大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

新スタジアム建設議論に一石~スタジアムはゴールではなく、ただのスタートでしかない

2009-10-09 07:07:35 | ガンバ大阪
週末にサポミが開かれることになるけども、その中でカナモリ社長がスタジアム建設にどのようなコメントをしてくれるだろうか?これに関しては自分自身やや悲観的に捉えている。もちろん、ガンバが収入を上げていき、かつ国際試合を自前のスタジアムで行えるようにする為のスタジアム建設は必要な投資であることは理解している。ただ、問題は造ってからの観客動員数が伸びるかどうかである。現在までに2002年W杯の為に建築もしくは改修されたスタジアムというのが日本にはいくつか存在するけども、鹿島、横国、豊田、長居、ホムスタなどがいずれも大きい器を持て余しているように感じられる。W杯用に自治体の金で造られたからそこに入っているけども、それらのクラブの身の丈に合っていないように感じられてしまう。

いやいや今のガンバなら伸ばせるという声もあるかもしれない。確かに仮に出来たとしたら最初は建物目当てで来る観客層というのがいるかもしれないが、それをコア層に取り込めるだろうか?キャパの大きいスタジアムに移って成功した最近の例はやはりアーセナルだろうけども、それは前からハイベリーが飽和状態で試合を見たくてもチケットが手に入らなかった人たちの飢餓感が、エミレーツに移転して爆発しているという結果であることを踏まえておく必要がある。

以上のことを踏まえると今のガンバにとって新スタジアム建設というのはどちらかと言えば将来に向けての先行投資、という意味合いが強いと言えるだろう。ただ、アーセナルと違うのは、あちらのように建設資金を銀行からの借入金の返済に追われることがない(その結果短中期的にはアデバのようなエースを売らざるを得ないし、冬にはセスクを売ることになるかもしれないのが皮肉なもんだが)為に、スタジアムで得た収入をチームの強化費に回せるかもしれないというところなんだが・・・ただそれだとキャパを埋める為に招待客を増やすというのは本末転倒ではあるんだけどもね。

余談になるけども、東京五輪招致が失敗に終わった後でもお犬様が8万人収容スタジアム建設を言い出しているんだが、そのスタジアムは造った後の利用方法を考えているんだろうか?W杯招致の後どう利用するか、どのようにW杯を通してサッカーを発展させていくかというビジョンが見えてこない・・・というよりこれは五輪を充てにしていたから仕方ない部分もある。マドリーなんか五輪用に建設していたスタジアムをアトレティコに使わせるという算段がついていたし、アトレティコもキャパの大きいスタジアムを造り、かつビセンテ・カルデロンの下の高速道路を拡張したいという州政府とも利害が一致したからこそ良かったんだが。

それで行くと、現実的にあり得るのは埼スタを改修してレッズに8万人キャパを使わせるぐらいかなあ・・・都内に8万人収容スタジアム造ったとしても、FC東京にそれ使えと言われてもねえ。

話をガンバのスタジアムに戻すと、候補としてエキスポの跡地利用を考えているようなんだけども、そこで覚えておかないといけないのは、これは相手のある話であって、万博機構自体そもそも話の判る相手ではないというものであるということだろう。まあ、これはどっかの国の将軍様なんかと同じなわけで、拉致問題を話しても正に埒明かないようなものか。というのも、万博機構としてはスタジアムにもテーマパークにも土地を利用して欲しくなく、ただただ、今の公園の状態を残したまま万博機構という組織を存続することを望んでいるに過ぎないように思えるからだ。

万博機構を廃止するにあたって大阪府と財務省が出資時に負担した差額を払えだの払わないだのでもめているのだが、府の反対というのは却って天下り先を確保しておきたい官僚にとっては先送りするためには格好の反対材料なわけなんよね・・・その意味では大阪府vs財務省という対立というのが返って機構にとっては好都合だというわけです。官僚の天下り先確保のためにも・・・まあ民主党政権になってから一旦それは凍結されたんだけども、自民党政権でさえできなかった、吹田市や大阪府に財政負担を押し付けるという形はさすがに難しいだろうな、とは思う。万博機構が存在し続ける限りはあそこでは造れないというのが現状だし、機構側は何かをいじられることこそが自分たちの立場を危うくしてしまうという危機感があるように思えてならないのだが・・・

まあ、そういう状況の中でサポに向かってスタジアム計画は頓挫しているということをなかなかカナモリ社長も言い出せないとは思うわけで、そこらへんの立場の苦しさはお察ししますけども。

だからこそ今ガンバがやるべきことは、スタジアムを造るという意思を内外に発信し続けることと、将来的に造るとなった場合、箱に見合う観客動員ができる体力を今のうちからつけておくこと、そしてそれらを維持できるようなコンテンツ(これはアーセナルみたいな良質なフットボール)を持つように努力することだと言える。

その意味でスタジアムを造るにはまだまだ時間がかかるとは思う。だからまあ、その間モラトリアム期間において、国際試合や器の大きさを必要とする試合では長居へ出るオプションは否定しない(俊輔要するエスパニョールとの試合だって結局長居でやらされるんだろうなあ・・・)。そしてそれをやりやすくする為に、セレッソが隣で身の丈にあった専用スタジアムを造るということは歓迎しているんですがねw

と書いた後に、サポミでスタジアム建設計画が正式に発表、というサプライズが用意されていないかな、とわずかな望みを託している自分がここにいるんですがねw