天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『偉大な生涯の物語』で姦淫したマグダラのマリアを咎めた男達にイエスは「罪のない者が最初に投げよ」

2011-06-05 22:12:36 | 日記
今日の続編日記は、映画『偉大な生涯の物語』(1965年製作 ジョージ・スティーヴンス監督 マックス・フォン・シドー主演)に登場するマグダラのマリアのことです。添付した写真は、映画でイエスに扮したスウェーデン出身の名優マックス・フォン・シドーです。
映画でのイエスは、弟子と供に布教のため地中海沿岸の街を通った時、この街の住民から制裁を受けようとしている派手な赤い服を着た若い女・マグダラのマリア(ジョアンナ・ダナム )を見つけます。イエスが男達に「なぜ彼女をとがめる?彼女は何をした?」と問いかけると、連れてきた男は「姦淫していたんだ!」と答えます。
この映画のシーンは、新約聖書のヨハネの福音書8章の有名なキリスト布教エピソードから映画に映像化されたものです。イエスは男に「本当か?」と確認してから「裁きは正しい!彼女は姦淫罪だ!」と廻りを取り囲んだ公衆に語りかけます。そして、咎めた男は「律法では石打ちだぞ!」と叫びます。当時のユダヤ人には旧約聖書のモーゼ「十戒」に”姦淫してはならぬ”との律法があるから、この制裁は当然の処理でした。
しかし、その言葉を聞いたイエスは、地面のあった石を取り上げて周りの男たちに
『君たちの中で罪のない者が最初に投げよ!』と咎めた男に石を渡そうとします。
このイエスの言葉に、男たちは皆たじろいで誰一人石を持つ者は出てこないのです。そして、イエスは怒ったように石を地面に叩きつけます。
イエスが彼女の名前を訊ねると、彼女は『マグダラのマリアです』と答えます。イエスは『もう 誰も罰しないよ!私もだ!』と言って、地面に倒れていた彼女を立ち上がらせます。
このように、旧約聖書で定められた律法でも、イエスは人間への深い思いやりを抱き、とても柔軟に解釈したのです。だから、その当時あれだけ多くのイスラエルの人々の強い賛同を得たのです。
その後、マグダラのマリアは改心して、イエスの身の廻りの世話を始めます。そして、最後の布教でエルサレムに入ったイエスが休息している時、マグダラのマリアは疲れたイエスの足を揉んで優しく香油を塗ります。これを見ていたユダが、その高価な香油を問題して、「それで貧しい人に施せる」とマグダラのマリアを強く非難します。それに答えて、イエスは
『その通りだが、彼らはいつもいる 少しの香油を惜しむな!私はいなくなる 彼女は私の埋葬に備えたのだ!』とユダを諭すように静かに覚悟を込めて話しかけます。
とても感動的なイエスの言葉です。教条主義に陥っている聖書をより人間らしい出来事にしたジョージ・スティーヴンス監督のとても見事な映画演出です。
この映画『偉大な生涯の物語』は、キリスト教徒でない私でもとても感動する人間普遍の真理を語っています。だから、私は皆さんにも強く鑑賞をお勧めします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『偉大な生涯の物語』特出のローマ帝国百人隊長J・ウェインは処刑されるイエスを「真に神の子だった」

2011-06-05 15:58:58 | 日記
今日の日記は、今久しぶりにお茶の間鑑賞している映画『偉大な生涯の物語』(1965年製作 ジョージ・スティーヴンス監督 マックス・フォン・シドー主演)のことです。
この映画は、新約聖書の福音書に基づいて、イエス・キリスト(マックス・フォン・シドー)の生涯を、名監督ジョージ・スティーヴンスが、当時のハリウッドの名優、人気俳優を贅沢なほどにキャスティングして製作・監督した壮大なスケールと感動の歴史劇です。
その豪華なキャスティングを以下に紹介します。
・(1)洗礼者ヨハネ:チャールトン・ヘストン(「十戒」「ベンハー」「エル・シド」等他多くの歴史劇に主演するハリウッド大スター:添付した写真の右側参照)
・(2)聖母マリア:ドロシー・マクガイア(清楚な知的で誠実な役が得意のアメリカ映画40~50年代に活躍した女優)
・(3)イエスが生まれた時のヘロデ大王:クロード・レインズ(1943年「カサブランカ」で地元警察署長を好演した名優)
・(4)その息子のヘロデ・アンティパス:ホセ・フェラー(主演した1952年「赤い風車」で画家のロートレックを好演した名優)
・(5)闇の隠者・サタン:ドナルド・プレザンス(1967年「007は二度死ぬ」の悪の組織首魁がとても印象的な名優)
・(6)ローマ帝国のピラト提督:テリー・サバラス(1973年放映TVドラマ「刑事コジャック」の主演でとても有名になった名優)
・(7)最後に裏切る弟子のユダ:デヴィッド・マッカラム(1960年代TVドラマ「00011ナポレオン・ソロ」スパイのイリヤ・クリヤキンで有名になった俳優)
・(8)税徴収役人をしていた弟子マタイ:ロディ・マクドウォール(1968年「猿の惑星」1972年「ポセイドン・アドベンチャー」で好演した俳優)
・(9)ユダヤ教司祭カイアファ:マーティン・ランドー(1966年放映TVドラマ「スパイ大作戦」で変装名人スパイを好演した俳優)
・(10)処刑場へ行くイエスを助けたシモン:シドニー・ポワチエ(1963年「野のユリ」で黒人初のアカデミー賞主演男優賞を受賞した名優)
・(11)処刑場の百人隊隊長:ジョン・ウェイン(デュークと呼ばれて全世界の映画ファンから愛されたハリウッド大スター:添付した写真の左側参照)
・(12)処刑場へ行くイエスの汗を拭くヴェロニカ:キャロル・ベイカー(1956年J・スティーヴンス監督作品「ジャイアンツ」のエリザベス・テイラーの娘役に抜擢された60~70年代に活躍した女優)
このように主演級の俳優が4人(注:シドニー・ポワチエとジョン・ウェインは最後で特別出演)も共演しています。そして、脇役陣8人の内、3人はTVドラマは主演者となっています。この映画製作に多くの俳優が深く賛同したから実現したのだと私は思っています。
特に、シドニー・ポワチエには台詞はなく、オスカー受賞作「野のユリ」もキリスト教を扱った縁で、この映画を支援する為快く出演したのでしょう。また、ローマ帝国の百人隊隊長のジョン・ウェインのたった一言の台詞が、ローマの守護神を称えるのではなく、キリスト教を正当化する言葉『真にこの方は神の子だった!』だったのが、とても象徴的証拠になっています。
そして、ハリウッドの俳優たちにも敬虔なキリスト教徒が多くいると私は今深く得心しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする