ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

携帯サイトの市場規模から思うこと

2004年08月23日 | ITS
昨夜のフジテレビ EZ-TVで携帯電話サイトの熾烈な戦いが紹介されていた。
現在携帯電話の普及台数は8300万台で、携帯サイトの市場規模は2200億円という。

一方、電気通信技術審議会諮問によれば、2010年にITSに関係する「道路交通情報提供サービス+カーマルチメディアサービス」の市場規模は3938億円となっている。

この市場規模をどう見るか。携帯サイト有料コンテンツ御三家は「着メロ」「待ち受け画面」「ゲーム」といわれている。もちろん、携帯とカーマルチメディアは単純には比較できない。着メロに近い音楽ダウンロード市場は確実に存在すると思うが、車の中ではゲームは(少なくとも運転者は)しない。それに対して携帯にはない地図、道路情報の有料情報提供といった、有望なコンテンツもある。

しかし、そうはいっても現在の携帯サイトですら、2200億円である。
単純に電話機1台あたりで年間2650円。中年以降は携帯電話を通話機としてしか使わないことを考えると、これでも結構な金額である。
それに対し、カーマルチメディアの場合は稼働台数7300万台に対してマルチメディア機器装着を50%と仮定して3650万台。顧客一人あたり平均で年間一万円以上を情報料として支払うという意味である。
この数字が現実的であるとは、とても思えない。

そもそも、ITS関連の市場規模といえば全てこの電気通信技術審議会資料を基にしているが、これが発表されたのは1998年の4月であり、ドッグイヤーと言われるITの世界でなぜ6年も前の数字がいまでも通用しているのかが不思議なところである。
そして、その数字をベースに蜃気楼のようなマーケットが語られている。
すでにローランドベルガーレポートでは、2010年のテレマティクス市場は日欧米あわせて2.6兆円と、より現実的な数字がしめされている。早急に見直すべきだろう。

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