みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ロケット実験機の資料

2010年04月01日 19時01分13秒 | 書籍
 銃のスリングの話の前にちょっと触れたAモデルの新製品、航空機“5-1”&“5-2”ですが、このロケット実験機に関する資料の話です。やはり一番いいのは、この分野の権威Yefim Gordonの『Soviet Rocket Fighters』(Red Star)Midland Pub Ltd刊です。写真の豊富さ、鮮明さ、解説の詳細さ、どれもピカイチです。それ以外に、もう一つ珍しい資料がありまして、それが写真の『SKYROCKETS mit dem roten Stern』です。サブタイトルはwith the red starということかな。ドイツ語の書籍でFLiEGER REVUE刊(1993)。ベルリンの出版社ですね。全15ページの薄いものですが、ソ連のロケット実験機の珍しい写真や、各型の図面が載っています。私はドイツ語は分からないので、宝の持ち腐れですが。でも結構細部の写真もあって、模型の参考になります。
 母機のペトリアコフPe-8に吊り下げられた“5-2”などの実験機なんてのは当然のこととして、Tu-2を母機とした無人実験機という珍しいものも載っています。それから航空機“346”という実験機の乗員脱出方式というのがすごい。細い機体の先端に爆撃機の爆撃手窓みたいなとんがり窓がついていて、パイロットは伏臥式で搭乗します。そして脱出の際にはそのとんがり窓がそっくりそのまま前方に射出され、パイロットはその中に入ったまま前方に押し出されるように脱出します。そして窓はそのままカプセルのようにパイロットを保護する役目を果たし、そのカプセル全体が補助パラシュートで十分に減速したら、パイロットのパラシュートが開いて、カプセルから抜け出したパイロットは地上に降下します。いや、超高速でぶっ飛んでいるロケット機から安全に脱出するのが難しいのは分かりますが、これらの機構が確実に働いてくれるのか、ちょっと心配になりますね。ついでにこの“346”という実験機の母機となったのは、B-29もどきのツポレフTu-4だそうです。

 さて、この冊子ですが、書籍としてちょっと面白い特徴があります。全15ページの薄いものですからもちろんホチキス止め。ところがそのホチキスが普通の針ではなく、本の背側がU字シャックルみたいに飛び出しているんです。ホチキス針で二箇所止めてあるので、U字の金具が二箇所ついていることになります。本屋さんでそこをぶら下げて展示できる、ということなんしょう。本をぶら下げて売るというのは日本では馴染みがないのですが、ヨーロッパでは結構あるんでしょうか。それにしてもこの針を打ったホチキスの道具は、どういう構造になっているんでしょう。