まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ゲイ術家を愛した女!

2014-04-01 | イギリス、アイルランド映画
 今朝、素敵な出来事がありました~
 駅のホームで、毎朝チオ○タかユン○ルを飲むのが習慣な私。今朝も電車を待つ間、グビっと飲もうとしたのですが…あ、あれれ?あ、あかん!蓋が固くて開かん~!独り必死に瓶の蓋と格闘してる挙動不審な私。すると、『開けたげようか?』と男の声が。ぎょっとして横を見ると、学生服姿の高校生が笑顔で立ってるではありませんか。背が高くて肌つるつるの、ちょっとハンカチ王子(古っ!)似のイケメンに突然声をかけられ、あ、あわわわ状態となる私。そんな私におかまいなく、男の子はさっと瓶を奪って、一瞬で蓋を開けてくれたのでした。ほい、と私に瓶を差し出した時の、爽やかな笑顔といったら!春風が吹いた…
 流れで同じ満員の車両に乗り、ひえ~何でこんな展開にとド緊張な私は、テンパってる時の癖で、しょーもない下ネタ連発。白い目を向けてくる周囲と違い、逆に白い目を向けられるほど大うけしゲラゲラ笑ってくれる男子高生。
 私が降りる駅に電車が近づくにつれ、しんみりとなって会話が途切れていく。春の一期一会。もう2度と会うこともないんだなあ。駅に着くと、ほっとしたような、でも寂しいような気分に。んじゃあ、ばいなら!と電車から降りる私に、『また明日!』と手を振る彼なのでした。明日の朝は、彼のぶんの栄養ドリンクも買っておこうかな…
 な~んちゃって!ぜんぶ大うそで~す☆今日はエイプリルフールじゃ~妄想爆裂ですね~。我ながら、キモいわつっても、ぜんぶ嘘じゃなんですわ。瓶の蓋がはずれず困ってたところを、高校生のカップルが助けてくれたのは真実なんです。でも、はずしてくれたのは彼女のほうめっちゃ可愛い優しい女の子でした。彼氏も斉藤祐樹似でイケメンでした。皆さまも、今日は罪のないウソ、つかれたことでしょうか♪

 お松の英国大女優映画祭③
 「キャリントン」
 第一次世界大戦中のイギリス。同性愛者である作家のリットンは、ドーラ・キャリントンという女流画家と出会い、田舎で同棲を始め互いに創作に打ち込む。心では深く結ばれながらも、肉体的な愛を交わすことができない二人は…
 ゲイである男への愛を、生涯かけて貫く女。男と女の肉体的な愛を超越した、精神的な愛。素晴らしく心そそるテーマですね~。リットンとキャリントンの愛は、肉体を必要としないぶん、美しく強い至上の愛の形に思えました。男女の範を超えた愛って、むかしから憧れてるんですよね。そんなんありえん!な生活環境の中で生きてるので、よけい理想化するのです。リットンとキャリントンのように、孤独と苦悩を理解し合い分かち合える人と出会えるという運命は、かぎられた人にしかめぐってこないのでしょうか。

 でも…リットンとキャリントン、分かち合えないものも大きかった。健全な人間、男女でありかぎり、どうしても精神的な愛だけでは満たされない、生きていけないのが現実。キャリントンの、リットンを深く強く愛するゆえの行動が、フツーに生きてる私たちからすると、常軌を逸していて悲痛なんです。リットンを自分につなぎとめるために、リットンが気に入った男と結婚したり。肉欲を鎮めるために、不特定多数の男と寝たり。心と体の愛のバランスがとれないと、ふたつともイビツになっちゃうんだなあ、とリットン&キャリントンを見ていて沈思してしまいました。いびつな関係と生活を、二人は死ぬまで続けるのですが…美しい精神的愛を守るため、汚れた肉体的な愛を利用する姿はイタすぎて生々しすぎて、私が憧れるような愛とは違ってました。キャリントンが選んだ人生の終幕は、壮絶凄絶でドン引き。愛って怖いとさえ思った。
 キャリントンが試練のような愛を貫けたのは、やはり彼女が芸術家だったからでしょうか。感性がフツーの人とは異なってないと、ああいう人生は歩めないでしょうし。情熱的で意志が強い、そして孤独なヒロインを演じたのは、「ハワーズ・エンド」でアカデミー主演女優賞、「いつか晴れた日に」で脚色賞を受賞し、最近作「ウォルト・ディズニーの約束」でも高く評価された、英国映画界随一の才媛と誉れ高いエマ・トンプソン。

 トンプソン女史は、本当に素晴らしい女優だとは思うのですが…キャリントンって容姿も雰囲気も、男たちを惹きつける自由奔放でエロい、ちょっと魔性っぽい女優のほうが適してるので、知的なオールドミスって感じの彼女だと難あり感がなきにしもあらずでした。でも、満たされない愛にもがく女の渇きや悲しみを表現するには、ただのセクシー女優では無理。その点トンプソン女史は、美しくはないけど説得あるリアルな熱演で、名女優の面目躍如。でもトンプソン女史って、どっちかっつーたら知的なコメディエンヌなので、こういう愚かで悲しい情念の女役は、やっぱちょっと似合わないかも。こういうシリアスな痛ましいヒロインよりも、シュワちゃん主演の「ジュニア」で大ボケかましまくってたトンプソン女史のほうが好きです。
 耽美な美青年の同性愛といえば、イギリス映画の伝統、十八番。この映画にも、サミュエル・ウェストとかルーファス・シーウェルとか、当時の英国美青年俳優が登場して、ジョイフルな姿やシーンを披露してます。トンプソン女史、イケメンたちととっかえひっかえラブシーンできて、さぞ楽しかったことでしょう(笑)。トンプソン女史がオバサンなので、美青年たちの若さが際立ってました。
 リットン役は、この作品でカンヌ映画祭男優賞を受賞したジョナサン・プライス。名優、名演技だと感嘆しましたが、もうちょっと見た目が私好みのおじさまだったらな~。「危険な関係」でオスカーを獲得した脚本家クリストファー・ハンプトンの監督デビュー作でもあります。イギリスの田舎の風景が、とても美しく撮られてます。あんな田舎に住んでみたい!
コメント (7)
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