福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

相貌失認(2) 私の場合、視力障害も認知機能低下も関与

2023年10月08日 16時10分16秒 | コラム、エッセイ
 私は人の顔を覚えるのが苦手である。よく家人から指摘される。ただし、顔以外の特徴によって人物を区別することはできる。

 相貌失認とは、人の名前や特徴を聞いても、顔つきを思いだせない、イメージできない状態、写真をみても、直接本人に会ってもそれが誰であるか区別できない状態を指す。脳障害による失顔症の一つとされ、1947年ドイツの神経学者によって疾患としての概念が確立した。

 相貌失認は高度の認知症でも生じる。
 認知症が進行すれば自分の家族も認識できない状態に陥ることは高齢者医療に携わっていると頻繁にみられる現象である。

 私の場合は幼少時からだから認知症に伴ったものではなく、また、その程度は軽い。しかし、私の記憶にある多くの方々の顔はのっぺらぼうで特徴的な目鼻がついていない。写真をみてやっと思い出す事が多い。

 ところが、不思議なことにこんな私でも画集や書籍に描かれた顔は明瞭に記憶している。実生活の人物の風貌の記憶と書籍の画像の記憶が異なっているのかも知れない。

 私は、かつて名刺をいただく機会が多かったが、名前だけの名刺はほとんど役だっていなかった。

 私は視力が極度に低下している。日常的にはメガネを用いずにぼやけた視野の世界を楽しんでいる。

 仕事上でも生活上でも私は視力障害をそう苦にしていない・・・が、階段や冬道などでは、特に夜道は、よく見えず危険を感じる。バスの行先表示が見えずに乗れなかったり、行き先を間違えて乗ったこともあった。

 私は記憶力も極端に落ちている。日常的にはそれが前面に出ないように話題を選び展開させる。自分としては綱渡り的生活である。私のスマフォやパソコンはメモだらけ。記憶でなく記録してカバーしている。

 かつて某メガネ店で女性スタッフの相貌の認識力と記憶力に驚き、感心したことがあった。
 
 入店してカウンターに座った途端に「福田さま、いらっしゃいませ・・」と声が掛かった。このメガネ店では3年前に眼鏡を新調したがその後一度も訪れていない。私はネームカードなど着けていないのに・・・。
 レンズが破れた事情を話したら、更に「このメガネは運転免許更新のためでしたね・・」とも言われた。

 私はこの店で購入した事は覚えていたが、その間のやりとりなどは全く忘れていた。その時担当してくれたスタッフであろうが、その顔も記憶になく、このやり取りは記憶減退と相貌失認を自認している私にとってショックであった。

 私は、そのときは見積もりだけのつもり立ち寄ったのだが、即座に修理を申し出た。スタッフの相貌の記憶力にほとほと感心したからである。
 
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