天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

逝去されたエリザベステイラーさんは『バターフィ-ルド8』で主演女優賞得たのは「死にかけていたからよ」

2011-03-31 22:19:12 | 日記
今日の日記は、今読んでいる川本三郎著『アカデミー賞~オスカーをめぐるエピソード~』(中公文庫版)に登場したエリザベス・テイラーさんのとても興味深いオスカーエピソードです。添付した写真は、その著書表紙です。
この著書で評論家・川本三郎氏は、亡くなったエリザベス・テイラーさんのオスカーをめぐるエピソードを語っています。以下に、私がとても印象に残った記述を引用・掲載します。
『(私注:57年「愛情の花咲く樹」・59年「去年の夏突然に」で二度主演女優賞にノミネートされるが落選)翌60年、彼女は、ジョン・オハラ原作、ダニエル・マン監督の「バターフィ-ルド8」の高級コールガールの役で三たび主演女優賞にノミネートされた。・・彼女のライバルは、「日曜はダメよ」のメリナ・メルクーリ、「アパートの鍵貸します」のシャーリー・マクレーン、「ルーズベルト物語」のグリア・ガーソンとそうそうたるメンバーだった。誰もが(リズ自身さえも)リズの受賞はまたしてもなしと予想していた。しかし、”奇跡”が起った。アカデミーの投票の始まる一週間前にリズは急性肺炎にかかりロンドンの病院に入院したのだ。・・これで状況が劇的に一変した。それまで彼女のことを批難していた人々がいっせいにリズ支持にまわったのだ。世論もリズへの同情で固まった。・・一週間後、受賞者の発表。「アンド・ザ・ウィナー・イズ・・エリザベス・テイラー」とプレゼンターのユル・ブリンナー(56年「王様と私」で主演男優賞受賞)が発表した。・・彼女自身はこの映画を嫌っていて、後年「”バターフィ-ルド8”で私がオスカーをもらったのは私があの時、死にかけていたからよ。私はあの映画が大嫌いでその後二度と見ていないわ」と言っている。』
このエリザベス・テイラーさんの発言は、とても「贅沢な悩みの吐露」だった、と私は思っています。昔からの諺で『運も実力のうち』と言うではありませんか。彼女は、自分をあまり卑下することはないと、私は思っています。
ハリウッドスターでオスカーを受賞していない大女優が多数います。たとえば、グレタ・ガルボ、ジュディ・ガーランド、バーバラ・スタンウィック、デボラ・カー、マリリン・モンロー(注:『バス停留所』(56年)『お熱いのがお好き』(59年)の好演でもノミネートさえされなかった)、マーシャ・メイソン(注:彼女は現役なのでまだ希望有り)らです。
そして、エリザベス・テイラーさんは、6年後の作品『バージニア・ウルフなんかこわくない』で、今までの美女イメージをかなぐり捨てて、人生に悩む中年女性を熱演して、今度は名実共に「真の主演女優賞」に輝いたのです。このように、彼女の映画での名誉は輝かしいものなのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『陽のあたる場所』オスカー主演賞ノミネート俳優引立役だったエリザベステイラーさんは5年後老け役演じる

2011-03-30 22:09:15 | 日記
今日の日記は、映画『陽のあたる場所』(1951年製作 ジョージ・スティーヴンス監督 モンゴメリー・クリフト エリザベス・テイラー シェリー・ウィンタース主演)のことです。添付した写真は、大富豪の娘役のエリザベス・テイラー(左)と彼女と婚約した不幸な出生の身分違いいとこ青年モンゴメリー・クリフトです。
この映画も、私は1970年代初めに映画館ではなく、テレビ(NHKだと思う)放映で鑑賞した記憶があります。だから、映画が製作されて20年以上経過した後、私が観ていた為、いろいろと面白いことに気が付きました。当然のことですが、この映画で見せたエリザベス・テイラーさんの芳紀19歳のとても美しい姿に強く感嘆したこと以外のことです。
それは、その映画をテレビ鑑賞した数年前、1972年に劇場で封切公開された映画『ポセイドン・アドベンチャー』を鑑賞した時、とても印象に残った女優シェリー・ウィンタースが、主役青年(モンゴメリー・クリフト)の大富豪の娘(エリザベス・テイラー)との婚約で邪魔になった不幸な恋人を演じていたと判ったことです。
『ポセイドン・アドベンチャー』でのシェリー・ウィンタースは、オリンピック元選手で引退し心臓病を抱えた中年女性乗客です。その彼女が、『陽のあたる場所』では、まったく泳げない為、ボートに乗っていた湖で落ちて溺死してしまう妊娠した薄幸な女子工員を演じていました。何か今思うと何か因縁めいた話だと当時を振り返って見て、私は思っています。彼女はこの薄幸な女子工員の演技で、アカデミー主演女優賞にノミネートされています。そしてその後、彼女は二度もアカデミー助演女優賞に輝く大女優になっていきます。
だから、この映画でのエリザベス・テイラーさんは、同じ工場同僚で貧しい恋人同志だった二人、モンゴメリー・クリフト(彼もアカデミー主演男優賞にノミネート)とシェリー・ウィンタースの演技の引き立て役であり、あまり良い役柄ではなかったのです。何故なら、彼女が演じた役は、ただ美しいだけのわがまま世間知らずの金持ち娘だったからです。
でも、この役不足を映画で快く演じたエリザベス・テイラーさんに、深く同情したジョージ・スティーヴンス監督は、5年後の映画『ジャイアンツ』で主役女性の一代記に彼女を抜擢して、当時24歳の彼女に、映画では50歳を越え孫が二人いる老け役まで演じさせたのです。そして、彼女は見事にその期待に応えています。
やはり、いい監督に見出されたエリザベス・テイラーさん(後年、アカデミー主演女優賞に二度輝く)は、とても幸せな女優さんだったと今私は思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『花嫁の父』で見せたエリザベステイラーさんの近寄り難い美しさと気品あるハリウッドスターはもう出現せず

2011-03-29 21:14:13 | 日記
今日の日記は、逝去された女優エリザベス・テイラーさんが成人した時の代表作『花嫁の父』(1950年製作 ヴィンセント・ミネリ監督 スペンサー・トレイシー ジョーン・ベネット エリザベス・テイラー主演)のことです。添付した写真は、花嫁のエリザベス・テイラーと父親のスペンサー・トレイシーです。
この映画は、手塩にかけた娘(エリザベス・テイラー)を嫁がせる父親(スペンサー・トレイシー)の複雑な心境を描いたヴィンセント・ミネリ監督のホームコメディです。私はこの作品を、1973年日曜洋画劇場でTV放映した際、お茶の間鑑賞しています。その頃の私が知っているエリザベス・テイラーさんはもう40歳を過ぎていたので、この映画で見せる初々しく美しい花嫁姿に、とても驚いた記憶が鮮烈に残っています。また、1950年に映画出演した頃彼女は、最初の相手であるコンラッド・ヒルトン・ジュニア(ホテル王ヒルトンの一族)と同じように結婚式を挙げています。
私の個人的な嗜好では、エリザベス・テイラーさんのような近寄り難い程の完全なる美しさには、あまり親しみが湧かず、私は他の女優(ソフィア・ローレン等)さんのファンでした。だから、この映画でも、私は18歳になったばかりの絶世の美女エリザベス・テイラーさんより、父親役の名優スペンサー・トレイシー(注:私は1967年に日曜洋画劇場でTV放映した映画『ジキル博士とハイド氏』鑑賞以来の大ファンで、自宅で飼っていた雑種犬に「名犬ラッシー」をもじって「トレイシー」と命名したほど)に夢中になってお茶の間鑑賞していました。
でも、『花嫁の父』で見せたエリザベス・テイラーさんのような近寄り難い美しさと気品のあるハリウッドスターは、もう出現しないと私は思っています。
今、その当時を思い出して、私は今懐かしく深い感慨に浸っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

23日逝去された女優エリザベス・テイラーさん初期代表作の映画『緑園の天使』美少女ぶりは映画ファン必見

2011-03-28 18:59:41 | 日記
今日の日記は、23日に逝去された女優エリザベス・テイラーさんのことです。そのニュース記事を、読売新聞の24日朝刊より引用します。
『・・女優エリザベス・テイラーさんがうっ血性心不全のため死去・・【ニューオーリンズ(米ルイジアナ州)=西島太郎】「バージニア・ウルフなんかこわくない」(1966年)などで2度のアカデミー賞主演女優賞を獲得し、ハリウッド黄金時代の銀幕を彩った女優エリザベス・テイラーさんが23日、ロサンゼルス市内の病院でうっ血性心不全のため死去した。79歳だった。米主要メディアが一斉に報じた。ロンドンで生まれ、39年にロサンゼルスへ移住。10歳で子役として映画デビューし、「若草物語」(49年)、「花嫁の父」(50年)などでスターの座を獲得した。「バターフィールド8」(60年)でアカデミー賞主演女優賞を初受賞。その後も「クレオパトラ」(63年)、「いそしぎ」(65年)などでファンを魅了して、「ハリウッドで最も美しい女優」などと称賛された。私生活では8度の結婚歴で有名。近年は闘病生活が続き、米メディアによると心臓の不調を訴えて6週間前から入院していた。息子のマイケル・ワイルディングさん(58)はABCテレビに対し、「母は特別な存在です。大いなる情熱、ユーモア、そして愛情とともに生を全うしました」などとするコメントを発表した。』
この記事には紹介されていないのが残念ですが、エリザベス・テイラーさんの少女時代(12~13歳)の代表作『緑園の天使』(1945年製作 クラレンス・ブラウン監督 ミッキー・ルーニー ドナルド・クリスプ エリザベス・テイラー アン・リヴェア主演)を私は忘れることはできません。だから、私はとても美少女だった彼女を偲んで、初期の代表作『緑園の天使』を今、お茶の間鑑賞しています。添付した写真は、愛馬パイと美少女のエリザベス・テイラーです。
この映画は、1920年代末イギリスの片田舎が舞台です。この町に流れて来た元競馬騎手(ミッキー・ルーニー)と馬が大好きな少女(エリザベス・テイラー)が、荒馬パイをグランドナショナル競走(世界で最も有名なスティープルチェイス障害競走でリバプールの北郊にあるエイントリー競馬場で毎年春に開催)に出場し優勝させる為、お互い心通わせた二人だけで、この片田舎の牧場でアマチェア的な調教し、一生懸命に頑張る心温まる動物(競馬)をテーマにした作品です。
二人は競走に出場する騎手を捜していましたが、なかなか好い騎手が見つからず、落馬と同僚騎手を殺してしまった過去のトラウマで騎手を辞めたミッキー・ルーニーが再び騎乗する決意します。でも、エリザベス・テイラーが男に成りきって自らが騎手になると言い出します。彼も、この彼女の並々ならぬ熱意に感銘して、彼女の長い黒髪をカットし「男の成りすます」の細工(私注:女性騎手が認められるのは1974年で1920年代には女性は出場できず)をします。
その二人の努力の甲斐があって、荒馬「パイ」はグランドナショナル競走で見事に優勝します。しかし、騎手が女性と判り失格になってしまいますが、世論は彼女の功績を称えて「ナショナル競馬のヴェルヴェット」(原題の”National Velvet”)と賞賛します。
この映画は、とても時代の違い(66年前で少し現実離れ)を感じさせますが、古き良き時代にはこのような心温まる夢のような話があってもいいと、私はいいように解釈し全てを許してしまいます。
それにしても、66年前のエリザベス・テイラーさんの超美少女ぶりは、映画ファンには必見です。また、折りしも世界最高1着賞金で有名なドバイ・ワールドカップで日本馬「ヴィクトワールピサ」が優勝しました。競馬に興味がある方にも、この映画『緑園の天使』を鑑賞するのも一興だと私は思います。
そして、私は、この映画を鑑賞して、今、慎んで女優エリザベス・テイラーさんのご冥福をお祈りしています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『K-19』H・フォード艦長は決死作業員に『困難な任務を課せられた!運命を諸君の手に!神の力を』

2011-03-27 14:39:09 | 日記
今日の続編日記は、映画『K-19』(2002年製作 キャスリン・ビグロー監督 ハリソン・フォード リーアム・ニーソン主演)のことです。
この映画で、ソビエト連邦海軍の新型原子力潜水艦K-19ボストリコフ艦長(ハリソン・フォード)が発揮する原子炉事故の危機に対応する指導力には、とても目を見張るものがあります。以下に、それを具体的な項目を、時系列的に整理し詳細に紹介します。
・(1).階級に関係なく必要な人員の徴集し対策の立案指示--まず、原子炉担当士官から原子炉事故が発生したとの報告を受けると、艦長は『階級に関係なく必要な人員の集めて問題を解決しろ』と指示し対策会議を開きます。
・(2).艦内の全乗組員に危機状況の周知--艦長は全乗組員に『艦長だ!後部原子炉に故障が・・必要な対応処置を取っている 全員 配置に付け!』と情報の周知徹底を図っています。
・(3).対策会議で階級が低い乗組員の提案を積極的に採用--艦長はロシア共産党監視軍人の提案『艦を放棄し救命筏で脱出を』の提案を、『艦は放棄しない』と即座に却下して、階級が低い乗組員の提案を積極的に採用して、『パイプを集めろ!』と即断・即決します。
・(4).原子炉修理要員に志願する副長(リーアム・ニーソン)をメンバーから外す--艦長は危険な作業を行なうメンバー組織(二人一組)や作業時間(10分)を適切に伝達します。そして、そのメンバーに真っ先に志願した副長に『いや 君は副長として必要だ!状況は判っている いかん!』と冷静な判断で断っています。
・(5).決死の覚悟の作業員に激励--艦長は原子炉内に入る作業員に『諸君は困難な任務を課せられた 運命を諸君の手に』と語り、副長の『艦長 原子炉修理の許可を』と言葉に、『許可する 神の力を!』と作業員を送り出します。
・(6).NATO軍基地に救援依頼との副長提案を拒否--副長の「NATO軍基地に救援依頼を」との提案を拒否して『本艦と乗組員は絶対に敵の手には渡さん!交信不能なのだから、ディーゼル潜水艦が捜索に来る 必ず来る!』と独断即決します。結果的には、艦長の言う通り友軍の潜水艦に救助されます。
・(7).原子炉修理が失敗し今後の艦の行く末を各乗組員の判断に委ねる--艦長は助言を受けて全乗組員に『艦長だ 状況は危機的だ 原子炉の修理は失敗だった いつ核弾頭とも爆発するか分からない NATO基地から数キロの位置にある 米駆逐艦も爆発の巻き添えになる 米国とソ連 両国間の緊張関係を考えると 祖国に恐るべき報復処置が加えられることになるだろう 潜航して原子炉の修理を行なう選択肢があるが 成功の保障はない 答えを待つ!』と語って、各乗組員の判断に委ねます。その結果、各区画班長から続々と『命令に従います』の返答があります。
・(8).再修理を実行した作業員を艦長自ら救出--再修理を行なって18分間経っても戻って来ない作業員を艦長自ら原子炉に突入して救出しています。添付した写真は、その救出シーンです。そして、その修理が成功した結果、再び炉心温度が下がります。
・(9).危機を脱した艦長は副長に米軍の救援依頼を指示--原子炉爆発の危機を乗り越えた艦長は、副長に米軍の救援依頼を指示し、修理を行なった乗組員に『諸君 君たちは立派な働きをした 党は君たちを誇りに思うだろう 私も誇りに思う 君たち全員が英雄だ!味方の救援を望んでいたが 放射能漏れが急激すぎた やむ得ず米海軍に救援を頼んだ 総員離艦用意!』と伝えています。
そして、救出を見届けた後、艦と自沈する覚悟だったハリソン・フォード艦長に、リーアム・ニーソン副長は『その必要はありません 味方の潜水艦S270が救援に』と伝えます。とても感動する名場面です。我欲がない至誠の人間には、最後には救いの手を神は差し延ばすのです。
この映画を、この日記閲覧している皆さんにも、私は是非鑑賞してほしいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする