わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「割れ」、「ひび」対策(補修2)

2009-07-26 22:24:46 | 失敗と対策
前回に引き続き、「割れ」「ひび」の補修について、述べます。

 (何度も繰り返しますが、手間や、時間、出来上がりの良さを、考えると、作り直した方が、

  よほど、速く、綺麗に、上手く行きます。)

2) 製作後、乾燥時の「割れ」「ひび」の補修。

   乾燥と伴に、土は縮み始め、「割れ」や「ひび」がある場合には、どんどん傷が大きく成ります。

   この場合も、乾燥度合いによって、対処方法も変わります。

  ① 乾きが甘い場合、まだ土の色が、製作時と、余り変わらない時には、前記1)の方法で、

    対処できます。

  ② 乾燥が進み、土の色が変わって来たら、補修はかなり困難です。

    (最初に述べた様に、廃棄処分するのが、妥当ですが・・・)

    困難な理由は、補修部材と、本体との乾燥(縮み)具合の差によります。

    この差を、いかに少なくするかが、「対策の鍵」になります。

    対策として、以下の方法が有ります。

   ) そのまま素焼し、素焼後に、対処する。

      後日、素焼後の補修の項で、述べます。

   ) 外科的に、切開、切除して補修する。

    a) 削り取る。切り取る。

      一番良い方法は、「割れ」「ひび」などの、傷の部分を、完全に取り除く事です。

     (傷は、どんどん成長し、本焼きで最大に成ります。)

     この作業を行うと、当然作品の形が、変わります。

     形に余り影響の無い場所なら、積極的に、取り去ります。

    ・ 注意する点は、乾燥した土は、「もろい」事です。

      切ったり、削る際には、余分な所まで、壊さない事です。

      又、切り取った断面は、「ぎざぎざ」になっています。綺麗に仕上げて下さい。

    b) 切り取り、新たな部分をつける。

      底割れの場合や、「どべ」で貼り付けた部分(取っ手、パーツ)の「割れ」は、

      底又は、貼り付けた部分全体を、切り取ります。

     ・ 切り取る方法は、「金ノコ」等で、慎重に作業します。

       (乾燥していると、カッターなどは、役に立ちません)

     ・ 新たに、補修すべき形の、作品を作ります。乾燥させますので、若干大きく作ります。

     ・ 本体と同じ程度に、乾燥させます。(この事が、大切です。)

     ・ これを「どべ」で、接着します。「どべ」は、やや固めの物を、タップリ使います。

     ・ 繋ぎ面を、紙やすり等で、綺麗に仕上げます。

   ) 陶芸用(本焼き)接着剤を使って補修する。

      市販の本焼き(素焼)の陶磁器用、接着剤(ペーストなど)で、補修します。

      使い方は、説明書を読んで下さい。

      この場合、完全に2個以上に、分離して割れた方が、作業し易いです。

      「ひび」は、その隙間に、接着剤を入れる事に苦労します。

      但し、良い(完全な)接着剤は、有りません。

      この件に関しては、素焼後の補修に付いての項で述べます。


以下次回に続きます。

陶芸作品の失敗と対策



 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 作品の「割れ」、「ひび」対... | トップ | 作品の「割れ」、「ひび」対... »

コメントを投稿

失敗と対策」カテゴリの最新記事