ITSを疑う

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NEC、ETCサービス用小型路側装置を開発

2006年09月09日 | ITS
国交省がETCの民間開放を発表したのが3月。その後どこからもまったく動きがないな、やっぱり市場はないのだろう、と思っていた矢先、
NECがETC車載器を用いた新サービスを容易に構築可能な小型路側装置を製品化する。

というニュースが入ってきた。
この製品、日刊工業新聞によれば100万円を切る見込みで、設置を検討する事業者にとってみれば価格的には現実的だ。

一方で、果たしてこのサービスが事業者側にとって有効なビジネスモデル構築に到るのか、ということが大きな疑問だ。
想定される事業者は駐車場と給油所だけだろう。(ドライブスルーは顧客ベネフィットが小さすぎて、最初からありえないと思っている。)

これらの業種にとっての導入メリットやその障害については過去のエントリー(今年の3月から5月にかけて)を参照いただきたいが、そもそも最大の難関は、今使っているETCカードでは決済できない、ということだ。
車載機がもっている固有の機器番号とETCカード以外のクレジットカードなどとを改めて紐付けし、決済しなければならない。それも事業者毎にだ。ふらっと立ち寄った給油所や駐車場では使えない、という事になる。
(ただし、石油元売がこれを逆手にとって顧客囲い込みに使う可能性はあるが)

そして、もうひとつ厄介なことは、車自体が認証不要のクレジットカードになってしまう、ということだ。
たとえば、解約手続きをせずにETC付きで車を譲渡すると、利用料金は旧オーナーに課金される。

NECはこれから営業活動を行い、年末には出荷するとのこと。
ある程度は確実な需要見込みがあっての商品化だと思うので、来年にはどこかの事業者が採用することになるのだろう。

まあ、毎度書いていることだが、これが広く普及するとは思っていない。


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1 コメント

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Unknown (jxyutsu)
2006-09-16 10:56:46
課金などETCの個体識別が必要な用途では、利用では、利用価値があるのはおっしゃるとおり駐車場ぐらいですね。

ゲート式の月極駐車場では、電波式リモコンとの併用ということになりますが、新築マンションなら採用しそうに思えます。

ガソリンスタンドは、セルフだと利用者は下車しますし、通常店だと店員が付きますから会員カード以上のメリットは少ないですね。

あと車から降りずに課金できる用途は、カーフェリーぐらいしか思いつきません。でもフェリーでは通常乗員にも課金されるので単純には使用できないですね。



課金不要なETC機器の個体識別しない運用が可能なら、もう少し用途はありそうに思います。

ドライブスルーの注文や、駐車場の案内とかで使えそうに思います。

昼食時には、ドライブスルーの注文を聞くだけの要員が配置されるとこもありますし、誤注文のトラブルを防げます。



普及率が30%程度になれば、それなりの規模の事業者なら人件費削減のメリットは出るのではないでしょうか・・・

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