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”LOVE IS WHAT MAKES YOU SMILE WHEN YOU TIRED”by SA GONG YUN
待ってました!の、韓国美少女ディスコ演歌シリーズの新作が手に入った。とか言ってるが、現地でこんなものがシリーズとして発売されているかどうかは知らないよ(笑)
知らないんだけれど、どうも韓国においてそのようなアルバムが続々と作られているらしいのは事実で、その目に付く特徴といえば、
1)どれも、グラビアアイドルかと見まごう美少女歌手ばかりである。
2)歌詞カードと込みで、ほとんど写真集のノリで作られているオシャレなジャケが使われている。
3)アルバムタイトルの多くは英語。
4)以上のようにオシャレな意匠を凝らしたビジュアルに反して、肝心の盤に収められた音は、えげつないディスコ調のアレンジがほどこされたド演歌である。
5)女の子たちの歌唱力は、一様に高い。
といったところか。ドロクサ系のサウンドは好きなんで、そして美少女はもちろん好きなんで、この種のものは出会うたびに買い求めているんだけど、これはいったい何のだろうなあ?
これらの歌手たちが、韓国社会のどういう需要を満たしているのかが分からない。
セレブな世界(と韓国でも言うんだろうか?)の女の子と何とかなるような日々を夢見ている、でも実際にはド演歌的現実を生きて行くしかない韓国青年たちの願望をつかの間、満たしてみせているんだろうか、などと想像しているのだが。
さて、サ・コンユン嬢のデビュー・アルバムたるこのアルバム、他の美少女ディスコ演歌作品との一番の違いは、いかにも”深窓の令嬢(とっくの昔に死語)”っぽい彼女のルックスに合わせたかのように、各曲の曲調が演歌よりもむしろ、やや古風な歌謡曲タッチであることだろう。
この感触、日本だったら”昭和30年代調”というところだが、韓国ではどんな表現を使うのか。というか、どのように意識されている時代感覚なんだろうか。
ともかく、パワフルな打ち込みのリズムに乗って、いかにも”安易な大衆娯楽”を絵に描いたような下世話な一昔前の歌謡曲的メロディが堂々と歌い上げられる。他のド演歌系美少女歌手たちのパワフルなコブシ回しとも趣の違う、やや陰ある声で憂いを秘めてうねり流れる、サ・コンユンの歌声。
最初は切れが悪いなあ、などとすっきりしない感想だったのだが、気がつくと妙に癖になっている。
とはいえ、この盤で覚えたメロディを日常生活でうっかりハミングとかしてしまわないように気をつけねば。”裏町歌謡曲派のワールドミュージック・ファン”とか自称している当方でも、さすがにこの種の音楽を愛好している現場を人に見られるのはちょっと恥ずかしかったりする。
この、”嫌だなあ。かっこ悪いなあ”と思っているうちに、隙をついて心の裏側に染み付いてしまう感じが、まったく演歌だ。
それにしても歌う側の女の子たちは、この演歌路線に満足してるんだろうか?実はオシャレなアイドル・ポップスかなんか歌いたかったりするんじゃないのかなあ?その辺も知りたいものだなあ。