わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ろくろのコツ(大きい作品を作る)

2008-07-08 23:24:11 | 電動ロクロの技法
 大きい作品とは、直径が大きい、高さが高い、又はその両方の作品です。

当然粘土の量も多くなり、力の弱い(馬力の無い)電動ろくろでは、思うように、

作れない場合が有ります。ある程度力のある、電動ろくろを用意して下さい。

 1) 大皿の様に、直径の大きい作品の場合

   ・ 径が大きい作品は、底の部分が大きくなりがちです。

    それ故、ろくろ面(鏡と言う)が小さいと、径の大きな作品を作れません

   ・ ろくろの上に、大きい亀板(円板が望ましい)を載せ、その上で作陶し

    ます。更にこの亀板ごと作品を取上げれば、作品が歪む事なく、次の作業

    ができます。(底削りの際、この亀板を使うか、それでも、亀板が小さい

     場合は、「内シッタ」を使います。)

   ・ 大皿などは一般に、一塊(ひとかたまり)の土から、作品を作り、途中

    で粘土 を足して大きくする事は、有りません。

   それ故、作品に合わせて、十分な土を用意して下さい。

2)  背の高い作品の場合

  一塊の粘土から、背の高い作品を作るのには、限度が有ります。

  それ故、作品の下の部分を作り、乾燥させ強度を持たせてから、上部を作り

  繋ぎ合わせる方法を取ります。

   それには幾つか方法がありますので、述べたいと思います。


  まず下部を作ります。

  イ) 下部を設計通りに作る方法 (一般的には、この方法です。)

    ・ 利点は、下部を十分乾燥させ、強度を持たせてから、上に載せる為

      全体が安定になり、且つ下部の肉厚を、薄く作る事が出来る。

      又 これを繰り返せば、かなり大きな作品を作る事も可能です。

    ・ 欠点は、下部の形状が固定される為、作品の全体像がつかみ辛い。

      乾燥している為、後から形を変える事が難しい。

    a)  下部の作品は、乾燥させますが、継ぎ目の口縁部は、乾かない様に

      塗れた布で覆う様にする。(継ぎ目の径を測って置く)

    b)  作品の上部を別に作ります。

     ① 下部の作品の上に、紐を直接数段か巻き上げた後、ろくろを回転さ

       せ「ろくろ挽き」し作品に仕上げる方法。

     ② 上部の作品は、継ぎ目の寸法のみを合わせて作り、やや軟らかい

       内に繋ぎ、その後上部を「ろくろ挽き」し成形する方法。

       ・ 上部の作品を逆さに作る方法(継ぎ目の径が合わせ易い)

       ・ 正常な形で作る方法 

        (上部継ぎ目の肉厚が厚くなり、繋ぎ易い)

     ③ 上部の作品を、設計通り形作り、乾燥した後、繋ぎ目に刻みを付け

       更に「ドベ」を塗って、接着する方法。 接着部の凸凹は、

       「カンナ」で仕上げる。 (全体の形が把握し易い)

     尚 下部に直接紐を巻きつける以外の方法では、上部の作品を作る為に

       下部作品を、一時ろくろから降ろす必要があります。

       (亀板を使うと便利です。)
 
 ロ) 下部は単に筒状に作る方法 

    ・ 利点は、筒同士を単に繋いで、背を高くした、だけですので、粘土

     も比較的軟らかく、作品全体の形を見ながら、作陶出来ます。

    ・ 欠点は、あまり大きい作品は難しい。

     (下部の粘土があまり乾燥していないため)

    a) 上部、下部共同じ太さの筒を作ります。

      (当然 下部には、底が付き、上部には、有りません)

      筒の太さは、腕が入る程度にします。

    b) 下部に、上部の筒を載せ、「ろくろ挽き」し、作品を仕上げる。

 ハ) 繋ぐ際の注意点

    ・ 上下の継ぎ目の寸法に差が無い事。

    ・ 継ぎ目の乾燥度に大きな差が無い事。

     (乾燥のした者同士は、接着面に刻みを付け、「ドベ」を塗る。

      乾燥していない物は、「ドベ」又は水を塗る。)

    ・ 継ぎ目近辺の土を、上から下へ、下から上へと、数回上げ下げし

      凸凹の無い様に仕上げる。(両手に濡れた布を持つと良い。)
  
コメント
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