ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

鍵盤バイオリンの怪異

2011-02-13 02:55:29 | ヨーロッパ

 ”ASA JINDER (nyckelharpist) ”

 な~んかこの週末には、さらなる寒気がやって来るそうですね。もう、いい加減にしろよなあ。風邪を引く半歩手前くらいで踏みとどまっているワタクシですが、もう我慢ならん。こうなりゃヤケだ、酒飲んじゃおうかな、今夜。
 飲んでいい日じゃないんだけどね。それ以前に寒さと何の関係もないが。逆に明日の朝、ただでさえクソ寒いのに二日酔いで起きるんじゃ、ますます良いことないんだけど。
 という訳で、寒いからってアイスランドの話ばかりもしていられないんで、今回は北欧の伝統音楽をある面で象徴するような楽器、鍵盤バイオリンなど。

 この呼び方、現地ではキイ・フィオールとか呼ばれているのを直訳したみたいだけど、他にもnyckelharpaとか、いろいろ呼び方はあるみたい。まあ、上に張った絵や下の映像を見てもらうのが早いだろうけど、異様と言っていい外見の楽器です。基本はバイオリンの左手部分の操作を直接弦を押さえずにキイを使って行なう仕組みになっている。
 かってはヨーロッパ中で見られた楽器で、私もスペインの古い絵画に、この楽器と同様の構造を持つ楽器が描かれているのを見たことがあるけど。でも次第に使われることがなくなって、今では北欧民謡の世界の片隅で命脈を保っている状態のようだ。

 ともかくそのキイの数だって何本あるんだ?弦だって20本以上張られているんじゃなかろうか。楽器全体の構造もめちゃくちゃ複雑で、こんなものの操作を習得してめんどくさい思いをして演奏するより、普通のバイオリンを練習して弾いちゃったほうが効率的じゃないか?とか思ってしまいますな。コスト・パフォーマンスが悪すぎるって奴だ。違うか。
 まあしかし、普通のバイオリンでは、この楽器の深く暗い闇に沈みこむような独特のタッチは出せないんでしょうね。重厚にして翳りのある、とでも言うのか。ここでは北欧民謡の一典型が演奏されているわけですが、こんなメロディにはいかにも合う感じは確かにいたしますな。




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