みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

グランドパワー「チャーチル歩兵戦車」

2011年03月02日 23時37分30秒 | 書籍
 頼んでいたお店には届いていたんですが、やっと今日買ってきました。『グランドパワー』誌11年4月号「チャーチル歩兵戦車」特集。初見にての感想は…
 こりゃすげえ。日本語によるチャーチル戦車の目下第一級の資料だと言えます。今まではチャーチルに関する単行本は、大日本絵画の「世界の戦車イラストレイテッド」の『チャーチル歩兵戦車1941‐1951』しかなかったものですからね。あとは、『パンツァー』誌が何回か連載した記事、あれもかなりよかった。でも今度の『グランドパワー』の特集は、それらを上回っています。
 実は、ガリレオ出版の予告記事を見る限りでは、今まで洋書を含む他の本で見たような写真ばかりかなと思ったんです。しかし実物を手にしてみると、他の頁にはかなりの数の写真が掲載されており、未見の写真、あるいは既に見た場面の別アングルとか、かなり参考になります。
 Mk.8の写真って意外と少ないんですよ。この記事にはMk.8の前後左右上面の写真がそれぞれ掲載されており、大変助かります。また、スポンソン側面の空気取り入れ口、初期型の吸入口が下を向いていて泥や埃を吸い込みやすいため、これを上下逆さまに取り付けた応急処置型というのがあるんですが、その写真、私は本書で初めて見ました。他にも参考になる写真はたくさん載っています。
 さきほどの予告記事に見えるように、この特集の一つの目玉はチャーチル戦車のマニュアルから引用した図です。車内の説明図も面白いのですが、各タイプの砲塔やフェンダーや車外装備品の説明は、直接模型製作にめちゃくちゃ役立ちます。しかし、私のように既に複数の洋書を持っていると、このマニュアルはもう何度も見ているものでして。例えば、英国戦車博物館のD・フレッチャー著『Mr. Churchill's Tank』にも載ってますし、東欧の本にも載っていました。しかし、この図が日本の書籍に掲載される価値は非常に高い。ちなみに、このフレッチャー氏、ヒストリーチャンネルの番組に何度も出演していて、youtubeでも彼がチャーチル戦車の前に立って解説している動画を見ることができます。
 肝心の記事本文は、英軍の戦車思想と開発史から説き起こし、各型(マーク)の差異も分かりやすく、まことに結構です。後は、英軍装甲工兵車輌の派生型、いわゆる「ホバーツ・ファニーズ」ですが、これは今後の号に期待しましょう。

 もう一点補足。AFVクラブ(ホビーファン)からチャーチル用レジンパーツ「 チャーチル戦車 アクセサリーセット」が出ていて、砂埃防止用カーテンなんかが入っていましたよね。しかし厳密に言うと、AFVクラブのチャーチルMk.3にこのセットを取り付けても、エルアラメインの時のチャーチルにはならないんですよ。実はこの時点ではフェンダーの形がAFVクラブのキットとはやや違っているんです。で、もしもそのフェンダーを改造するとなると、今までの資料には細かいところまで見える写真がなかなかなかったんです。それがこの『グランドパワー』には、細部が分かる写真が載っているんです。よしっ、AFVクラブのキットを改造するぞっ!