お松の独りコリン・ファレル映画祭③
「セブン・サイコパス」
新作映画「セブン・サイコパス」の脚本執筆が進まない脚本家マーティのために、彼の親友ビリーは新聞広告でサイコパスを募集し、ネタづくりに協力しようとする。そんな中、仲間の老人ハンスと組んで、誘拐した犬を飼い主に届けて謝礼をもらう詐欺をしていたビリーは、マフィアの首領コステロの愛犬を誘拐してしまい…
コリン・ファレルが、ゴールデングローブ賞のコメディ部門で男優賞を受賞した「ヒットマンズ・レクイエム」のマーティン・マクドナー監督と再度組んだ犯罪コメディ。ヒットマン同様、この映画も登場人物のキャラ立ちや意外な展開、ユーモラスな台詞など、なかなか脚本が秀逸でした。血なまぐさい過激なヴァイオレンスと、どこかオフビートな笑いがブレンドされた味わいや、伏線や小道具が上手く使われている点など、ちょっとクエンティン・タランティーノ監督っぽい?タラちゃんの映画に比べると、ケレン味が薄くペーソスが深いかな。
マーティが脚本の中で創り出そうとする7人のサイコパスが、彼の身近に実在する人物たちになっていく展開が面白かったです。マフィアを抹殺し、死体にトランプのカードを投げ捨てていく殺し屋と、娘を殺した犯人を尾行し続ける老人の正体には、え!と驚かされました。その二人を含めたサイコパスたちが、みんなヤバすぎて笑えます。中でも不気味かつ笑えたのは、新聞広告を見てマーティを訪ねてきた、可愛いウサギを抱いた老人。淡々と明かすトンでもない正体と、ネタにされに来た悲しいロマンティックな理由のギャップが、これまた可笑しいんですよ。サイコな人たちが、微笑ましく悲しく思えてしまうところが、この映画の独特さでしょうか。
個性強烈なサイコの中でも、いちばんチャーミングだったのは、やっぱビリーかな。マーティより主役っぽかったし。
あっけらかんとノーテンキにすっトボケた言動が可愛いビリー、実際にあんな友だちがいたら迷惑だし怖いけど、一緒にいたら退屈しないだろうな~。ビリーのマーティへの友情は、ほとんど愛情。思考や方向がかなり誤ってるけど、友だち思いなところも可愛かった。マーティにベタベタ、マーティの彼女を目の仇にして邪魔者扱いしたり悪口言ったりするビリー、女好きの遊び人なのにほのかにBLのかほりがマーティも困惑するけど、怒ったりせずビリーを大事にしてるし。彼女とビリー、どっちか選べって言われたら、マーティは後者をとるのではないでしょうか。まあ、仲の良過ぎる男同士って、セックスしない恋人みたいなところ、ありますよね~。そういう男の友情の機微も、愉快に細かく描かれてました。
コリン・ファレルは、もちろん主人公マーティ役です。
劇中、唯一まともなのがコリン。ポジション的には、岡田あーみん先生の「お父さんは心配性」の典子、「ルナティック雑技団」の夢実、みたいな(あーみんファン以外にはワケワカメですね)。エキセントリックなサイコ祭りの中で、オロオロアタフタするコリンが可愛い!太い眉を八の字にした困り顔がso cute!まともなんだけど、ちょっとズレたところもあって、猟奇ものを書かなきゃいけないのに、暴力はイヤ!愛と平和な猟奇ものを書きたい!と、大真面目にトンチンカンなこと言ってるところがヘンで笑えました。ガラ悪げな見た目と違って、恋人や親友に強く言えない繊細さ優しさが、コリンらしくて胸キュンでした。見た目は濃ゆいけど、そういう役が似合うコリンなので、強烈すぎる脇に気圧されてしまってたのが惜しい。これじゃコリンはかすんじゃうよ~な、ハリウッド屈指のヤバいメンツが集められてます。
最も美味しい役で場をさらってたのは、言うまでもなくビリー役のサム・ロックウェルです。
事態をどんどん悪化させる危ないサイコ男を、はっちゃけて演じてたサム・ロックウェル。憎めない愛嬌たっぷりで、すごく可愛かった。彼とコリンのイチャイチャベタベタシーンが、腐的に萌え~でした。それにしてもコリンって、女優とのラブシーンはぎこちなくイヤイヤやってる感じなのに、男優との仲良しシーンでは楽しそうでリラックスしてますよね~
ハンス役のクリストファー・ウォーケンは、もうそこにいるだけで、何もしなくても怖い。そのドヨヨ~ンオーラは、不幸で不運な役しか似合わない。彼の老いたる男の哀愁が泣かせます。
コステロ役は、これまたヤバい男やらせたら天下一品のウディ・ハレルソン。見た目同様、キャラも凶悪凶暴、犬にだけ異常に優しい犬キチっぷりが怖くて笑えた。
愛らしい動物も好演。騒動の元であるプードル犬の、人間の争いなどどこ吹く風な様子も笑えた。ウサギも可愛かった(焼き殺される男のそばで、ピョコピョコしてるウサちゃん、というシュールなシーンも笑撃的)。
劇中、マーティとビリーが映画館で観ている映画が、日本の某有名監督の作品。マクドナー監督は、彼の大ファンなんだとか。日本よりも、海外のほうが彼のファンって多いみたいですね。
↑オフスクリーンでもイチャイチャしてるコリン&サム。ジャレッド・レトやジェレミー・レナーなど、共演の男優と仲良くなるコリン、いい奴なんだろうな~
「セブン・サイコパス」
新作映画「セブン・サイコパス」の脚本執筆が進まない脚本家マーティのために、彼の親友ビリーは新聞広告でサイコパスを募集し、ネタづくりに協力しようとする。そんな中、仲間の老人ハンスと組んで、誘拐した犬を飼い主に届けて謝礼をもらう詐欺をしていたビリーは、マフィアの首領コステロの愛犬を誘拐してしまい…
コリン・ファレルが、ゴールデングローブ賞のコメディ部門で男優賞を受賞した「ヒットマンズ・レクイエム」のマーティン・マクドナー監督と再度組んだ犯罪コメディ。ヒットマン同様、この映画も登場人物のキャラ立ちや意外な展開、ユーモラスな台詞など、なかなか脚本が秀逸でした。血なまぐさい過激なヴァイオレンスと、どこかオフビートな笑いがブレンドされた味わいや、伏線や小道具が上手く使われている点など、ちょっとクエンティン・タランティーノ監督っぽい?タラちゃんの映画に比べると、ケレン味が薄くペーソスが深いかな。
マーティが脚本の中で創り出そうとする7人のサイコパスが、彼の身近に実在する人物たちになっていく展開が面白かったです。マフィアを抹殺し、死体にトランプのカードを投げ捨てていく殺し屋と、娘を殺した犯人を尾行し続ける老人の正体には、え!と驚かされました。その二人を含めたサイコパスたちが、みんなヤバすぎて笑えます。中でも不気味かつ笑えたのは、新聞広告を見てマーティを訪ねてきた、可愛いウサギを抱いた老人。淡々と明かすトンでもない正体と、ネタにされに来た悲しいロマンティックな理由のギャップが、これまた可笑しいんですよ。サイコな人たちが、微笑ましく悲しく思えてしまうところが、この映画の独特さでしょうか。
個性強烈なサイコの中でも、いちばんチャーミングだったのは、やっぱビリーかな。マーティより主役っぽかったし。
あっけらかんとノーテンキにすっトボケた言動が可愛いビリー、実際にあんな友だちがいたら迷惑だし怖いけど、一緒にいたら退屈しないだろうな~。ビリーのマーティへの友情は、ほとんど愛情。思考や方向がかなり誤ってるけど、友だち思いなところも可愛かった。マーティにベタベタ、マーティの彼女を目の仇にして邪魔者扱いしたり悪口言ったりするビリー、女好きの遊び人なのにほのかにBLのかほりがマーティも困惑するけど、怒ったりせずビリーを大事にしてるし。彼女とビリー、どっちか選べって言われたら、マーティは後者をとるのではないでしょうか。まあ、仲の良過ぎる男同士って、セックスしない恋人みたいなところ、ありますよね~。そういう男の友情の機微も、愉快に細かく描かれてました。
コリン・ファレルは、もちろん主人公マーティ役です。
劇中、唯一まともなのがコリン。ポジション的には、岡田あーみん先生の「お父さんは心配性」の典子、「ルナティック雑技団」の夢実、みたいな(あーみんファン以外にはワケワカメですね)。エキセントリックなサイコ祭りの中で、オロオロアタフタするコリンが可愛い!太い眉を八の字にした困り顔がso cute!まともなんだけど、ちょっとズレたところもあって、猟奇ものを書かなきゃいけないのに、暴力はイヤ!愛と平和な猟奇ものを書きたい!と、大真面目にトンチンカンなこと言ってるところがヘンで笑えました。ガラ悪げな見た目と違って、恋人や親友に強く言えない繊細さ優しさが、コリンらしくて胸キュンでした。見た目は濃ゆいけど、そういう役が似合うコリンなので、強烈すぎる脇に気圧されてしまってたのが惜しい。これじゃコリンはかすんじゃうよ~な、ハリウッド屈指のヤバいメンツが集められてます。
最も美味しい役で場をさらってたのは、言うまでもなくビリー役のサム・ロックウェルです。
事態をどんどん悪化させる危ないサイコ男を、はっちゃけて演じてたサム・ロックウェル。憎めない愛嬌たっぷりで、すごく可愛かった。彼とコリンのイチャイチャベタベタシーンが、腐的に萌え~でした。それにしてもコリンって、女優とのラブシーンはぎこちなくイヤイヤやってる感じなのに、男優との仲良しシーンでは楽しそうでリラックスしてますよね~
ハンス役のクリストファー・ウォーケンは、もうそこにいるだけで、何もしなくても怖い。そのドヨヨ~ンオーラは、不幸で不運な役しか似合わない。彼の老いたる男の哀愁が泣かせます。
コステロ役は、これまたヤバい男やらせたら天下一品のウディ・ハレルソン。見た目同様、キャラも凶悪凶暴、犬にだけ異常に優しい犬キチっぷりが怖くて笑えた。
愛らしい動物も好演。騒動の元であるプードル犬の、人間の争いなどどこ吹く風な様子も笑えた。ウサギも可愛かった(焼き殺される男のそばで、ピョコピョコしてるウサちゃん、というシュールなシーンも笑撃的)。
劇中、マーティとビリーが映画館で観ている映画が、日本の某有名監督の作品。マクドナー監督は、彼の大ファンなんだとか。日本よりも、海外のほうが彼のファンって多いみたいですね。
↑オフスクリーンでもイチャイチャしてるコリン&サム。ジャレッド・レトやジェレミー・レナーなど、共演の男優と仲良くなるコリン、いい奴なんだろうな~