浦和がちょっと雲行き怪しくなって来ているんですがね・・・こういうことで来季の進退を白紙とかいう風にやってしまうのもどうかなあと思ったりもするんですが。というのも今季浦和がこれといった補強が出来ないのも、オジェックやゲルトに対して未だに違約金を払い続けてるという前社長時代の負の遺産があるからだと思われるんだけども、ここで解任とかやったら更にフィンケに対しても違約金が発生して新たな財政負担が増すのだが(付記:どうやら2年契約で1年目の後に延長のオプションがあるみたいですな)・・・最も、赤い人たちからすれば浦和のお金がない、という問題は大分なんかが抱えているそれとは全く違い、一応Jの中でも営業収入が一番あるわけだから、それがどんな風に使われているか内訳がはっきりしないと納得はできないのでしょうね。

ただ、浦和のサポの中心層って変わって来ている、と思うのは、「浦和は強くないといけない」と松本戦の試合後に叫んでいた人が居たということか。筆者の職場の東京本社にいる女性はレッズのゴル裏に居る人だけど、三菱時代からずっと応援している彼女のような人は少数派なんだろうか?

もっともウチだってあんまりヨソ様のことばかり気にしていられないんですがね。次の天皇杯で迎える相手が大学ナンバーワンの福岡大ですからね。ここで負けたりしたら昨日の試合での雰囲気からしたら不穏な動きが起こらないとは限らないし、カントクの来季続投のオファーだってどうなるか・・・幸いカナモリはまだ他のクラブの社長と比べるとブレない人だとは思うけども。ただ、ガンバにとってここ数年間幸運だったのは、天皇杯で下のカテゴリの相手とはなんだかんだ苦しみながらも勝ち上がって来ているということなわけで、それによって余計な雑音を封じてこられたという側面はあります。4年前の横浜FCとの試合だってPKの末勝ちあがっていたけども、あれ負けてたら多分リーグ優勝はなかったような気がするわけです。

天皇杯第2輪 大阪鋼巴 5-2 流通經濟大

2009-10-12 08:10:11 | ガンバ大阪
試合を振り返ると、流経が自分たちのサッカーをやろうと真っ向勝負を挑んできたことが勝敗を決定付けた。確かに彼らはいいサッカーはやるし、ラインはコンパクトに高く、中盤で奪ったらダイレクトプレーとサイドチェンジを多用して攻めてくる。2点の彼らの得点も両サイドで人が追い越していく状態だったからリスクも冒している。ただ、ガンバ相手にそれをやるというのは同時に失点のリスクだって高まるわけであって、それが5点失った原因とも言えるだろう。

こういう相手を見ていると、かえってウチらの方が舐められてるんじゃないの、って言いたくなりますねw 本当にガンバの攻撃を恐れているんならば、一点取った後にひたすら自陣に引き篭もって虎の子の一点を守り倒すというやり方をとったと思うんだが・・・まあ、これは相手が考えることで我々がどうこういうことではないかな。第一ガンバだってCWCで漫遊相手にこの試合の流経とほぼ同じ選択をしたわけなんだし。

その意味では、流経の中野監督の意図は成功したといっていい。確かにこのやり方で勝てなかったが、彼の頭の中では逆にガンバ相手に90分守り倒せるとも限らない。ならば自分たちのサッカーをやって、持っているエネルギーを相手に伝えようという考えがあったと思う。実際この日のサッカーによって、ウチのカントクやサポに対しては、「なかなかやるやんけ」と思わせたのだから。これはガンバが漫遊と戦った時にファギーにエンドーという選手の存在を知らしめたのにはよく似ている。

ガンバは前半からGKや最終ラインにプレスをかけていたが、そこで流経は上手くボールを捌いた。まあ、Jでもこういうことやるとパニクってタッチに蹴り出してしまうGKっているけどね・・・山形のシミケンみたいに。

ただ、自分から見ていると、前に出ることによって却ってそれがかわされると中盤でスペースをあけてしまっている分パスをつながれることになっていたんじゃないかという感じがしてしまった。ルーカスなんかは献身的な運動量で前から行っている分後ろの選手らは大分助かっていると思うんだけども、個人的には後半みたいにプレスの位置を下げていく方が体力の消耗を避けれるし、中盤をコンパクトにできるんじゃないかと思ったんだけども・・・

ここで以前東京サポのコール氏に教えてもらったルーカスの取説を使う時が来たのかもしれない。ルーカスは献身的故にあれもこれもやってしまいがちなんだけども、彼にはこれだけはやらないでくれと言えば、頭のいい彼はそれをピタっと止めるというものなのだが。それで行けば、無理にGKや相手CBに向かう必要はない、と言えばいいんじゃないか?実は最初の失点もルーカスが相手CBの山村に突っかけて交されたところが起点となって左サイドに長いフィードを出されたところから始まっているわけだし。つまり前から行く代わりに、中盤やSBに入ったところをプレスかけて潰すということをした方がいいかな、と思ったりもする。そうすれば、ルーカスもフィニッシュで決められるだけの体力を残しておけるとは思うんだが、それでも外してしまうかなw この試合前半でも2回ぐらい決定機はあったんだけどもねえ・・・

ただ、その分ボールを奪う位置が低くなるわけなんだけども、幸いなことに縦に早く出すことでPJの推進力が生きてくるとは思う。

前半のような2トップだとPJとルーカスってどちらも窮屈な感じがしてしまうけども、前半途中からカントクが明神に3本指を示してシステム変更した、4-2-3-1だとPJが左サイドに入り、前にスペースがあるカウンターの中でこそPJは生きるという感じか。ただまあ、正直彼はガンバのリズムにはあんまり合っていない気はするが、後半カウンターで見せたあの力強いドリブルはレアンにはなかったものだ。

後半は相手SBの上がりを押さえ、和道を左SBに入れることで相手の長所を消すことが出来てゲームを上手くコントロールしたという感じ。ただ、流経のフィニッシュやサイドチェンジの精度のなさにも助けられたかな・・・あとあれだけオフサイドに引っかかるというのもまだまだ大学生というところか。

実はこの天皇杯の後に同じ万博で行われたユースの試合の方がまだ面白かったというオチなんですがw こちらもまあ、狭いところに出すというトップ譲りのところはあるにしても、まだ落ち着いてサッカーやっている感じがしましたね。そう考えると、今トップでやっているカントクってどこか、大枠を決めておいて細部は選手にゆだねるというブラジリアンな感じがしないでもないんですが・・・だからカントクに続投させるというのはある意味マンネリが続かないかな、という心配はないわけではないし、本当はもう少しポジショニングも含めた欧州テイストな指導ができる人を育成年代から叩き込んだ方がいいかな、とここのところ考えているわけですがね。お隣のセレッソではスペイン帰りの中谷氏がそれなりに成功を収めているところを考えると尚更ね。

結論はというと、ユースのコーチには東海大菅生からジョアン・サルバンスを強奪してこよう、と書くと「それ言っちゃあおしまいよ」ですがねw