福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

財政再建2015(3) 社会保障の抑制を主眼に置いた骨太方針 実現は??

2015年07月18日 03時18分33秒 | 政治・経済 国際関係
 医療費の伸びを抑制するのは実際には極めて困難だと思う。
 日本人は国民皆保険を通じて医療費の負担は軽減され、高齢者は医療費無料化さえあった。「命は地球より重い」という言葉もある。かなり自己負担分が多くなってきているが、それでも国民は医療費は安くて当たり前と思っている。日本人は恵まれすぎている。医療は経費がかかるものである。

 財政健全化のために、国民は相当の痛みに耐えなければならなくなるだろう。

 具体的には以下が考えられている。

 (1)医療は経費の抑制のためにも「病院完結型」から「地域完結型」へ転換する。要するに在宅医療重視である。頻回受診・重複投与・重複検査といった過剰な医療には指導が入る。後発医薬品の使用は大幅に促進される。都道府県別の年齢構成調整後の1人当たり医療費でみて、不合理と思われる地域差があれば是正することが求められる。

 (2)介護では、給付をより重度者ヘシフトさせ、軽度者の介護ではボランティアらを活用し、給付を抑制する。支払い能力のある高齢者には応分の負担を求め、若年者の負担を相対的に軽減する。

 (1)と(2)の医療介護面での社会保障の抑制は、負担増と給付の抑制が具体的に行われる。なかなか厳しい。この方向性に国民が合意し、社会保障制度を持続可能なものにし、財政収支の改善にも貢献できるとしているが、国民の納得が得られなくとも政治的に実践しなければ、3年間で自然増分を1.5兆円に抑えることは困難だと思える。

 「骨太方針2015」の経済再生におけるもう一つの重点項目は「新たなステージに入った、と首相自ら述べた成長戦略」の成否である。成長戦略が成功しての経済再生、と位置ずける。
 首相は産業競争力会議で、人口減少が進む日本で、少ない人手でも効率的に収益を出せるように、「生産性」を向上させる必要があると述べた。

 その上で、⚫︎ITやピッグデータ、人工知能などの先進技術を活かすための協議会を年内に創設する、⚫︎小型無人機の実証実験推進、⚫︎ベンチヤー企業などの人材20~30人を米シリコンバレーに派遣して育成を図る、⚫︎企業の設備投資を増やすため、産業界との官民対話の会を創設する。

 上記の成長戦略は、雄物川に船を浮かべ上流に漕ぎ出すようなものではないか?と思われる。
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