意外と社会派(予定)

赤熊の辛口社会派(予定)ブログです。
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日本の病理 7  何かのせい病

2014年05月02日 | スタンス
美味しんぼの連載で、主人公が原発事故に取材に行ったら鼻血が出てきたと言う描写がして物議を醸しています。
住んでいる人にきちんと取材した結果と作者は言ってますが、現在のところ、放射能と鼻血の科学的・医学的な因果関係はありません。
放射線まみれの宇宙空間で長期生活をしている宇宙飛行士や上空何千メートルを航行しているパイロットに鼻血が止まらない・・・という話は一切聞かないので、おそらく今後も出ないでしょう。

ではなぜ、取材した人は鼻血が出たのかと言えば、原発事故とは関係なくたまたま出ただけでしょう。
鼻血が出た → 放射能のせいだ!!
という、短絡な話です。
ストレスといった関係性を表しにくい要因もありますが、おそらく原発事故がなくたって鼻血は出たのでしょうね。

そんな馬鹿・・・失礼、単細胞に取材してどうするんだ?ってありますが、もともとこの作者は『放射脳』と揶揄されるくらいの人ですのでさもありなんですが、因果関係がない物を因果関係があるかのように思うのは誰にでもあることです。

例えば、病気や怪我をした。
その時ちょうど厄年だったから、病気した、怪我をした・・・と言うのです。
当たり前ですが病気や怪我をするもので一切関係ないのです。
多くは自分の不注意か不摂生、老化による現象でしょう。
ただそれだけの話ですが、そういう風に『何かのせい』にして安心感を買っているってわけですね。

こんなものは厄年だけじゃなく、信仰や迷信、お呪いとか、占いとか、祟りとか、験担ぎとか、そういうオカルト的なもののことが多いのですが、じつのところ多数の意見や常識なんてものもなりえてますね。
いえ、科学でさえそうです。
いちいち何かにつけて科学的な検証なんてせずに『科学的に』を『真実』と判断して安心感を買っているのですから、同種の心理状態なんです。
そもそも科学って、再証明できること・・・なんて定義されてますけど、厳密に言えば、たとえば100回実験が成功したからと言って、101回目が同じ結果になるということは証明されていない(わからない)のです。
どうあがいても、それを証明することができませんから、まぁ、それが真実と『仮定しているだけ』ですね。
信用力の差が天と地ほどあるわけですけど、実のところオカルトと何ら変わりないわけですが、それをみんなで信じているだけだったりするわけですね。

とはいえ、このこと自体は非常に有用なことなのです。
一々、何かにつけて原因追及なんてしていては物事は進まないし、なにより人生疲れますから。
それに大抵の場合は信仰や迷信の場合、冗談とか雑談の種で心底信じていないし、科学なら大きな問題が出にくいからそれで良いのですが、それでも話題にする・なるということは多少なりとも『何かのせい』ということにしておいて精神の安定を図ろうとしている意図が読み取れるわけです。
原因がわからないことほど怖いことはありませんからね。
怖いというより、心理的な不安定な状態を嫌うのでしょうけれど・・・。

個人の中で収まるのでしたらどこまで行っても個人の問題にすぎないのでどうでもいいのですが、それで済まない場合は病気ですね。
護憲派がよくいう軍靴の足音とか、どこの幻聴だよ!!とか言いたいですが、彼らの中ではそういう風に(私たちにはわからない)関連付けをして安心してるんでしょう。
赤熊なんかは脅威に対して現実的に対処することで安心するのですが・・・政治の問題、風評といった大多数の人間が関わってくることでしたら、病気を通り越して害悪ですね。

てか、日本の病理などと表題に書いてるけど、これ自体は世界の、全人間の病気ですね。
人間はこれに付き合っていかなければいけないのか・・・。
何とも面倒臭い話です。

とはいえ、こういう根源的なモノから脱却すべきなのか、というとちょっと疑問視してる。
仮に脱却したとしてもその後に幸せが待っているかと言うと・・・・ちょっと考えづらいのである。
だって9条信じてる人たちって幸せそうじゃない?

はてさて、人類にとってはどちらがいいのでしょうね?


2014.05.05   補記訂正

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