福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

秋田の良いとこ、足らぬとこ2012(5) 宿泊客著減したがホントに風評被害なの?

2012年09月16日 04時27分24秒 | 秋田の話題
 観光庁の宿泊旅行統計によると、県内の延べ宿泊者は本年4-6月の3ヶ月間は85万6790人で、東日本大震災前年の2010年同期より24.6%少なかった。
 
 減少率は東北で最も大きく、全国比較では奈良県に次ぎ2番目の減少率であった。奈良県は2年前は特別な行事があって特に観光客が増え、その影響で今年の減少率が大きかったと評価されている。秋田県ではそのような事情はなかったことを考えると、実質的な減少率は全国一と言って良さそうである。宿泊者のうち外国人を見ると、本県の宿泊者は5750人で69.4%の減少、福島県の減少率78.7%に次いで減少率は2番目に大きい。

 東北各県の状況をみると、東日本大震災で大きな被害を被った各県は震災復與に携わる業者らの宿泊需要があり、岩手県は10年よりも10.6%増、宮城県2.2%増、福島県は6.1%増であった。上記3県は現在復興中という特別な状況にあり、比較の対象にならない。
 大震災の被害に関して似たような状況にある残り3県は、山形県は13.8%減、青森県は7.1%減だった。だから、秋田県の24.6%減は突出していることになる。人の動向でも秋田は完全に取り残されている(数字は魁新聞を参照した)。

 大震災後、宿泊業は大きな打撃を受けているが、この減少を関係者は原発の風評被害だと評価しているようであるが、本当にそうだろうか?私はそうは思わない。国内事情をよく分かっていない外国からの観光客が風評で大きく減少したことは認めざるを得ないが、宿泊者の内で外国人が占める割合は1%にも満たないから影響は少ない。

 秋田の宿泊業が、東北で最も打撃を愛けたのは何故なのだろうか。真剣に考えないとならない。私は県の観光施策の問題が大きいと思う。東日本大震災の後、県は何らかの観光客誘致運動をしたのだろうか?
 県は本年度「観光文化スポーツ部」を新設し民間から部長も就任した。しかし、まだ活動は見えない。また、サービス業としての地元の業界の努力はどうなっているのだろうか。関係者は、JR東日本のプレディスティネーションキャンペーンという何だか分からない横文字の企画に期待を寄せるが、人任せにし過ぎないか?    

 観光業は総合的産業の代表である。地域の文化やコミュニティ、交通機関、宣伝など、どこが欠けても成り立たない。
 現在の落ち込みを風評だ!!! 等と何かのせいにしているようでは改善は望めない、と思う。

コメント (1)
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