みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

レベルのⅣ号戦車H型

2010年04月16日 22時54分38秒 | AFV(独)
 いきなりですが、レベル1/72のⅣ号戦車H型です。なぜ今頃? いやいや、話すも涙の物語があるんですよ。そもそもこの4号戦車は、モノグラムのⅣ号突撃砲にコンバートするために用意したものだったんです。以前、本体サイトの模型紹介欄で触れたことがあるんですが、モノグラムのⅣ号突撃砲は、足回りがダメダメなんです。そもそもⅣ号系列はダブル転輪なのに、このキットは堂々とシングルにして、しかもご丁寧にキャタピラの爪もシャーマンみたいに履帯の両側に二列に並んでいます。しかし当時、Ⅳ号突撃砲のキットはこれしかなかった。そこで、足回りだけレベルの4号戦車から移植することにしたんです。
 足回り自体は、前後の装甲板を少し摺り合わせるだけで、意外と簡単にモノグラムの突撃砲車体にフィットしました。しかしよく見ると、モノグラムのキットは戦闘室の高さが若干足りないような気がします。戦闘室後部装甲板にエッチングパーツのベンチレーターを付けようしたのですが、高さが足りずにベンチレーターがはみ出すくらいです。まあそのまま作ろうか、それとももうすこし改造してそれらしく見せようか、と考えている内に、あらあら、とうとうドラゴンのキットが出てしまいましたとさ。ってことで、モノのⅣ突とレベルのⅣ号を2個イチにする計画は、放棄。

 ところが、ミニスケールファンの皆さんはご存じの通り、レベルのⅣ号は最近品薄。まあそのうち再生産があるのかもしれませんが、でも現在は店頭でもほとんどみかけない。すると、Ⅳ突の改造を単に放棄するのでは、もったいない気がしてきました。Ⅳ号H型はⅣ号H型にもどしてやらないと惜しい。それにレベルのⅣ号は、実車同様いろんな派生型へのベースとして重宝します。一応在庫は少し持っていますが、入手困難である以上、無駄は出来ない。
 そこで、Ⅳ突に使う予定だったパーツを、Ⅳ号に返却させ、一応パーツをチェックしました。そしたら… あれ?車体後部装甲板がない! 写真で黄色い矢印をつけた、排気管の上の後部装甲板がないんです。これは困った。一応部屋の床を探しましたが、一度落としたものはなかなか見つからない。あるブログでは、製作中のパーツを下に落としてしまうことを「腐海に落とす」と表現しておられましたが、まさにそのとおり。
 気軽にパーツを流用できる(つまり、パーツ取りにしても惜しくない)Ⅳ号と言えば、ハセガワやイタレリ(旧エッシー)です。しかし実際にパーツを当ててみると、レベルとは大きさが違うんです。おまけにリベットや小ハッチのディテールはレベルに比べるべくも無い。ドラゴンのパーツも大きさが違うし、再生産がほとんどなされないドラゴンをつぶしてしまうのも惜しい。レベルのⅣ号の在庫分からパーツを借りて、シリコンゴム型で複製を作ろうか、と本気で考えていたんです。
 ん? ふと気づいて、作りかけで放棄したモノのⅣ突を見てみると… ありゃ、この後部装甲板だけモノのⅣ突に取り付けてしまっていました。モノのパーツは、表面には何の表現もないツルツルのただの板。だからレベルのパーツを接着してしまっていたんですね。いや~、すっかり忘れていました。幸いにも、パーツの裏の位置決め突起を削っただけで、他には削ったりしていません。これはぜひ引っぱがしてⅣ号H型にもどさないと。
 しかしこりゃまた、しっかり接着してしまってます。モノの平らなパーツに、レベルの平らなパーツを、流し込み接着剤で隙間無く接着しているので…。さあ、必要なパーツを傷めずに引きはがすには、どうすればよいのでしょう。どうせⅣ突はもう要らない。両方活かす必要はない。そこで、まず大きなニッパーで不要部分をばしばし切り落とておいて、タミヤのハードコートヤスリで裏側からガシガシ削ることにしました。必要以上に削らないよう気をつけさえすれば、切り出したりするよりも確実に装甲板の平面を保つことができます。
 こういう時、ハードコートヤスリは便利です。よく削れるヤスリの方が、片減りしたり、削りすぎたりという失敗が起こりにくい。最低限のストロークですいすい削れますから、効率がよいし、ばっちり平面も出ます。
 そして、元々の接着面が露出するところまで裏から削り、後部装甲板を発掘することに成功。元のⅣ号の車体に接着してやったのが、写真の状態です。いやいや、助かった。あやうくⅣ号一台を無駄にするところでした。
 ついでに、この周辺を組み立てる際には、エンジンルーム左右側面の格子状の空気取り入れ口(パーツ27と28)を、十分擦り合わせて奥まできっちり入るようにしておかないと、その下のフェンダー(パーツ22と24)がまっすぐくっつかなくなりますからご注意を。