我が家のハードディスクにNHKBSで2014年の国立劇場バレー団公演「白鳥の湖」が録画されていた。私は喜んだ。
私はバレーのうちでもこの作品が最も好きで、レコード、CDを始め、レーザーディスク、TV由来のS-VHS録画ソフトなど7-8種類ほどのソフトを所持し、適宜楽しんできた。このうち、レーザーディスク、S-VHS録画はハードが壊れ、修理不能で見ることができなくなって数年経つ。
この「白鳥の湖」は、終始名旋律揃いで、映像がなくても十分に楽しめていた。
しかし、今回の国立劇場バレー団公演映像を見て、バレーには映像を欠いては片手落ちであることを再確認した。そう思わせるだけの見事な出来であった。
「白鳥の湖」の主役、白鳥のオデット、黒鳥のオディールの2役を踊ったのは同バレエ団プリンシパルの米沢唯さん。私はこの録画を見るまでは知らなかったが、舞踏演技力、気品、妖艶、悲嘆の表情など、すべてをバランス良く表現した舞台姿に、私は圧倒された。
この美しくかつ悲しいヒロインを演ずるには、踊りが上手いと言うだけでは不足で、気品とが備わっていなければダメ。米沢唯さんは高校の時ローザンヌ国際国際バレーコンクールの決勝に進出した実力者。2010年に契約ソリストとして新国立劇場バレエ団に入団した。2013年よりプリンシパルに昇格した逸材という。主役は全幕に登場する。時間的に見ても1時間半は踊っていることになるだろう。その間の踊の難度も相当なものである。
白鳥は美しさと同時に強い生命力を持つ鳥でもある。
美しさについてはダンサーの首から体全体の曲線なども必要だし、水面を漂っている時の静かな美しさも表現しなければならない。そして優雅な姿とは裏腹の強い生命力がある鳥である。静けさ、そして美しさを表現する白鳥の湖はオペラでもミュージカルでも表せない独特の世界である。このバレーを見るといつもボディランゲージの重要さを思う。
他のダンサー達もすべて初耳の方々ばかりであったが、総合的に見て見事なアンサンブルだった。もっとも、私には技術的なことを評価する力はないのだが、感じることは可能である。
演奏は指揮A・バクランの東京フィルが務めた。特に、VnとVcのソロ二重奏を聞くことのできる白鳥のオデット、黒鳥のオディールとジークリードが二人で踊る部分の演奏は圧巻であった。
加えて見事なのは映像記録の技術である。
「白鳥の湖」のスコアを熟知し、演出を熟知し、ヒロインたちの動き、どのアングルでの表情が最も効果的なのか、等などを知り尽くし、リアルタイムに記録したスタッフ達の力量も素晴らしい。
オペラ、管弦楽の演奏会、バレー等の映像記録自体も総合芸術の地位を与えてもいいと思う。
この週末に2回も見た。今後も繰り返して観ることになるだろう。
私はバレーのうちでもこの作品が最も好きで、レコード、CDを始め、レーザーディスク、TV由来のS-VHS録画ソフトなど7-8種類ほどのソフトを所持し、適宜楽しんできた。このうち、レーザーディスク、S-VHS録画はハードが壊れ、修理不能で見ることができなくなって数年経つ。
この「白鳥の湖」は、終始名旋律揃いで、映像がなくても十分に楽しめていた。
しかし、今回の国立劇場バレー団公演映像を見て、バレーには映像を欠いては片手落ちであることを再確認した。そう思わせるだけの見事な出来であった。
「白鳥の湖」の主役、白鳥のオデット、黒鳥のオディールの2役を踊ったのは同バレエ団プリンシパルの米沢唯さん。私はこの録画を見るまでは知らなかったが、舞踏演技力、気品、妖艶、悲嘆の表情など、すべてをバランス良く表現した舞台姿に、私は圧倒された。
この美しくかつ悲しいヒロインを演ずるには、踊りが上手いと言うだけでは不足で、気品とが備わっていなければダメ。米沢唯さんは高校の時ローザンヌ国際国際バレーコンクールの決勝に進出した実力者。2010年に契約ソリストとして新国立劇場バレエ団に入団した。2013年よりプリンシパルに昇格した逸材という。主役は全幕に登場する。時間的に見ても1時間半は踊っていることになるだろう。その間の踊の難度も相当なものである。
白鳥は美しさと同時に強い生命力を持つ鳥でもある。
美しさについてはダンサーの首から体全体の曲線なども必要だし、水面を漂っている時の静かな美しさも表現しなければならない。そして優雅な姿とは裏腹の強い生命力がある鳥である。静けさ、そして美しさを表現する白鳥の湖はオペラでもミュージカルでも表せない独特の世界である。このバレーを見るといつもボディランゲージの重要さを思う。
他のダンサー達もすべて初耳の方々ばかりであったが、総合的に見て見事なアンサンブルだった。もっとも、私には技術的なことを評価する力はないのだが、感じることは可能である。
演奏は指揮A・バクランの東京フィルが務めた。特に、VnとVcのソロ二重奏を聞くことのできる白鳥のオデット、黒鳥のオディールとジークリードが二人で踊る部分の演奏は圧巻であった。
加えて見事なのは映像記録の技術である。
「白鳥の湖」のスコアを熟知し、演出を熟知し、ヒロインたちの動き、どのアングルでの表情が最も効果的なのか、等などを知り尽くし、リアルタイムに記録したスタッフ達の力量も素晴らしい。
オペラ、管弦楽の演奏会、バレー等の映像記録自体も総合芸術の地位を与えてもいいと思う。
この週末に2回も見た。今後も繰り返して観ることになるだろう。