まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

少年よ王座に就け

2020-01-07 | 北米映画 15~21
 ゴールデングローブ賞は、ちょっと意外な結果に。

 作品賞 1917 命をかけた伝令(ドラマ)
     ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(ミュージカル/コメディ)
 監督賞 サム・メンデス
 主演男優賞 ホアキン・フェニックス(ドラマ)
       タロン・エガートン(ミュージカル/コメディ)
 主演女優賞 レニー・ゼルウィガー(ドラマ)
       オークワフィナ(ミュージカル/コメディ)
 助演男優賞 ブラッド・ピット
 助演女優賞 ローラ・ダーン
 外国語映画賞 パラサイト 半地下の家族

 作品賞と監督賞は、伏兵快挙!って感じ。驚喜だったのが、タロン・エガートン!アダム・ドライバーにも獲ってほしかったけど、ホアキンもスゴかったので納得。レニゼルは苦手な女優だし、そっくりさんモノマネ演技も好きじゃないので、スカ子のほうに軍配が上がってほしかったです。ブラピはこれでますますオスカー受賞の確率が高まった?ついにブラピもオスカー俳優か〜。パラサイトの外国語映画賞はもう鉄板。韓国映画初のオスカーとなりそう。来週発表のオスカーノミネーションが楽しみですね!

 ↑タロちゃん、おめでと!オスカー候補になりますようI wish!
  
 「キング」
 15世紀のイギリス。父王への反発から王宮を出て放蕩生活を送っていたハル王子は、父の死後ヘンリー5世として王位を継ぐ。国内の反乱やフランスとの戦争など、深刻な内憂外患にヘンリー5世は立ち向かうが…
 大好物なジャンル、イギリス王室ドラマ。ロイヤルな人々の家族関係や権力争いが、殺伐と血生臭いのがいいんですよね~。王族も貴族もワイルドな野蛮人で、ちっとも高貴じゃないし優雅じゃなくて、皇室をめぐる政争記である平家物語とかみたいに、盛者必衰や諸行無常といった耽美さが全然ないところなど、日本とのお国柄の違いがわかって興味深いです。とにかく激しくて血塗られたトンデモ話やホラー話でいっぱい、ネタの宝庫である英国王室ですが、この映画の主人公であるヘンリー5世も有名。そのドラマティックな生涯と活躍を描いたシェイクスピアの戯曲は、多くの名優たちによって舞台だけでなく映画化ドラマ化もされてます。

 奔放な青春、父王や廷臣たちとの確執、内乱やフランスとの戦いetc.2時間弱の映画よりも大河ドラマ向けな波乱万丈さですが、この映画…何か盛り上がりに欠けるというか、すごく平坦で淡々としてて暗くて、あくび数回、リタイア寸前。劇的なエピソードや人間ドラマでいっぱいなのに、退屈になってしまったのが不思議で残念。同じくハル王子/ヘンリー5世を主人公にした「ホロウ・クラウン 嘆きの王冠」はすごく面白かったのに。脚本と演出の問題もあるのでしょうけど、いちばんの敗因はハル王子/ヘンリー5世に魅力が欠けてたこと。ホロウ・クラウンのハル王子/ヘンリー5世はチャーミングな好男子だったのに。これは演じてたトム・ヒドルストンの魅力と力量の成せるわざだったのでしょう。とはいえ、この作品のティモシー・シャラメが俳優としてトムヒより劣ってるとか、魅力と演技力がないとか、そういうことではありません。ただ単に、彼には相応しくないミスキャストだったということです。

 ティモたん、ぜんぜんイギリスの王さまに見えん民衆や兵士を鼓舞し鬼神のごとく勇猛果敢に戦う英雄役を、見た目もキャラも草食文系男子の代表格みたいなティモたんにオファーするなんて、無茶ぶりにもほどがあります。引き受けるティモたんもどうかしてる。誰もが畏怖しひれ伏してしまうカリスマや威厳なんて、ティモたんじゃなくても若手イケメン俳優には荷が重すぎます。ヘンリー5世になってからのティモたん、違和感ありまくり。台詞まわしの力強さとか男らしい挙措など頑張ってたのですが、いかんせんルックスが。顔も体つきも雰囲気も、良い意味でも悪い意味でもモダンすぎるんですよね~。「君の名前で僕を呼んで」の主人公エリオ役は、まさに彼のために用意されたような一世一代のハマリ役でした。自堕落でアンニュイなハル王子の時は、ちょっとエリオを彷彿とさせましたが。時代劇でも、芸術や遊興を優雅にけだるく楽しむ貴族の青年役ならほんとピッタリなんだけど。この映画でも、パリまたはニューヨークのオシャレ男子に見えて仕方なかったです。

 ティモたん、独特の風貌と魅力なので、それを活かせる役を演じてほしいです。何でもこなします!的なオールマイティ俳優を目指す必要はないと思う。ブリティッシュイングリッシュだけでなく、流暢なフランス語も駆使するなど、さすがインターナショナルで高学歴なティモたん。同世代の若手俳優とは一線を画してます。それにしてもティモたん、すごい美男に見える時とキモいお笑い芸人みたいな顔に見える時のギャップが激しいそこも彼の個性ですね。若い頃のレオナルド・ディカプリオとカブりますが、レオとはまた全然違う年齢の重ね方をすることでしょうね。
 ハル王子の親友でヘンリー5世の腹心となるフォルスタッフ役は、最近は監督としても活躍してるジョエル・エドガートン。フォルスタッフってブサイクな巨漢ってイメージだし、あんな思慮深いキャラだったっけ?ジョエルのフォルスタッフはカッコよすぎ。意外な好演だったのが、フランスの皇太子役のロバート・パティンソン。苦手な俳優ですが、性悪で残忍で愚劣な役はすごい似合う!今後は癖の強い悪役で活路を見出しそう。ヘンリー5世と結婚するフランスの王女役で、実生活でもティモたんの恋人であるリリー・ローズ・デップが登場。両親であるジョニー・デップとヴァネッサ・パラディのどっちにもよく似てる!けど、両親のほうがキレイカワイイ
 イギリスの時代劇は、衣装や王宮など建造物や室内装飾も、華美さはなく地味で重苦しいけど、シンプルでスタイリッシュなカッコよさがあって好きです。

 ↑「レディバード」の監督&主演女優と再結集の「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」が、近日日本公開のティモたんです。ティモたんとそんなに年が変わらないはずのシアーシャ・ローナンが、すでに貫禄ある熟女に見えるレオ&おケイみたいに大出世してね!

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