ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

透明人間の喪失

2011-10-27 04:25:32 | 60~70年代音楽

 さっき、本当に久しぶりにクニ河内の「透明人間の歌」を聴いた。つけっぱなしにしていたラジオから流れてきたのだ。

 この歌の発表された当時の音楽祭においては、上條恒彦の「旅立ちの歌」だっけ、ああいった壮大な歌い上げ系の歌が持て囃されていたから、そんな世情への批判として、クニはあのような脱力ソングを世に問うたんだろう。一流ぶったその音楽祭のきらびやかなステージのど真ん中でわざとブザマに振舞うクニは、実にかっこ悪くてかっこ良かった。

 が、さて、どれほど当時の人々に彼の真意は伝わったのだろう。私は友人と、その間抜けな曲調がただ嬉しくて、大うけで聞いていたものだったが。
 結局、「透明人間」の問いかけていたものは、その後に起こった第一次石油ショックによって、全日本人が思い知らされることとなる。
 時は流れ。すべてのものがぐずれ去った、もう何度目かも忘れた瓦礫の前で、我々には今、「透明人間の歌」の一つもない。

 ラジオは中島みゆきの歌う、何たら言う映画のテーマソングに変わっている。中島みゆきってさあ、なんでこんなにご立派な歌ばかり作るのだろう?そんなことばかり考えている奴って、なんなんだろう?うんざりしたり疲れたりしないのか、自分で自分が。

 とりあえずこちらの事情を話せば、昼間抜いた虫歯のあとが痛くてならない。鎮痛剤は出されているのだが、こいつを飲むと胃をやられると分かっているので、手をつける気にはなれない。酒を飲みたいんだが、とんでもない話で。
 眠らないのに意味はない、ベッドまで行くのがダルいんで仕事場から動けず、ただ仕事場でラジオを聴きながら無為に時が過ぎてゆくのを見守っている。ちょっとでも眠っておくほうがいいとは思いながら、もうすぐ朝がやってきてしまうのだろう。





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