意外と社会派(予定)

赤熊の辛口社会派(予定)ブログです。
天佑自助が赤熊の基本理念です。

安保法制の論点は誰がどのように決めるか?

2015年05月28日 | 社会制度・法律
現在、国会で安保法制が議論されてます。
なんだけど、正直、理解できません。
難しいとかいう以前の、論点が解らないのだ。

まず『テロに巻き込まれる』とか『自衛隊の命が~』は論外として、集団的自衛権の変化における新3条件でどうとかいうのをやってるのですが・・・・・・これに何の意味があるのか全く意味不明。
また、こういう時はどうするのか?とかも、全く理解不能。

戦況というのは即時対応が求められるわけで、状況というのは刻一刻と変化しており、今は問題にならなかった行為でも、次に同じことをしたら戦闘になったりする。
想定集を作ったところでそれほど意味もなく、経済状況や国際関係、国民感情で適用幅がすぐに変わるわけです。
そんなコロコロ変わる想定を訊いても意味ないでしょう。

一番の問題は自衛隊を派遣するといったことを含めて『誰がどのように決断するか?』といったことです。
まぁ、最終的な決断は総理大臣が下すのでしょう。
ただ独裁政権でもないのですから総理大臣だけで決めるわけもなく、防衛大臣や外務大臣、幕僚長などが話し合い、それが日本の国益に適うのなら、そのように判断されることです。

ですから、どのようなプロセスで決まるのか?というのは非常に重要だと思うし、こここそを明確にすべきだと思いますが、新3条件がどうのこうのなんて、どうでもいいですね。
総理大臣が国益を考え、判断なさるでしょう。

それで決断が間違えてたら?
その場合、総理大臣が支持を失い失職したり、場合によっては与党が下野するのです。

国民に被害が出る?
そんな人を総理大臣や与党に選んだ責任を負わないといけないんですよ。
民主主義って苛烈なんです。
踏み倒しなんてできないのですから、その覚悟をしないといけないわけです。

まぁ、総理大臣がこういうことをはっきり言えば、それで片が付く話だと思うけど国民受けはしないでしょうね。
さいわい茶番すぎてテレビでも取り上げないレベルですから、どうでもいいかなって思ってます。

大阪都構想はどこで失敗したか?

2015年05月21日 | 政治
大阪都構想の賛否の投票があり、かなり僅差でありましたが否決されました。
鳴り物入りで大々的にやっておいて否決させる・・・・どこで失敗したのか考察してみたいと思います。

端的に言って大阪都構想は魅力がなかった。
それに尽きると思います。
大きく反対する理由もないですけど、賛成する理由もない。
詳しく見ようとしても、良いのか悪いのかさっぱりわからない。

それでどないしろっちゅうねん!!

多分、詳しくしすぎると矛盾点や実行性に難点などが出てくるため、橋下氏的な「フワッとした民意」が掴めないために魅力のない政策になったのでしょう。
むしろ推進者の橋下氏・維新の会側が自由に論点設定ができる立場にあってなお負けるのですから、魅力が著しくなかったと解したほうが自然ですね。

ではなぜ、このような魅力のない政策になったのか?
それは隣接する堺市を巻き込めなかったからでしょう。

当初(2010年ごろ)は大阪府内のすべての市町村を対象にし、特に2つの政令指定都市である大阪市と堺市をなくす、としてました。
冗談だと思いますが『神戸も入れる』と言っていた記憶があります。(大阪に隣接する兵庫県のいくつかの市へ維新の会は候補者を立ててました。失敗しましたが)
実に広大な構想だったわけです。

そして、
2011年11月に大阪府と市長のダブル選で勝ち大きく前進。
しかし、
2013年09月に堺市長選で大阪都構想に反対の候補者に敗北。
これにて堺市は巻き込めなくなり、ダウンサイジングをして大阪市だけの都市計画へと変節したのです。
それで大阪市だけでは、現状と何も変わらず『良いのか悪いのかさっぱりわからない』政策に成り下がってしまった・・・というわけですね。

まぁ、堺市を巻き込めてたら良かったか?と問われればそれもまた疑問ですけど。
都構想の内容を見る限り、市の権限を減らすはまだしも、市の金を大阪府が使えるようにするってことで、要するに他の地域のために市民に生贄になれって言ってるようなものですからね。
こんなことをハッキリ言ってしまえば支持を得られませんから橋下氏は何の効果もない『二重行政が~』としか言えなかったのでしょう。
ただそれでも、堺市が入っていれば二重行政に関しては全くの嘘ではなくなるので、結果が僅差でしたから勝てた可能性は高かったわけです。

ではなぜ、堺市で敗北したのかと言えば国政に手を出してしまったことでしょう。
堺市の選挙の1年前の2012年09月に維新の会を立ち上げたわけです。
が、立ち上げる前からゴタゴタ、その後の運営もゴタゴタ、その結果、不信感を持たれて勢いが低下・・・そのまま堺市で敗北したわけです。

要するに『2号店を出したら経営が上手くいかず、本店まで潰れました』ていう、よくある話ですね。
しかも、とくに国政に手を出さなければならない理由もなかったわけで・・・・・相当、浮かれてたのでしょう。

『この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば』
きっと、こんな感じだったのでしょう。
民主党も同じでしたから。
特に物珍しくもない失敗例です。

さて、今後の維新の党は・・・・非常に厳しい状態になるでしょうね。
錦の御旗を失い、旗頭は討ち死に、次の旗手もいないのですから。
だからと言って政界再編が起こるかといえば、それもなく、このままダラダラ―と続くだけでしょう。

橋下氏の待望論が早くも出てますけど、氏のあの性格で成功するとはとても思えませんでしたし、再登板してもおそらく難しいでしょう。
結局、時代のあだ花だったってことになりますね。

大阪都構想は魅力がなかった

2015年05月19日 | 政治
大阪都構想が僅差で否決となりました。
本来なら敗因などを書こうと思ったけど、それ以上に極めて可笑しな言説が満ちてますので、取り急ぎ指摘をしておこうと思います。

1.投票率

投票率は約66%でした。
2011年の府知事・市長のW選が6割であったこともあり、これをもって『高い』という人がいるけど、高いというのは90%以上、せめて80%以上でしょう。
3分の1も投票に行ってないことを高いだなんてどうかしてます。
しかも、今回の投票はYESかNOという大変わかりやすい物であったにもかかわらずこの水準なのですから大阪市民は都構想にそれほど興味がなかったとするのが妥当な判断です。
少なくとも市民は高い関心があったなんて口が裂けても言えませんね。


2.シルバーデモクラシー

出口調査の結果、70歳以上の層だけ反対で他の若い層は賛成であったから、否決されたのは年寄りのせいだ!!という軽薄なことを言ってる輩が多い。
人口の年齢構成が極端に傾いているのならともかく、実情はそんなことはない。(他の年代よりちょっと多いくらい)
単純に推進者が70代の人間の説得できなかっただけで、もっと言うなら若い人の票を取り込めなかったせいです。
負けた言い訳を誰かのせいにするなど、みみっちいです。
そんなことを言ってるから負けるのです。


3.若者の投票率

で、代わりに出てくるのがこれ。
曰く「若者が投票に行けば結果は変わっていた」

絶対に変わりません。

なぜこんなことを言うのかと言えば、若者の出口調査での回答が『賛成多数』だったからだと思います。
でも、変わるわけない。
なぜなら、投票に行かなかった人はどっちに入れるか『よくわからなかった』から行かなかったのである。
「俺、大賛成だけど投票にはいかないぜ」なんてありえない。
なら、そいつらがどれだけ投票に行こうと『どちらでもいい』のですから賛成と反対が半分半分に増えるだけに決まってます。

だったら、結果は変わりませんよ。
賛成票だけが伸びることなんてありえませんし、仮に投票率が100%であっても否決されてます。

結局、都構想に魅力がなかった、だから否決された。
それだけです。

むしろ、攻め手である賛成者が争点設定等が自由にできるので極めて有利な状況だったのです。
それで否決されているのですから推進者側の戦略ミスでしょう。

世代間の投票率とかは一切関係ないし、分析と称してこうやって諍いの種をまいている人達がいますが、そんなのに惑わされないでください。
恨むのであれば、賛成できないようなものを出した橋下氏や維新の会などを恨むべきですね。

大阪都構想なんて常識を持ったら反対でしょうね

2015年05月14日 | 政治
そういえば次の日曜日に大阪都構想の住民投票がありますね。
賛成・反対と迷っている人もいるかと思いますが、上手くまとめられているサイトを見つけました。

橋下市長の大阪都構想を、きちんと考えてみる
http://miniosaka.seesaa.net/article/418217786.html

素晴らしく良くまとまってますね。
時間がなければ総論だけでもお読みください。
結論が反対なので、賛成者には受け付けないでしょうけど・・・。

でもまぁ、読まなくとも常識的に考えれば反対にしかならないのですけどね。

二重行政の廃止を掲げてますけど、これから二重行政をしなければいい話であって、これを持って都(特別区)にしなければならない話でもなく、都になったからといって、これまでの二重行政がチャラになるわけでもないし、負担が減るわけでもないのです。
市と府が一緒になるので人件費等の無駄がなくなると考えている人もいるかも知れませんが、常識的に考えて職員を首にするわけもいかず、給与も同じ部署であれば高い方に合わせないといけないわけです。
となれば、かえって高くつくのが道理で・・・少なくとも減るということは考えづらいことです。

住民サービスは維持される・・・と推進者は言うけど、24区を5区と区域を大きくすればサービスの低下も免れませんし、住民サービスを維持しようと考えれば、従来通りになるわけですから何の意味もないわけです。
また区役所に行けば何でもできるようになるから便利なる、とも言ってますが、府の業務を5分割すれば、人間の身は1つなので人を増やさない限りまわせませんから、コストアップにはなってもダウンにはならないでしょう。

とまぁ、一事が万事、推進者はこの体たらくなんです。
『住民サービスを低下させるけど負担も減らす』または『住民サービスを向上させるために高負担になってもやるべきだ』・・・というのなら理解できますが、住民サービスを上げながら負担も減らすなんて検討にすら値しないレベルの戯言ですね。
裏ワザなんてそうそうないんですよ。

同じように賛否のあった小泉総理は『痛みのある改革』と言って成功させましたけど、これも同じように正直に『住民サービスを低下させるけど、それでも改革をしなければいけない』といえば良かったのに、と思います。
それで賛成するかは別ですが、少なくとも忌避感・拒絶感はなくなるし、反対してる人の多くはこのあたりが引っ掛かるから反対なんでしょう。

もっともこれは論理的に可決しないほうが良いのですけどね。
スジが悪すぎますので。

橋下氏は小泉氏の再来とか一時期、持て囃された気がしますけど・・・どこが再来なんでしょうね?
赤熊にはわかりません。

憲法9条と自衛隊の危険性

2015年05月07日 | 社会制度・法律
憲法記念日は過ぎましたけど憲法の話を。

赤熊は昔からの主張通り、憲法改正に賛成です。
いえ、近年はより強くそう思っております。

特に憲法9条。
他の条文も問題があるけど、この条文は突出して悪いです。
自衛隊を持ちながら憲法9条で『戦力を持たない』と規定するのはさすがに無理がありすぎます。

ただし理由は中国が台頭してきたからとか、他国がどうとかではなく、もう単純に危険だからです。

そもそも軍事力というのは『何かが起きたとき力づくで何とかする』ためのもので、極めて危険なものです。
主に外部からの敵に対するモノですけど、それは逆に言うと内部に向けることもできるわけで軍事クーデターだって起こせるんです。
日本だってここ何十年か起きてないだけで、歴史的にクーデターは何度も起きているのです。

政治的には自衛隊は『軍隊じゃない』と言ってますけど、どこの世界に重火器や戦闘機、戦闘ヘリや軍艦や戦車を持った軍以外の公的組織があるんだ?
完全に軍隊で、少なくとも軍事力・武力です。
ならはっきりと軍隊と認めて、きちんと管理すべきです。

なのに、なぜかみんな無条件に自衛隊を信じきってるんです。
自分達に銃が向けられないって。
別に自衛隊がおかしな組織だと思ってるいるわけじゃないですし、信用のおける組織だと思われてることは素晴らしいことですけど、だからと言って見て見ぬふりをするのは対応として間違っています。

憲法9条があるから自衛隊は解散すべきという主張は論理的には正しいですし、それはそれで1つの主張として認めます。
ただしそれは非常に現実的でないので、今現在、軍事力を持つと戦争だの軍靴の足音だの言う護憲派でさえ、(表立って)自衛隊そのものを否定する人はまずいません。
他国との戦争するより、自分に銃を向けられる方がよっぽど怖いことでしょう。
なのに、現状のままで放置するというのは、危険視するポイントが恐ろしくずれてるんですよね・・・。

早急に憲法改正をして、軍隊と位置付けてきちんとした管理・・・クーデターを起こされても対処できるようにしたり、内部で問題が起きたときに軍事裁判で対処できるようにしたりが、求められるわけですが・・・。
改定はいつになるのでしょうね。
さっさとしてほしいです。
すごく危険な状態ですから。


2015.05.11  読みにくかったので文章大幅改定。文意・主張はそのままです。