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アメリカの新たなイラク政策と議会内の動き

2007-01-11 | Weblog
民主党の議員達はアメリカ大統領府のイラク政策を、無条件で支持するつも
りは無い。これは先週日曜、アメリカ議会下院の新たな議長に就任したナン
シー・ペロシ議員がCBS-TVからのインタビューに答えた中で明らかにした。
これに付いてロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
現在アメリカの大統領与党である共和党と、野党でありながら上下両院で多
数派となっている民主党は、戦いを目前に控えたプロボクサーに例えること
が出来るかも知れない。

今後アメリカ政府の新たなイラク政策に付いて審議するという、極めて重要な
論戦が両者を待ち受けている。
今週ブッシュ大統領は、アメリカがイラクに関しとって行くべき、新たな方針を
発表することになっている。
共和党の陣営からは、この新しい対イラク政策がどのようなものになるか、様
々な目測を含んだ情報が流れている。
現在わかっている限りではアメリカ政府はイラクに対し、イラク国内の緊張を緩
和するため、何らかの指示を行うものと考えられる。またイラクの軍人や警察官
を養成するシステムにも変更が加えられる見通しとなっている。
しかしながら何らかの新機軸と呼ぶに相応しいものがあるとすれば、それはア
メリカがイラクに駐留している軍に対し、新たに2万から4万人規模の兵を増強す
るという計画を真っ先に挙げる必要があるだろう。
これに対し民主党の側も強力な先制パンチを放そうとしている。
アメリカ議会上院における民主党の院内総務ハリー・リード氏は、すでに民主党
代表としてのラジオ演説の中で、駐イラク・アメリカ軍を増強するプランは誤りで
あると発言した。同じ民主党に所属するナンシー・ペロシ下院議長も、この考え
方に同意し、ペロシ下院議長は以前からアメリカのイラク戦争に対する最も強硬
な反対者の一人として知られている。

そして議会における民社党のリーダー達はブッシュ大統領に対し、イラクからア
メリカ軍を段階的に撤退させるよう求める共同の声明を発表している。 
また共和党の有力な議員の中にも、ブッシュ大統領の冒険的なイラク政策のた
めに、アメリカ兵の命を犠牲にすることに対し疑問を抱く者が増えている点にも注
目する必要があるだろう。
さらに少党派の機関として立ち上げられたアメリカ委員会の報告書でも、イラクか
らの段階的な引き上げが勧告されていた。
しかしながらブッシュ大統領はすでに、これらの要請を退け、アメリカ軍は勝利す
る日までイラクに留まり続けると宣言している。
この様なイラク政策では成功のチャンスは無い。そしてブッシュ大統領の任期が
切れた場合、ブッシュ氏と共和党にとっては極、控えめに言っても悲しむべき未
来が待ち受けていると言っていいだろう。
今のところ民主党も大統領を弾劾する意志は無いと表明しているが、状況次第
では、これがどう変わるかは判らない。
アメリカでは選挙前の公約は敏速に忘れ去られる一方、イラクでは益々、多くの
血が流されているからだ。

戦争大統領―CIAとブッシュ政権の秘密

毎日新聞社

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1月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル