福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

書評: 総理の器量 - 政治記者が見たリーダー秘話 (中公新書ラクレ) 777円 2012年7月

2012年09月21日 04時59分01秒 | 書評
 著者の橋本氏は秋田県出身で高校で家内の同級生でもある。著作を送って戴いたこともあり、言葉を交わしたこともある。そんなことで親しみを感じている方である。
 9月21日は大曲中通病院外来担当で8時01分のこまちに乗るのであるが降雨のためかタクシーがおらず遅れてしまった。時間が出来たので久々デパートに入り書店で数冊の本を購入したが、この本は移動中と外来の合間に一気に読んでしまった。

 橋本氏は読売新聞の政治記者として歴代の総理大臣を間近で見てきた方で、秋田で講演を私は4回聴講している。講演の中で番記者や論説委員の立場でしか知り得ない総理大臣達の公私にわたるエピソードが紹介され興味深く聴いたが、これはその内容に沿った著作である。

 著者は自分が直接接した三木から小泉総理まで、以下のごとくの一言をつけてそれぞれの性格,政治手法,長所と短所を分析している。 私が抱いているイメージ通りのも、全く考えもしなかったのもある。

■中曽根:「王道の政治」■福田赳夫:「清貧の政治」■大平:「韜晦(とうかい)の政治」■三木:「説得の政治」■竹下:「無限包容の政治」■宮沢:「知性の政治」 ■橋本:「正眼の政治」■小渕:「謙譲の政治」■小泉:「無借金の政治」

 総理大臣という重責を担った各人の器量と品格と魅力について述べながら、総理に必要な資質とは何なのかを教えてくれる。自民党時代の総理は重要なポストを何度も経験する中で鍛えあげられ、政治理念、哲学を持った人で、政権交代以後に登場した経験不足の総理たちとは一線を画する存在であった。

 折しも、野田首相が本日の民主党代表選で再選された。党の中枢にもいなかった人物で、菅内閣で財務相で前面に出てくるようになったが、昨年の代表選挙までは地味な存在であった。地位は人を作るとも言われるが、私はよくやっていると思う。橋本氏ならどう評価するのか聞いてみたいものである。

参考:最近読んだ同類の書籍
   ■「総理の辞め方」 本田雅俊著 2008年7月 PHP新書  

   ■「宰相の資格」 櫻井よしこ著 2011年2月 産経新聞出版 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする