ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ビーコンVICSについて

2006年11月05日 | ITS
一般に、今売られているナビはほとんどの機種で渋滞表示が出る。
これはFM多重でデータを受信しているからだ。それについて消費者は少なくとも目に見える形では使用料を支払う必要は無い。

何故無料なのか?
そもそもVICSは以下の仕組みで成立している。
・センサーのインフラ整備は警察庁の負担(=税金)
・VICS関連機器(VICSつきナビなど)への台あたりの課金(300円が価格に上乗せ)
・カーナビ製造業者、カーメーカーからの年間協賛金

こうした渋滞情報で一番コストがかかるのはセンサー設置のインフラ整備だ。
その部分を税金でまかなっているからビジネスが成立している、といっても良い。

さて、一方で現在のVICSの精度に関する不満は多い。
おそらく民間事業者が本気で乗り出せば、精度はあがり顧客満足は向上するだろう。カーメーカーが取り組みを始めた通信をつかったプローブがその例だ。

しかし、不満はあるとはいえ消費者的には無料のVICSがあるので、お金を払ってまで渋滞情報を知る必要も無い、というのが大多数の消費者の考えだろう。
これに対して、その中途半端なVICSが民間の事業拡大を阻害しているのだ、という意見もある。

しかし、果たして渋滞予測は本当にビジネスになるのか?
民間事業者が自らインフラを整備してビジネスが成立するとは到底思えない。
プローブですら、通信料をはらってまで参加するユーザーは少数派で、未だに実験的な取り組みであることは否めない。

私は渋滞予想は、(というか、ITSはといったほうがいいかもしれないが)ビジネスチャンスではなく、社会インフラなのだとおもう。
一種天気予報のようなもので、有料の天気予報会社がビジネスをしているが、それはあくまでBtoBであり、一般の消費者がお金を払ってまで正確な天気予報を買うわけが無い。気象庁が税金でインフラを整備し、中途半端な天気予報をしているから民間を圧迫している、とは誰も思わないだろう。

要はVICSの精度を上げることが現実的な最善の解なのだ。
しかし、そこまで了解したとしても、次の厄介な問題が待っている。

それは、センサーと車載器のアンマッチだ。



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