福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

なんか変だが,まあいいか(12)嘱託の私に業務が重すぎる

2012年09月11日 07時20分50秒 | コラム、エッセイ
 他の方々の気持ちは分かるわけもないが、自分自身を評価して見れば年齢と共に医療への考え方、疾患への考え方、患者への対応について徐々に変化している。年齢と共にパワーが落ちて来た。他の方も同様でないだろうか、と推定するが確かめたこともない。

 高齢の医師が引退する事は若手にとても組織にとっても良いことである。少なくとも私はそう思っている。
 私は能力的に降り坂にある。新しい医療の技術、知識も欠けている。外来診療は5時間程度であるが、途中で疲れ果て1-2回5分程度の微睡み時間をとる。現役の医師達は休憩も取らない。元気である。廊下では若手スタッフにどんどん追い越されて行く。

 医師の仕事は質的にも量的にも多岐にわたる。地域の中核病院、あるいはその一角を担う大規模の総合病院の場合には緊張度の高い急性期の医療が行われるから、そこの医師には体力、気力のほか最新の知識、技術が求められる。

 私が勤務していた法人のは雇用契約満了は医師は65歳である。「この年齢に達したあなたは、もう必要ありません」の宣告である。この制度はとても有り難い。自分はこの雇用契約満了にて退職するのをひたすら楽しみにしてきた。人生の中途でまだまだいろんな可能性が残っているうちに診療契約が満了することの意義は大きい。

 そんなことを言いながら、私はまだ嘱託医として働いている。私と法人との間に低いレベルで利害が一致して成り立った契約である。「もう必要ない」と宣告されているから今後のことは分からない。しかし、業務量はその割りに多い。私はもう自分の立場と対価の範囲で仕事をすればいい。

 病院の方針で外来患者を減らす必要があるから、高齢の患者には地域の医療機関への転院を勧め、より若い患者、きめ細やかな治療や経過観察を要する患者に対しては若手医師の外来への通院を勧めている。にもかかわらず、なかなか業務量が減らずバテ気味である。ホンネではこれはちょっと変だ、と思う。まあいいかと言う気持ちで中和している。

 これは私独自の感覚である。各人毎に考え方、とらえ方に違いがあって当然である。自分でクリニックをやられている同年代あるいは上の方々の仕事に対する意欲は、まだまだ十分のように見えて、驚く。
コメント (1)
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